この記事の目次
- 固定費と変動費の違いは?損益分岐点とは何のために出す?
- 固定費とは売上によらず必ずかかる費用のこと
- 変動費とは売上によって増減する費用のこと
- 固定費と変動費分類する固変分解のやり方2選!
- 固変分解する方法①勘定科目から分類する
- 固変分解する方法②エクセルで最小二乗法を用いて分類する
- 固定費と変動費を分析して損益分岐点売上高を導こう!
- 損益分岐点売上高を計算して経営に活かそう!
- 損益分岐点売上高の導き方は?
- 固定費と変動費を分析して限界利益を導こう!
- 限界利益を計算して経営に活かそう!
- 限界利益の導き方は?
- 変動損益計算書とは?損益計算書との違いを解説!
- 利益を増やすなら固定費と変動費率の見直しがおすすめ
- 固定費と変動費の適切な比率や割合は?
- 固定費や変動費の削減方法は?
- 固定費の削減方法を紹介!
- 変動費の削減方法を紹介!
- 固定費を変動費に変えることもできる
- まとめ:固定費と変動費の違いを理解しよう!
固定費と変動費の違いは?損益分岐点とは何のために出す?
と言うのです。
緊急事態宣言を受け、政府からの時短要請で売上が減少し、先行きに不安を抱えている経営者の方も多いことでしょう。
営業時間を短くしたり、休業したりしたとしても、店舗や事務所の賃借料や、給料などの人件費は発生します。
売上が減れば、その分赤字になっていくでしょう。 この先、それでも事業を続けるか、いっそ閉店してしまう方が良いのか?
判断出来ずにいる経営者の方に、損益分岐点という観点から経営を見直してみることをおすすめします。 損益分岐点売上高と言うのは、ちょうど利益も損失も出ない売上高を言います。 損益分岐点以上の売上があれば、利益が出ていることになります。
損益分岐点を考える上では、費用を固定費や変動費に分類して把握することが必要になります。
そこでここでは、費用を固定費や変動費に分類する仕方や、損益分岐点売上高の求め方、また限界利益と言う考え方について説明していきたいと思います。
新型コロナウイルスの影響で、閉店しようかと判断に困っている経営者の方が、経営を見直し、適切な判断を下せるお手伝いが出来れば、幸いです。
固定費とは売上によらず必ずかかる費用のこと

企業が収益を上げるには、必ず費用が発生します。
その費用は、性質により、固定費と変動費に分けられます。
固定費とは、売上の増減に関わらず、必ず発生する一定の費用を指します。
具体的には、
- 地代家賃
- 人件費
- 水道光熱費
- 通信費
- リース料
- 業務委託費
- 広告宣伝費
- 接待交際費
- 減価償却費
- 研究開発費
変動費とは売上によって増減する費用のこと

変動費とは、売上の増減によって変動する費用のことを言います。
具体的には、
- 原材料費
- 仕入原価
- 外注費
- 荷造発送料
- 販売手数料
- 消耗品費
- 支払手数料
などが考えられます。
固定費は、売り上げがなくても、発生する費用ですが、変動費は売上に比例して発生するものですので、売り上げがなければ発生しない費用です。
原材料費と言うのは、商品を製造するためにかかった費用です。
仕入原価と言うのは、販売する商品を仕入れるのにかかった費用です。
外注費と言うのは、商品の製造を外注するのにかかった費用です。
その他、荷造発送料 、販売手数料 、消耗品費 、支払手数料 など、商品の売り上げがなければ発生しない費用を変動費と言います。
固定費は、売上高の増減に関わらず必ず発生する費用ですから、売上高の変動があっても簡単にはコントロール出来ません。
一方、変動費は、売上数量に応じて、原材料の仕入れを調整するなど、コントロール可能な費用です。
しかし、固定費と変動費は、勘定科目によって厳密に分類できるものばかりではありません。
固定費と変動費の両方の性質を持つ費用もあります。
その場合には、どちらの性質により近いかで判断することになります。
固定費と変動費分類する固変分解のやり方2選!

企業の収益性を分析する上で、固定費と変動費に分けて、費用を把握することは重要です。
費用を固定費と変動費に分類することを固変分解と言います。
しかし、実際には、費用の全てを固定費と変動費にはっきりと分けられるわけではなく、
両方の性質を併せ持つ費用もあります。
固変分解では、それを踏まえて、便宜的に固定費と変動費に分類します。
固定費と変動費を分類する固変分解のやり方には2つの方法があります。
- 勘定科目から分類する方法
- エクセルで最小二乗法を用いて分類する方法
固変分解する方法①勘定科目から分類する
固変分解する方法②エクセルで最小二乗法を用いて分類する
エクセルで最小二乗法を用いて分類する固変分解の方法を、回帰分析法(最小二乗法)と言います。
売上高と総費用の関係をグラフで表し、そこから固定費部分と変動比率を計算する方法です。
具体的には、縦軸を総費用、横軸を売上高として、毎月の売上高と総費用のデータを記入します。
それらの点を結んで、y=ax+bという公式に当てはめます。
aが変動費率、bが固定費となります。
エクセルを使うと比較的簡単に計算できますが、勘定科目法に比べると手間がかかります。
基本的には、勘定科目方で固変分解し、データの正確性に疑問があるケースに回帰分析法を用いればいいでしょう。
メリット
勘定科目法より厳密なデータが得られる。
Excelを使うと比較的簡単に計算できる。
デメリット
勘定科目法に比べると手間がかかります。
固定費と変動費を分析して損益分岐点売上高を導こう!

損益分岐点売上高とは、利益が出る限界の売上高の事です。
企業は事業を行う限りは利益を出す必要があります。
事業を行うためには、事務所や工場などの家賃や、設備への投資、人件費など、利益が生じなくても発生する費用があります。これを固定費と呼ぶと説明しました。
企業は、変動費だけではなく、固定費も回収できて初めて利益が出たと言えるのです。
その利益が出る限界の売上高はいくらなのか?
それを計算するのが損益分岐点分析です。
損益分岐点売上高を計算して経営に活かそう!
損益分岐点売上高は、企業の営業利益がプラスになるギリギリの売上高の事です。
損益分岐点売上高以上の売り上げがあれば、営業利益は黒字となります。
損益分岐点売上高とは、商品の製造・販売に関わる変動費だけではなく固定費も回収できる売上高の事です。
最終的に、損益分岐点売上高以上の売上高を達成できなければ、事業を継続しても赤字が増えることになるので、事業の撤退を考える必要があります。
ですから、損益分岐点売上高と言うのは、事業の撤退を判断する目安になる売上高と言えます。
実際には、損益分岐点売上高以上の売上を達成して、利益を出す必要があります。
どれだけの利益を出すことを目指すかを計算する際にも、損益分岐点売上高を利用して計算することになります。
損益分岐点売上高の導き方は?
損益分岐点売上高を計算するには、まず、費用を固定費と変動費に分けます。
そして、以下の公式で計算します。
- 損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率
- 限界利益率=限界利益÷売上高
- 売上高−変動費=限界利益
- 売上高:2000
- 変動費:800
- 固定費:600
の例で考えてみましょう。
限界利益:2000ー800=1200
限界利益率:1200÷2000=0.6
損益分岐点売上高:600÷0.6=1000
損益分岐点売上高は1000になります。
限界利益率とは、売上高に対する限界利益の割合をいいます。
損益分岐点を超える売り上げを上げれば、損益分岐点超過分の限界利益が企業の営業利益となります。
損益分岐点売上高が1000という事は、売上高が1000を超えると、利益が出始めます。
1000を超えた売上高に限界利益率0.6をかけると、企業の営業利益が計算でき、ここでは600が営業利益となります。
固定費と変動費を分析して限界利益を導こう!

固定費と変動費を分析する意味は、限界利益を導くことにあります。
限界利益とは売上から変動費を引いたものです。
限界利益とは、商品が一つ販売されるごとに発生する利益です。
しかし、事業として成り立つためには、商品の販売によって回収しなければならない費用は、変動費だけではありません。
固定費の回収も出来なければ、企業の利益は赤字になってしまいます。
では限界利益を計算することは意味はないのか?
そんなことはありません。
限界利益の計算をすることによって、商品をどれだけ売れば、固定費部分の回収が出来るかを知ることが出来ます。
その個数以上の販売が出来る目安があれば、事業は継続するべきという判断が出来ます。
反対に、最終的に固定費の回収が不可能と判断するなら、事業からは撤退するべきとなります。
限界利益を計算して経営に活かそう!
売上高から変動費を引いた残りを限界利益と言います。
限界利益がマイナスになるようであれば、商品を売れば売るだけ赤字になるので、商品を販売するべきではありません。
しかし、わずかでも限界利益が出るのであれば、固定費を引いた後に赤字にあるとしても、商品は販売するべきです。
なぜなら、固定費は商品が売れても売れなくても、一定額発生します。
もし、商品が全く売れなければ、固定費は全額赤字となります。
しかし、商品が売れることで、限界利益がわずかでも出る場合には、固定費分の赤字は限界利益の分減ることになります。
例えば、
- 商品の価格100円
- 変動費70円
- 固定費1000円
と仮定します。
商品が10個売れたとすると、
限界利益は(100円-70円)×10=300円
となります。
しかし固定費が1000発生しているので、実際には700円の赤字です。
では、商品を販売しなかった場合はどうでしょうか?
固定費1000円が丸々赤字になるのが分かりますね?
ですから、事業を継続している限りは、限界利益がマイナスでない限りは、商品は販売するべきなのです。
しかし、このままの状態で事業を継続していても、赤字が膨らむばかりなので意味はありません。
そこで、
- 販売個数を増やすことで、固定費を上回る限界利益を上げることが可能か?
- 変動費率を下げることで限界利益率を上げるか?
- 固定費を下げることが出来るか?
- 広告宣伝に力を入れるなどの営業努力で、販売個数を増やす戦略を取るのか?
- 原材料の仕入れ単価を下げる事などで、変動比率を下げることは可能か?
- 短期間には難しいとしても、何とか固定費を削減する方法があるか?
限界利益の導き方は?
売上高から変動費を引いた値を限界利益と言います。
売上高−変動費=限界利益
変動費は、売り上げに比例して発生する費用です。
限界利益とは、商品が一つ販売されるごとに発生する利益です。
この限界利益が大きければ大きいほど、売り上げの個数が伸びた時の利益の増え方は大きくなります。
反対に、もしこの限界利益が小さすぎて、固定費を引いた時にマイナスになるようであれば、この事業はそもそも成り立たないと考えられます。
会社の営業利益は、限界利益から固定費を差し引いて計算されますから、限界利益が固定費をどれだけ上回れるかが重要になるのです。
変動損益計算書とは?損益計算書との違いを解説!

【損益計算書】
一般の損益計算書は、売上高から、売上原価を控除して、売上総利益を計算し、そこから、販売費及び一般管理費を控除して営業利益を出します。
そこに営業外収益と営業外費用を差し引きして、経常利益を算出します。
- 売上高 - 売上原価 = 売上総利益
- 売上総利益 - 販売費及び一般管理費 = 営業利益
- 営業利益+ 営業外収益 - 営業外費用 = 経常利益
- 売上高 - 変動費 = 限界利益
- 限界利益 - 固定費 =経常利益
限界利益とは、売上高が1単位増えるごとに増加する利益を表すものです。
変動損益計算書は、費用を変動費と固定費に分けて計算することで、事業の収益性をより正確に把握できます。
変動費と固定費では費用の削減方法が異なるので、費用を分けて把握し、いかにコストダウンを図るかを検討するためには、変動損益計算書が有効と考えられます。
利益を増やすなら固定費と変動費率の見直しがおすすめ

利益を増やすためには、損益分岐点売上高を低くする必要があります。
そのためには固定費を減らし、変動比率も低くしなくてはなりません。
損益分岐点売上高は、固定費と限界利益が同じになった時の売上高を言います。
固定費が低いほど、限界利益率が大きい(変動比率が小さい)ほど、損益分岐点は低くなります。
売上が 損益分岐点を超えたところから、利益は発生してきます。
損益分岐点を超えた売上高に対する、限界利益の部分が、はじめて利益となるので、変動費率が小さいほど(限界利益率が大きいほど)、利益が大きくなっていきます。
固定費と変動費の適切な比率や割合は?

売上高に対する固定費と変動費の適切な比率や割合は、どれくらいなのでしょうか?
固定費と変動費の適切な比率や割合は業界によって違います。
そこでここでは、飲食店の理想的な割合を参考としてご紹介します。
【変動費】
| 原価 | 約30% |
|---|---|
| 人件費 | 約27% |
| 水道光熱費 | 5% |
| 販売促進費 | 3% |
| その他 | 5% |
【固定費】
| 家賃 | 10%以下 |
|---|---|
| その他 | 10%以下 |
変動費:70%以下
固定費:20%以下
売上高に対する費用は、合計で90%以下になることが望ましいでしょう。
固定費や変動費の削減方法は?

同じ売上高でも、損益分岐点の売上高が低くなれば、それだけ利益は多くなります。
損益分岐点売上高を低くするには、固定費と変動費を削減する必要がありますが、固定費と変動費では削減方法が異なります。
そこでここでは、固定費と変動費に分けて、削減方法を説明します。
固定費の削減方法を紹介!
固定費は一般に、簡単には削減が難しい費用です。
固定費の中で特に割合が大きいのは、事務所の家賃と考えられますが、一度契約が成立した後は、なかなか下げるのは難しいでしょう。
しかし、昨今はリモートワークが広がりを見せ、事務所を家賃の安い地方に移転する企業や、オフィスを縮小する企業も出てきています。
思い切ってこのような取り組みを検討する方法もあります。
また、このような流れの影響を受け、新たに安い家賃で事務所を借りる交渉が可能かも知れません。
また、書類のペーパーレス化を推し進めることや、アウトソーシングを利用することで、固定的に発生していた人件費の削減も可能です。
変動費の削減方法を紹介!
変動費の中で割合が大きいのは、原価と人件費です。
原価を下げるには、仕入れ単価の見直しが必要です。
- 仕入れ先との交渉によって、仕入れ条件を見直し、仕入れ単価を下げることが可能か?
- もしくは、より安い価格で仕入れ可能な取引先を探すか?
固定費を変動費に変えることもできる
社員の給料などの人件費は、毎月固定的に発生するので、一般的には固定費と考えられます。
しかし、社員の給料も方法によっては変動費化することが可能です。
例えば、
- 社員の給料を、成果報酬型に変える、もしくは成果報酬制を一部取り入れる方法
- 毎月の固定給を減らし、業績連動型の賞与の支給割合を高める方法
- 固定給制の正社員を減らし、忙しい時間帯だけアルバイトやパート社員で賄う
まとめ:固定費と変動費の違いを理解しよう!
- コスト削減に役立つ
- 目標とする利益を獲得すために必要な売上高の目安が明らかになる
- 事業を継続すべきかの判断に役立つ

