生活保護の口座調査でばれない口座はある?銀行口座の監視はどこまで?

生活保護の口座調査でばれない口座はある?銀行口座の監視はどこまで?
生活保護を受けている方でばれない銀行口座を持ちたい方もいるのではないでしょうか。この記事では、生活保護受給中にばれない銀行口座があるのかを解説しています。また、ケースワーカーが行う口座調査の方法も説明しているので、ぜひお読みください。
監修者「谷川 昌平」

監修者谷川 昌平ファイナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!

生活保護の口座調査でばれない口座はある?

生活保護を受給しています。口座調査でばれない銀行口座の特徴等を教えてください。

生活保護受給を開始すると、生活保護受給額がもらえる代わりに、様々な義務が課されます。その一つが銀行口座の申告です。


申告をせずに隠し口座が万が一ばれた場合は、申告義務違反のため保護停止または廃止、および返還金発生の対象になります。


一方で、「生活保護者全員の隠し口座を探し出すことが現実的に可能なのか」、皆さんは疑問に思っているかもしれません。


厚生労働省による生活保護の被保護者調査(平成31年2月分概数)によると、国内で、生活保護者数は2,089,641人、世帯数では1,653,515世帯います。


実際に、これだけの多くの生活保護受給者を調べることは可能なのでしょうか。


本記事では、生活保護の口座調査でばれない口座の特徴、ばれるケースや調査の流れについて具体的に解説していきます。


皆さんの参考になれば幸いです。

生活保護の口座調査でばれない口座は2種類!


まずは生活保護の口座調査でばれない口座について、下記2種類を解説いたします。

  1. 福祉事務所の管轄外の地域にある銀行の口座
  2. 家族名義や友人名義の口座

①福祉事務所の管轄外の地域にある銀行の口座

生活保護の口座調査でばれない口座の1つが、福祉事務所の管轄外の地域にある銀行です。


例えば、東京在住で沖縄県にしかない銀行の口座がある場合です。


確かに、生活保護法第29条で銀行口座を調べる権限が福祉事務所にはあります。そのため福祉事務所の管轄外の地域の銀行の口座を調べることは可能です。

  • 参考:福祉事務所の資産等に関する調査における主な照会内容と照会先の一部
  • 預貯金 : 口座の有無、預貯金の有無及び金額等[調査先:銀行・郵便局等] (厚生労働省 生活保護関連資料 より抜粋)

上記からも特に「管轄内の銀行のみ」と範囲を指定しているわけではありません。


しかし、福祉事務所としては、管轄の生活保護者全員一人一人について、全国の膨大な金融機関を調べることは極めて困難です。管轄内の地域の銀行口座に絞って調査するのが現実です。


東京在住で、沖縄県にしかない銀行の口座がある例で考えますと、都市部だけでも金融機関の数が多く調べるのに時間がかかるのに、沖縄の銀行まで調べることは厳しいでしょう。


なお、転入者の場合は転入以前の福祉事務所に調査をしている金融機関を聞いて照会するケースはあり得ます。福祉事務所の対応次第ですが、過去に住んでいた地域は調査対象になることは現実的にあり得ますので注意しましょう。


また「ネット銀行はばれない」という噂を耳にしたことある人もいるかと思います。

しかしネット銀行の隠し口座はばれます。

なぜなら、通常の銀行口座同様に、生活保護法第29条により、調査する権限はありますので、大手を中心にネット銀行を抜き打ちで調査する可能性があるためです。

②家族名義や友人名義の口座

生活保護の口座調査でばれない口座の2つ目は、家族名義や友人名義の口座です。


福祉事務所が調査できる範囲は、あくまで生活保護対象者の個人名義(世帯認定された場合は同一世帯人の名義)の銀行口座です。


注意点は、個人名義の口座と、家族や友人名義の口座とのやりとりはばれる点です。


リアルタイムで生活保護者の口座を監視しているわけではありません。しかし福祉事務所は、口座の残高や入出金記録を調べることが可能です。


例えば家族名義や友人名義の口座を作り、そこで手に入れたお金を生活保護者である自身の口座へ移動させた場合は記録として残ります。

生活保護で隠していた銀行口座がばれる理由


生活保護で隠していた銀行口座がばれる主な理由について、本記事では3点紹介いたします。

  1. 友人などに隠し口座の存在を福祉事務所に通報される
  2. ケースワーカーが隠し口座の存在に気付く
  3. 福祉事務所の銀行口座調査でばれる

①友人などに隠し口座の存在を福祉事務所に通報される

前章「①福祉事務所の管轄外の地域にある銀行の口座」で紹介した通り、全国の膨大な金融機関を全て調べることは極めて困難です。他人から見たら、縁のゆかりもない隠し口座の存在がばれるケースとしては、友人などに通報されることが挙げられます。


例えば隠し口座を持っていることを、友人にうっかり話してしまったケース等が挙げられるでしょう。その友人が福祉事務所に通報し、福祉事務所が調べることで発覚するのです。


先ほども解説した通り、福祉事務所には、全ての銀行の口座を調べる権限自体はあります。福祉事務所自ら、根拠なく手探りに、生活保護者全員分の全ての銀行をチェックしていくことは現実的ではないですが、通報があればピンポイントでその人を徹底的に調査することは可能です。

②ケースワーカーが隠し口座の存在に気付く

2点目は、ケースワーカーが隠し口座の存在に気付くケースです。


ケースワーカーとは、身体上や精神上などの理由によって、日常生活を送るうえでの悩みや困りごとを持つ人を「相談援助」する人たちを指します。


ケースワーカーの業務の中には、生活保護者に対し、家庭訪問などを通した家庭環境の調査、生活保護受給に値するかどうかの確認があります。


その中でケースワーカーが隠し口座の存在に気付くことがあります。

直接隠し口座を喋ってしまう以外にも、例えば収入に見合わないお金の使い方をしている、高価なものが自宅にあること等、些細なことが原因となります。

③福祉事務所の銀行口座調査でばれる

3点目は福祉事務所の銀行口座調査でばれるケースです。


①②では、友人やケースワーカーの通報により福祉事務所が銀行口座調査を行うことでばれるケースを紹介しました。


他にも、匿名の方からの公益通報があり得ます。

人によっては「国民の税金を、ルールを守らず不正に受給している人を減らしたい」と考える人もいるでしょう。


Twitter等のSNSを確認するとわかりますが、このような考えを持つ人たちは多く、常に目を光らせています。インターネット、SNSの普及にも伴い、匿名の方からの公益通報は可能性として十分あり得ます。

生活保護受給中の銀行口座はどのように調査される?


生活保護受給中の銀行口座はどのように、どこまで調査されるかについて、主な内容として4点解説していきます。

  1. 基本的には申告された口座のみを確認される
  2. 生活保護受給者の銀行口座の調査手段は2種類
  3. 生活保護受給者の銀行口座の調査するタイミング
  4. 調査対象の銀行は絞られていると推測される

基本的には申告された口座のみを確認される

基本的には生活保護者が申告した口座のみを、福祉事務所は確認します。


前章まで「隠し口座ばれるーばれない」について解説してきました。しかし、前提として申請していないこと自体が申告義務違反です。発覚した場合、保護停止または廃止、および返還金発生の対象になります。


そのため、福祉事務所のスタンスとしては、申告した口座が全てであるという前提で、基本的には申告を信じ、口座の確認をしていきます。

生活保護受給者の銀行口座の調査手段は2種類

生活保護受給者の銀行口座の調査手段を具体的に解説いたします。


まず前提として、生活保護法第29条で銀行口座を調べる権限が福祉事務所にはあります。

  • 生活保護法第29条に基づき保護の実施機関が金融機関等関係先に対して行う資産の保有状況等に関する照会(報告要求)は、被保護者の同意を要件としていないが、金融機関等からは、照会に際し、被保護者が照会に同意する旨を記した書面(同意書)の提出を求められることが一般的である。
    厚生労働省 生活保護関連資料 より抜粋)

本記事では調査の一般的な流れを解説します。しかしこの権限により、前章で開設したような一般的な流れではない独自調査として、いつでも、全銀行の調査依頼を行うことは可能という点はおさえてください。


そのうえで、生活保護受給者の銀行口座の調査手段は主に2種類あります。

本店等一括照会でその銀行の全支店の口座を一括で調査する

生活保護開始時等で主にこの方法で調査します。

大手のメガバンクやゆうちょ銀行、生活保護申請者が過去に居住・就労した経歴のある地方銀行・信用金庫などを対象とし、全支店の口座を一括で調査します。

一緒に住んでいる人全員の口座調査をする

生活保護が適用できるかどうかは、世帯という単位で認定された場合に限ります。


世帯認定とは、生活保護法により下記のように定められています。

  • 「同一の住居に居住し、生計を一にしている者は、原則として、同一世帯員として認定すること」および「居住を一にしていない場合であっても、同一世帯として認定することが適当であるときは、同様とすること」
    厚生労働省 生活保護による保護の実施要領 より抜粋)
同じ家に住み、共同の生活費で生活を行っている場合は、一緒に住んでいる人全員の口座調査をします。

生活保護受給者一個人だけでなく、同一世帯人がいると見なされれば、世帯単位で口座調査がなされる点はおさえておきましょう。

生活保護受給者の銀行口座の調査するタイミングは?

生活保護受給者は、厚生労働省より下記調査を受けることになります。

  1. 基礎調査…教育扶助受給状況、介護扶助受給状況等
  2. 個別調査…世帯の状況、世帯員の状況
  3. 月別概要…被保護世帯数、被保護人員、保護施設の在所状況等
    厚生労働省 被保護者調査より抜粋)

このうち、生活保護受給者の銀行口座の調査は「1.基礎調査」に相当します。

この「1.基礎調査」のタイミングは年1回となります。


この国による年1回の調査以外には、ケースワーカーによる調査があります。

ケースワーカーが口座調査を必要と判断した場合が対象となります。

調査対象の銀行は絞られていると推測される

これまでの話でも解説してきましたが、調査対象の銀行は絞られていると推測されます。

そのため、全ての隠し口座の中にはばれない口座も出てくることが現状です。


調査対象の銀行が絞られている主な理由をまとめますと、3点挙げられます。

  • 生活保護受給者の数が膨大である
  • ケースワーカーは人で不足
  • 調査依頼された銀行にとっては手間

生活保護受給者の数が膨大である

冒頭で紹介した通り、生活保護受給者は約209万人(世帯数で約164万世帯)います。(平成31年2月時点)

生活保護受給者一人一人の隠れた銀行口座を、全国の銀行から隅々まで探すことは現実的に厳しいと言えるでしょう。

ケースワーカーは人で不足

社会福祉法で示された標準数は、都市部の場合、1人あたり80世帯としています。
しかしケースワーカーの人手不足により、この世帯数を越えた多数の世帯を担当するケースワーカーもいます。

生活保護受給者の銀行口座の調査するタイミングとしてケースワーカーの申告を先述しましたが、担当する世帯全員分を監視・把握することは難しいのが現実です。
調査依頼された銀行にとっては手間なだけ
調査依頼を受けた銀行は、調査に協力する義務がある以上やらざるを得ません。
銀行にとっては本業とは関係のない業務を行わなければならず、手間となります。

福祉事務所もその点は承知の上で調査を依頼するため、闇雲に銀行に調査依頼をすることはしないでしょう。

生活保護受給中にばれない口座を所持することは規則違反


生活保護受給中にばれない口座を所持することは規則違反となります。


生活保護受給者は銀行口座を申告する必要があるため、申告せずに所有することは申告義務違反です。発覚した場合、保護停止または廃止、および返還金発生の対象になります。


虚偽の申告による生活保護の不正受給は詐欺罪にあたるという見解もあるため、法律で罰せられる可能性もあります。


マネーキャリアでは、生活保護を受給す時の裏ワザについての記事も用意していますのであわせてご覧ください。

生活保護受給中は現金を貯金するタンス貯金はばれない

生活保護受給中に現金を貯金するタンス貯金は、基本的にばれないと言えるでしょう。


「ケースワーカーの家庭訪問でばれないのか?」と思う人もいるかもしれません。


確かにケースワーカーは、生活保護の受給が決定した後も生活保護受給者の自立を促すため、定期的に家庭訪問を行います。


ですがケースワーカーには家庭の中を隅から隅まで調べる権限はありません。

脱税の税務調査のように、家庭に入り込み、棚の引き出しを片っ端から調べていくようなことはできません。


そのため、ケースワーカーが「タンス貯金として、貯金をたくさん持っているのではないか?」と疑った場合でも、それ以上追求することができません。


例えば、生活保護申請前に銀行口座からまとまったお金が引き出された履歴があるケースがあったとします。


申請前に銀行口座からタンス預金へ移した可能性が高いと、ケースワーカーが勘付いたとしても、何もできないのが現状です。

生活保護を受けていても月1万5千円までの収入なら生活費に加算される

生活保護を受けていても月1万5千円までの収入なら生活費に加算されます。


勤労控除により、毎月1万5千円までは生活費として100%手元に残ります。月1万5千円を越えた場合、行政に徴収されることになります。しかし月1万5千円までは申告する必要がございません。


なお、月1万5千円を稼ぐ方法としては、自宅ででき、自分のペースでできる仕事で稼げるサービスがおすすめです。


例えば、仕事を依頼する側と受注する側をマッチングするサービスである、クラウドソーシングサービスがあります。


クラウドワークス、ランサーズなどのクラウドソーシングサイトを登録し、毎月1万5千円の範囲内で稼いでみてはいかがでしょうか。

コラム:生活保護受給者は新しく銀行口座を開設できる?


生活保護受給者は新しく銀行口座を開設することはできます。


新規口座を開設後には、担当の福祉事務所、ケースワーカーに報告してください。

報告のタイミングは、前章「生活保護受給者の銀行口座の調査するタイミング」でお話しした月別調査、ケースワーカー訪問時等が挙げられます。特に年1回の基礎調査では報告義務があるため、必ず報告しましょう。


新規口座を申告し忘れた場合、隠し口座とみなされ、申告義務違反扱いになる可能性があります。特にその新規口座でお金のやりとりがあることが発覚した場合、保護停止または廃止、および返還金発生の対象になります。


<参考:銀行口座の開設に必要な書類について>


銀行口座開設をしたいとき、過去には店頭窓口に直接行く必要がありましたが、現在はインターネット上で開設することも可能です。


口座開設で必要な書類は、インターネット(アプリ)か、店頭窓口で開設するかで異なります。


<大手銀行である三井住友銀行の例>

口座開設アプリの場合

  • 運転免許証
  • パスポート
  • マイナンバーカード
    (上記3点の本人確認書類のいずれか)
  • SNSを利用可能な携帯電話とメールアドレス
口座開設アプリの場合、印鑑は必要ありません。

店頭窓口の場合

  • 顔つきの本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード)+印鑑

    または

  • 顔つきでない本人確認が可能な書類原本2点(国民健康保険証、住民票の写し、母子健康手帳など)+印鑑
必要な書類の詳細については「三井住友銀行 お取引時確認について」を確認ください。

まとめ:生活保護受給中にばれない銀行口座は2種類!


本記事では生活保護受給中にばれない銀行口座について解説してきました。

下記2種類の銀行口座はばれない確率が高いと言えるでしょう。

  1. 福祉事務所の管轄外の地域にある銀行の口座
  2. 家族名義や友人名義の口座

また、逆に「なぜ生活保護で隠していた銀行口座がばれるのか?」「生活保護受給中の銀行口座をどのように調査しているのか?」という疑問について、具体的に解説してきました。


確かに、本記事の内容を踏まえることで、現実的にばれない銀行口座を所有することは可能かもしれません。


しかし、大前提として、「生活保護受給中にばれない口座を所持することは規則違反」である旨は、忘れないでください。


皆さんのお役に立てれば幸いです。ここまで読んでいただきありがとうございました。