生活保護をやめたい!生活保護の辞め方や辞退する際の注意点は?

生活保護をやめたい!生活保護の辞め方や辞退する際の注意点は?
生活保護を受けることをやめたいと考えている方もいるのではないでしょうか。この記事では、生活保護をやめたい人が生活保護を辞退する方法について解説しています。生活保護をやめる際の注意点や、生活保護辞退後に再び生活保護を受ける方法も紹介します。
監修者「谷川 昌平」

監修者谷川 昌平ファイナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!

生活保護をやめたい人は生活保護を辞退できる?

こんにちは。マネーキャリア編集部・FPの西田です。


先日、30代半ばの女性から次のような相談を受けました。

鬱病のために働くこともままならず、生活保護を受給しています。最近は調子が良くなってきたので、社会復帰を目指したいと考えています。生活保護をやめたいのですが、辞退はできますか?

生活保護受給者のなかには、「働きたい」「罪悪感があるから辞めたい」「はやく今の生活を抜けたい」という思いを抱えていらっしゃる方が多いです。


生活保護の辞退は必要な手続きを踏めば可能です。 しかし、辞退する前に、生活保護に代わる収入源の確保や今後のライフプランニングを行わなければいけません。 


本記事では、生活保護を辞退する方法を確認したうえで、生活保護をやめた後で支払いが発生するお金についても説明していきます。 


あわせて、生活保護の再開方法についても解説していきます。 この記事が、「生活保護をやめたい」と考えている方の参考になれば幸いです。

生活保護のやめたい人は福祉事務所に辞退届を提出しよう!


生活保護をやめたい人は、福祉事務所、もしくは担当ケースワーカーに相談することからはじめましょう。


生活保護を受給している方は、(人によって頻度は異なりますが)ケースワーカーとの面談が年に数回組まれます。


この時に、「生活保護をやめたい」と話すことが、最も手軽な辞め方です。

ケースワーカーはあなたの状況を踏まえた上で、生活保護をやめる手続きを進めてくれるでしょう。


ケースワーカーとの面談があまりない場合や福祉事務所に行きにくいという場合は、「生活保護法指定 指定辞退届書」を出すという方法もあります。

(ケースワーカーなどに「生活保護をやめたい」と伝えた場合も、最終的に辞退届を提出することが多いです)

生活保護をやめたい人が辞退届に記入する内容は?


生活保護を辞める場合、「生活保護法指定 指定辞退届書」を提出します。


この届出は各市町村のホームページなどでダウンロード可能です。


自分でダウンロードできないという場合は、福祉事務所に質問してください。


「生活保護法指定 指定辞退届書」には、だいたい以下の内容を記入します。

  • 生活保護法指定番号
  • 医療機関等コード
  • 氏名
  • 住所
  • 辞退年月日 
記入する内容はいたってシンプルです。

生活保護をやめたい人が辞退する際の6つの注意点!

「生活保護をやめたい」と考えている人は、その後の生活についてや、生活保護をやめたことで支払い義務が発生する税金について考えなければいけません。


生活保護をやめたい人は、6つの注意点をおさえてから辞退しましょう。

①生活保護辞退後の収入を確保する必要がある

東京都内において単身世帯の場合は住宅扶助・生活扶助として月13万円程度保証されます。

母子家庭の場合は人数に相当する住宅扶助・生活扶助に加えて、子どもの学校生活にかかわる費用も別途支給されます。


生活保護を辞退したら、家賃、食費、日用品にかかる費用などすべて自分自身で補う必要が出てきます。

お子さんがいらっしゃる方は、これらにあわせて養育費が必要になります。


「生活費を稼げるあてがあるのか」、「現在の健康状態で仕事を継続できるのか」をしっかりと考えたうえで、辞退を行ってください。

生活保護に代わる収入を辞退前に確保しておくことがのぞましいです。

②生活保護辞退後の医療費を考える必要がある

生活保護を受けている期間は医療券を発行してもらえるため、医療費の負担はなくなります。

病院に行くと数千円程度は通常かかりますので、持病のある方や継続して通院する必要のある方は毎月の医療費は少なくない金額です。


生活保護をやめた後、医療費を支払えるかも考えてください。

③ケースワーカーが辞退を認めてくれないことがある

ケースワーカーに生活保護を辞退したい意思を伝えても、認めてもらえないことがあります。

生活費を稼ぐ見込みがなかったり、病気がひどくて働ける状態ではないと見做されたりした場合、辞退の申し出は却下されます。

生活力のない状態で生活保護が廃止されたら、命にも関わる問題になりますので、ケースワーカー、自治体は慎重になります。


生活保護を辞退する場合、「生活保護法指定 指定辞退届書」を提出しますが、この届出は100%有効ではありません。

自立して生活できることの裏付けが取れない場合は、辞退届書は無効になります。


ケースワーカーに生活保護の辞退を認めてもらうためには、生活できるという根拠が必要です。

たとえば、以下のものが証拠になります。

  • 心身ともに健康で、正社員の仕事が見つかった
  • 親族から援助を受けられることになった(仕送りが証明できる通帳などが必要なこともあります)

④生活保護受給中は免除される住民税を払う必要がある

生活保護受給前に住民税を未納している場合は、注意が必要です。


生活保護受給中は毎年の住民税、ないし未払い分の住民税の請求が免除されます。

生活保護を辞めた場合、延滞している住民税の支払い義務が再び発生します。 


住民税を延滞していた方は、住民税が請求された場合のことも忘れずに考えておいてください。

⑤国民健康保険料と国民年金保険料を払う必要がある

生活保護受給後の収入源が正社員以外の所得の場合は、国民健康保険料と国民年金保険料の支払い義務が発生します。

具体的には、親族からの仕送り、パート・アルバイト、フリーランスなどの雇用形態の場合、自分でこれらの保険料を払っていかなければいけません。


国民健康保険料は所得、年齢などによって金額が異なりますが月額12000円前後からになります。

2021年においては国民年金保険料は月額16610円と規定されています。


生活保護をやめたら、国民健康保険料と国民年金保険料をあわせて30000円前後の支払いが毎月発生します。

⑥生活保護辞退後は停止期間があり数ヶ月後に廃止となる

生活保護辞退後、生活保護がすぐに廃止になるわけではありません。


停止期間が最長6ヵ月あります。

この期間に、「自立して生活可能か」、「継続して十分な収入を確保できそうか」など様子をみられます。


停止期間において6ヶ月以上生活できるお金を手にした場合、生活保護はその時点で廃止になります。

生活保護辞退後に再び生活保護を受ける方法を紹介!

生活保護が廃止になったあと、生活することが難しかったというケースや、働いてみたものの身も心も極度に疲弊してしまったというケースは多いです。

こうした場合、生活保護の再受給を考えることになります。


生活保護辞退後に生活保護を受けることは可能です

以下、生活保護はどのようにすれば再び受けられるのか方法を確認しておきましょう。

①生活保護の停止中はいつでも再開できる

生活保護の停止中はいつでも、生活保護の受給を再開できます。


停止は見守り期間ともいえますので、この期間に保護が必要になった場合は再開することも簡単です。

②生活保護を廃止された場合は新規で申請する必要がある

生活保護の廃止後の再開は、新規での申請となります。


申請時には書類提出が求められ、行政側は調査を再度行わなければいけません。


生活保護受給の要件を満たしていれば、生活保護を再度受給することができます。


不正受給をして生活保護が廃止されたなどといった理由がない限り、2度目以降の新規申請で不利になることはありません。


また、マネーキャリアでは、生活保護の申請の裏ワザについての記事も用意しましたのであわせてご覧ください。

生活保護をやめたい人が辞退届を提出せずに生活保護をやめる方法


生活保護を辞退する場合、「生活保護法指定 指定辞退届書」を通常提出します。


辞退届以外で、生活保護をやめる2つの方法をみていきましょう。

①安定して最低生活費以上の収入を得る

生活保護を辞退する方法として、自分で収入を得就職するがあります。


辞退にあたって、自分ないし、家族の生活をすべて賄うことのできる給与収入があることを証明します。

そのため、正社員、もしくはフルタイムでの勤務が好ましいです。


パート・アルバイトなどで数万円程度しか月に稼げない場合は、生活保護の辞退が認められないことも多いです。

この場合、生活保護を受けながら、パート・アルバイトで生活費の一部を補うことになります。


自分の収入だけで生活費を賄えることが、生活保護をやめるポイントになります。

②結婚または同棲し世帯収入として最低生活費以上の収入を得る

結婚・同棲によって生活保護を受給しなくても生活できるようになったら、無職でも生活保護を辞退できます。

この場合、相手に一定以上の収入があること、結婚、ないし同棲することをケースワーカー、ないし福祉事務局に証明する必要があります。

生活保護の辞退をケースワーカーに強要された事例もある


2013年に、生活保護の辞退をケースワーカーに強要された事件が関西で起きました。


生活保護を受給していた40代の女性は「娘が市役所に行った際、職員から書類名を隠したまま、生活保護辞退届を記入させられた。保護費は打ち切られてしまった」と主張しています。


この女性の娘は、市の福祉課に保護費を受け取りに行ったところ、課内の奥にある別室に連れて行かれ、男性職員3人にかこまれて「弟が高校卒業したので、自立できませんか?」と書類の記入を求められたという。


また、辞退届の上部は手で隠されており、娘は状況を理解できない状態のままで書類を記入、提出したといいます。


背景には、生活保護受給者が増えたことによる市の予算の圧迫、不正受給者の増加が挙げられます。


また、世間において納税者の一部による生活保護受給者へ向ける風当たりの冷たさも、辞退の強要を後押しする一要因と見做せるでしょう。


こうした諸々の要因が、生活保護の辞退を強要されるという事態に繋がったと考えられます。

まとめ:生活保護をやめたい人は辞退届を提出しよう

生活保護を辞退したいと思ったら、「生活保護法指定 指定辞退届書」を提出してください。

辞退届を提出する前に、担当ケースワーカーに「生活保護をやめたい」という意思を伝えておくとよいでしょう。


収入源を確保しており、なおかつ健康状態が良好の場合は、辞退届が受理されて生活保護の辞退が認められます。

生活保護は数か月程度の停止期間を経た後に、廃止になります。


しかし、ケースワーカーや福祉事務局から、生活保護辞退後の生活力について疑いをもたれたら届け出が受理されないこともあります。

生活費の見通しがついておらず、かつ体調が悪い状態の場合、生活保護の辞退はほぼ認められません。

このケースにおいても、親族などから仕送りしてもらえる場合、結婚・同棲などで生活が安定する場合は生活保護の辞退が認められます。


生活保護の辞退届が受理されなかった場合は、心身の回復を目指し、自分に合った職場探しを焦らずに行いましょう。


マネーキャリアでは、他にも読んでおきたいお金に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。