この記事の目次
- 敷金とは?敷金の意味や礼金・管理費との違いはなに?
- 敷金とは賃貸借契約時に入居者が大家さんに預けるお金
- 敷金と礼金・管理費・保証金の違いをわかりやすく解説!
- ①礼金とは大家さんに感謝の気持ちとして払うお金
- ②管理費とはマンションやアパートの管理・維持に使われるお金
- ③保証金とは敷金と礼金を合わせたようなもの
- 敷金の償却や敷引きとは退去時に敷金が返ってこないこと
- 敷金は返金される?家主に返還義務はある?
- ①敷金が返却される割合は70%
- ②賃貸借契約書に特約事項が含まれている可能性がある
- ③借主に過失がある場合は原状回復費が借主負担になる
- ④時間による劣化の場合は原状回復費が家主負担になる
- ⑤生活による劣化の場合は原状回復費が家主負担になる
- 敷金・礼金・仲介手数料の相場は?
- ①敷金の相場は家賃の1~2か月分
- ②礼金の相場は家賃の1~2か月分
- ③仲介手数料の相場は家賃の0.5~1か月分
- 敷金礼金なしのゼロゼロ物件も存在する
- ①敷金礼金なしのゼロゼロ物件のメリットは初期費用の安さ
- ②敷金礼金なしのゼロゼロ物件にはデメリットが存在する
- 事業用物件では敷金の会計処理はどうする?
- ①敷金のうち償却された分は消費税が課せられる
- ②敷金の勘定科目は「敷金」「差入保証金」とする
- まとめ:敷金とは何なのかしっかりと理解しよう
敷金とは?敷金の意味や礼金・管理費との違いはなに?
こんにちは。マネーキャリア編集部・FPの西田です。
先日、20代の男性から次のような質問をされました。
賃貸物件の契約時にかかる費用は、家賃の5倍と一般的に言われています。
物件によって違いはあるものの、敷金、礼金、管理費の他、保険料、前家賃、鍵交換、仲介手数料などの支払いを契約時に求められます。
本記事では、「敷金ってなに?」という疑問を抱えている方、「敷金・礼金・管理費の違いってなに?」という方に向けて、これらについてわかりやすく解説していきます。
本記事が、一人暮らしをはじめる方、賃貸物件をこれから借りる方の参考になりますと幸いです。
敷金とは賃貸借契約時に入居者が大家さんに預けるお金

敷金とは退去時にかかる原状回復費に充てるためのお金ですが、賃貸借契約の時点で支払うことが一般的です。
例えば、敷金は以下の費用に充てられます。
- ルームクリーニング
- エアコン清掃
- 畳のはりかえ
- 壁紙のはりかえ
- 水まわりの消毒
- 鍵の交換
- シミ、カビなどの除去
敷金と礼金・管理費・保証金の違いをわかりやすく解説!

前述した通り、敷金とは部屋の原状回復に充てられるお金のことです。
続いて、礼金、管理費、保証金とはなにか確認し、それぞれの目的を理解していきましょう。
①礼金とは大家さんに感謝の気持ちとして払うお金
物件を貸して頂くことへの感謝を表すお金で、支払いのタイミングは契約時になります。
礼金の相場は家賃1か月分といわれていますが、2か月分以上の礼金の支払いが規定されている物件もあります。
最近では礼金がない物件も多いので、初期費用をおさえたいという方は礼金のない物件をあたってみても良いでしょう。
人気のある物件や人気エリアの物件の場合は礼金の支払いがほぼ求められるため、「礼金なし」を物件選びの条件にすると選択肢は狭まります。
②管理費とはマンションやアパートの管理・維持に使われるお金
管理費とは物件の管理・維持に使われるお金です。
たとえば、アパートには各部屋のみならず、エントランス、階段などの共有スペースがあります。
管理費は共有スペースの清掃・メンテナンスに充てられたり、常駐の管理人がいる場合はその人への給与に充てられたりします。
管理費は共益費と似たお金と見做しても良いでしょう。
③保証金とは敷金と礼金を合わせたようなもの
保証金は敷金と礼金を合わせたようなお金です。
保証金という枠組みのなかで、敷金7割、礼金3割のように規定されていることもあります。
たとえば、保証金が10万円の場合、7万円が敷金、3万円が礼金となります。
退去時にかかる原状回復費は保証金から支払われます。
敷金と同様、保証金のなかには退去時において必要経費の残高が返金されるものもあります。
敷金の償却や敷引きとは退去時に敷金が返ってこないこと

入居時に支払った敷金は、原状回復費を差し引いた金額が通常戻っていきます。
契約書に償却や敷引きと明記されている場合、敷金は戻ってきません。
償却、敷引きが規定されている物件を契約した場合、原状回復費が全くかからなかったとしても敷金は返ってこないので注意してください。
借主にとって償却、敷引きは不利な条件ですので、この規定に不満を抱く方も多いです。
しかし、現在の日本(2021年5月)では、償却、敷引きは高額すぎない限り有効という見方をされています。
敷金は返金される?家主に返還義務はある?

原状回復費が敷金を下まわった場合、借主に残高は返金されます。
原状回復には何かとお金がかかりますので、「返金額が思ったよりも少ない」と驚かれる方も多いです。
また、賃貸契約書に敷金の特約事項が含まれていることに気付かず、退去時にトラブルが発生するケースも珍しくありません。
以下、敷金の返金に関わる基本的な内容を確認していきましょう。
①敷金が返却される割合は70%
家AGENTが運営を行うルーチによると、敷金が返却される割合は70%だといいます。
同サイトでは、敷金が返還された人の割合、及び敷金のうち返還された率の平均は次のようになっています。
| 返還された人の割合 | |
|---|---|
| 全額返還 | 12.2% |
| 50~100%未満の返還 | 41.3% |
| 50%未満の返還 | 15.5% |
| 返還無し | 31.0% |
敷金が全額返還された人は、全体の約10%です。
この数字をどうみるかは人による部分が大きいですが、部屋の状態を良好に保ち、家主が親切であれば、敷金の全額返還を十分期待できるでしょう。
全体の3割以上の人たちが「敷金の返還無し」と回答しています。
生活していれば、住まいを汚したり、キズつけたりすることを避けるのはほぼ不可能です。
ルームクリーニング、修繕費などはお金がかかりますので、敷金が原状回復費に全て充てられることも少なくありません。
また、退去時における部屋の状態があまりにもひどい場合は、敷金とは別にクリーニング代などがかかることもあります。
②賃貸借契約書に特約事項が含まれている可能性がある
賃貸借契約書の敷金に関する箇所に特約が含まれている場合、敷金が戻ってこないケースがあります。
特約とは、原状回復の原則とは違う契約内容で、借主に退去する際にかかる費用を請求する契約です。
たとえば、特約は以下にかかる費用に付いています。
- ルームクリーニング
- 畳のはりかえ
- 床のはりかえ
③借主に過失がある場合は原状回復費が借主負担になる
経年劣化、通常範囲内での使用による破損などは、家主が費用を負担します。
借主の過失によって物件をキズつけたり、汚したりした場合は、借主が原状回復費を支払わなければいけません。
タバコの匂いやヤニは「通常の範囲内の使用」という解釈の余地もありますが、負担は借主になるので注意してください。
④時間による劣化の場合は原状回復費が家主負担になる
物件は時間が経つと、自然に劣化していきます。
それゆえに、物件の価値は年々下がることが一般的です。
物件の経年劣化に該当する箇所は、家主が原状回復費を負担します。
たとえば、以下のものが該当します。
- ポスター、カレンダーの日焼けあと
- 家具設置による床のへこみ、穴
- 冷蔵庫などによる電気焼け
- 耐用年数超過による設備の破損(流し台5年、インターフォン6年、トイレの便座8年など、それぞれ耐用年数が規定されています)
⑤生活による劣化の場合は原状回復費が家主負担になる
日常生活を送っていれば、部屋にキズや汚れは気を付けていたとしてもつくものです。
賃貸物件において通常の生活によって劣化した部分については家主の負担になります。
たとえば、以下のものが該当します。
- 床、カーペットのへこみ
- テレビ、冷蔵庫などの後部壁面の黒ずみ、電気焼け
- カレンダー、ポスターなどのはりつけによる壁のピン穴
- フローリングの変色
- エアコン内部の洗浄
- 網戸のはりかえ
- 自然の影響(台風など)による窓ガラスの破損
- 鍵の取替え
敷金・礼金・仲介手数料の相場は?

物件を借りるにあたって、敷金、礼金、仲介手数料などの支払いが求められることを契約時に知って、驚かれる方も多いです。
「アパートを借りる時に、こんなにお金がかかるとは思っていなかった」「アパートは毎月家賃を払えば、借りられると思っていた」という方も、10代、20代においては珍しくありません。
物件の契約時におどろかないために、資金、礼金、仲介手数料の相場を確認しておきましょう。
相場よりも異常に高い金額が設定されている場合は、仲介会社に問い合わせてみてください。
①敷金の相場は家賃の1~2か月分
敷金の相場は家賃の1か月~2か月分となっています。
たとえば、家賃6万円のアパートの場合、敷金は6万円~12万円となります。
敷金があまりにも高額な物件について、「公序良俗に反するのでは?」という意見も上がっています。
敷金が相場をはるかに超え、その理由が不明な場合は、仲介会社に問い合わせましょう。
②礼金の相場は家賃の1~2か月分
礼金の相場は、敷金同様に家賃の1か月~2か月分となっています。
たとえば、家賃7万円のアパートの場合、敷金は7万円~14万円となります。
③仲介手数料の相場は家賃の0.5~1か月分
仲介手数料とは、物件を借りるにあたってサポートして頂いた報酬として不動産会社に支払うお金です。
仲介手数料の相場は、家賃の0.5か月分から1か月分となっています。
仲介手数料には上限があり、宅地建物取引業法において賃料の1カ月分+消費税までと定められています。
そのため、1ヵ月分の家賃を超える仲介手数料を支払うことはありません。
敷金礼金なしのゼロゼロ物件も存在する

敷金なしの物件、礼金なしの物件、さらには「ゼロゼロ物件」と言われる敷金礼金なしの物件も存在します。
以下、ゼロゼロ物件のメリットとデメリットを解説していきます。
①敷金礼金なしのゼロゼロ物件のメリットは初期費用の安さ
ゼロゼロ物件のメリットは、初期費用の安さです。
引っ越しにはなにかとお金がかかり、物件の初期費用、交通費、電気製品・家具購入費などさまざまな支払いが発生します。
ゼロゼロ物件を選択することで、初期費用を数万円~数十万円安くできます。
「引っ越し費用を捻出し難い」、「急な引っ越しで、支払いに困る」、「物件を変えたいけれど、契約時にかかる初期費用を払えない」という方にとって助かるものです。
②敷金礼金なしのゼロゼロ物件にはデメリットが存在する
ゼロゼロ物件には、敷金礼金の支払いを求めない家主側の事情が隠れていることもあります。
場合によっては、借主にとってデメリットになりますので、ゼロゼロ物件を選ぶ際は、敷金礼金不要の理由を把握しておくことをおすすめします。
家主が契約時に敷金礼金の支払いを求めない理由として、以下のことが考えられます。
- 毎月の家賃が相場よりも高めに設定されている
- 短期解約違約金の規定
- 更新手数料が相場よりも高い
- ルームクリーニング特約
- 借り手のいない不人気物件
- 人気のないエリア
事業用物件では敷金の会計処理はどうする?

事業用物件の敷金の会計処理において、返還されるお金と返還されないお金では処理方法が異なります。
返還される場合は資産・負債科目、返還されない部分は収益・費用科目で処理します。
以下、事業用物件の敷金の会計処理における2つのポイントをみていきましょう。
①敷金のうち償却された分は消費税が課せられる
敷金のうち償却される部分と償却されない部分では、税の扱いが異なります。
償却額が確定している部分は、返還されない部分の敷金は家賃と同じ扱いになるため、家賃の課税(非課税)の区分と同様に消費税を判断します。
退去時に原状回復費として敷金から差し引かれる場合、その部分の金額は借主に対する役務提供に該当するので、課税取引として取り扱われます。
この規定に関しては、国税庁の建物賃貸借に係る保証金から差し引く原状回復工事費用で説明されています。
②敷金の勘定科目は「敷金」「差入保証金」とする
敷金を会計処理する時の勘定科目は、借主と家主で異なりますので注意してください。
借主は敷金(資産科目)、差入保証金(資産科目)で処理し、 家主は預り金(負債科目)で処理を行います。
借主が簿記を付ける際、敷金は貸借対照表では借方になります。
借主は敷金が返還されたら、勘定科目を修繕費にしてください。
たとえば、以下のようになります。
| 日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
|---|---|---|---|
| 5/3 | 修繕費 50,000円 | 普通預金 50,000円 | 賃貸物件の原状回復費用 |
事業用物件の場合は、原状回復にかかる費用(修繕費)を経費として全額落とすことが可能です。
償却された敷金の仕訳は複雑なので、本記事では説明を割愛します。
本やサイトなどでしっかり確認しましょう。
まとめ:敷金とは何なのかしっかりと理解しよう
本記事でみてきたように、敷金とは退去時にかかる原状回復費を契約時に支払うお金です。
敷金は特約が付いていない限り、クリーニング代や修繕費を差し引いた金額が借主に返還されます。
敷金をできるだけ多く返還してもらいたい場合は、入居時の状態をキープして退去するようにしましょう。
自分が付けていないキズや汚れにかかる費用を引かれないようにするために、入居したらすぐに部屋をみまわし、キズや汚れを見つけたら写真に収めておいてください。
賃貸物件を契約する際には、敷金、礼金、管理費などさまざまなお金が初期費用としてかかります。
初期費用をおさえたいという方は、ゼロゼロ物件を考えてみてもよいでしょう。
しかし、ゼロゼロ物件にはなんらかのデメリットがあることも多いので気を付けてください。
マネーキャリアでは、他にも読んでおきたい暮らしに役立つ記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

