医療費控除の申告は何年前までさかのぼれる?金額や申請方法も解説!

医療費控除の申告は何年前までさかのぼれる?金額や申請方法も解説!
医療費控除の申告は何年前までさかのぼれるのでしょうか。この記事では、「医療費控除が何年前までさかのぼれるのか」という疑問にお答えします。医療費控除される金額や、医療費控除をさかのぼって申告する方法も解説しているので、ぜひお読みください。
監修者「谷川 昌平」

監修者谷川 昌平ファイナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!

医療費控除の申告は何年前までさかのぼれる?


1年間に多額の医療費を支払った場合に、所得税が安くなる医療費控除。

申請すれば、控除が受けられてお得な制度ですが、申請がやや面倒です。


中には、ついつい後回しにしてしまって「医療費控除の申請、忘れてた...」と肩を落とした方もいるのではないでしょうか?


医療費控除、実はさかのぼって申請することが可能なのです!


今回は医療費控除に関して

  • 医療費控除の申告をさかのぼれるのは何年前まで?
  • 医療費控除を申告できる金額はいくら?
  • 返金額は?
  • 還付申告とは?
  • 更生の請求とは?
  • 医療費控除となる意外な費用
  • セルフメディケーション税制とは?
以上の内容を中心に解説していきます。

「そもそも医療費控除って何?」「聞いたことはあるけど、よく知らない...」
という方は、知らないと損な情報をお伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

医療費控除の申告は5年前までさかのぼれる!


結論、医療費控除の申告は何年前までさかのぼれるのかというと、5年前までさかのぼって申請することができます。

例えば、2021年12月31日までなら、2016年から2020年の5年間はさかのぼって申請が可能です。


余談ですが、このさかのぼっての申請は、医療費控除だけでなく

  • 副業の源泉徴収票
  • 生命保険料控除や地震保険料控除
  • 家族を扶養控除の対象にしていなかった
以上の場合にも有効です。


医療費控除には申告期間がなく、いつでも申告可能です。

ただし、少しややこしいのですが、年末調整で医療費控除は加味してもらえないため、確定申告を行う必要があります。

確定申告に関しては、毎年2月16日から3月15日までと期間が定められているので、この点は要注意です。


過去にもし、病気やケガで入院した経験がある方は、その年だけでも計算してみてください。

もしかしたら医療費控除の対象額になっているかもしれません。

医療費控除を申告できる金額はいくらから?


「医療費控除の対象額になっているかもしれないので、過去分も計算してみましょう」と言った通り

医療費控除は誰でも申告できるわけではなく、申告できる金額に到達していないと、利用できません。


医療費控除は10万円から申告できます。

かなり大きな金額ですが、入院した時やケガや病気をした時は、頼りになる制度と言えます。


後ほど解説しますが、医療費控除の対象金額には手が届かない...という人には、別にセルフメディケーション税制という制度があります。


ボーダーラインとなる金額が、医療費控除よりも低いので、こちらに当てはまるかどうか、確認してみてくださいね。

医療費控除は10万円から申告できる!


医療費控除の対象となる金額が

支払った医療費-保険金で補填される金額-10万円

になるので、10万円以上の医療費が対象というのはお分かりいただけると思います。


「支払った医療費」に関しては、世帯の合計の医療費が対象となります。

ご自身1人分だけでは、10万円も医療費がかかることは、なかなか無いでしょう。

どちらかと言うと、家庭を持っている方が利用することが多い制度と言えます。


ご家族がいる方は、ぜひ家族全員分の1年間の医療費を計算してみてください。

計算したら、意外と10万円を超えていた...というケースもあるはずです。

年収が200万円未満の場合は10万円以下でも申告できる!


医療費控除の対象金額を計算する際に、10万円を引いて計算すると先ほどお伝えしました。


ただし、年収が200万円未満の場合、年収の5%の金額にハードルが下げられます。

例えば、年収が195万円の場合であれば10万円ではなく、195万円の5%、つまり97,500円となります。


もし年収200万円未満の方で「医療費が年間10万円にギリギリ届かなかった...」という方は、年収の5%の金額で見直してみてくださいね。

医療費控除された額がそのまま返金されるわけではない!


医療費控除額は、そのまま戻ってくるわけではありません。

このことを理解するには、所得税の仕組みを知る必要があります。


所得税を計算するにあたっては、収入から給与所得控除、その他さまざまな控除、自営業やフリーランスであれば青色申告特別控除や経費を引いて、課税所得を算出する必要があります。


そして、課税所得に税率をかけて所得税を算出する、という流れになっています。


「その他さまざまな控除」の中に医療費控除も含まれるので、医療費控除された額がそのまま返金されるわけではない、ということになります。

一般の会社員は「還付申告」で数年前の医療費控除を申告する


還付申告とは、確定申告を行うことにより、納めすぎた所得税を返還してもらうための申告をいいます。


冒頭の「医療費控除は何年前までさかのぼって申請できるか?」という話と関連してくるところですが、この還付申告が何年前までさかのぼれるのかというと5年前まで、ということです。


還付申告の流れとしては、以下になります。

  1. 年末調整で税金が確定
  2. 今回ご紹介している医療費控除やふるさと納税など、納める税金が減らすことができる制度を活用
  3. 確定申告を行って還付を受ける

還付申告は1年中できます。

先ほどお伝えした「申告期間はない」という話は、この還付申告のことを指しています。

還付申告で医療費控除するために必要な書類は?

還付申告する際に必要な書類は以下になります。

  1. 確定申告書(AまたはB。還付申告のみの場合はA)
  2. 医療費控除の明細書
  3. 健康保険の医療費通知
  4. 医療費の領収書やレシート
  5. 源泉徴収票
提出する書類としては、1と2の確定申告書と医療費控除の明細書になります。
3~5の医療費通知・領収書やレシート・源泉徴収票に関しては、1と2を作成する際に必要な書類です。

医療費の領収書やレシートに関しては、提出はしませんが5年間は保存しておく必要があります。
また、割り引き後の金額や、お店のポイントを使った後の金額が対象となるので、そのあたりは加味して計算しましょう。

還付申告で医療費控除を申告する方法を解説!


国税庁のホームページ「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に従って必要事項を入力していくと、申告書等が作成できます。


作成した申告書等はe-Taxで送信が可能なので、インターネット上で申請が完結できます。


ここでは、インターネット上で申請する方法について説明していきます。

  1. 作成方法の選択
  2. 提出方法の選択
  3. 申告書等の選択
  4. 申告書等の提出

1.作成方法の選択

確定申告書等作成コーナーにアクセスし、「作成開始」もしくは「保存データを利用して作成」を選択します。

2.提出方法の選択

インターネット上で申請を完結させる場合、「e-Taxで提出」を選択します。
e-Taxで提出するには「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2種類があるので、申請したい方式を選択してください。

マイナンバーカード方式の場合は、ICカードリーダライタ、もしくはマイナンバーカード対応のスマートフォンが必要です。

3.申告書等の選択

「所得税」を選択し、所得税の確定申告書を作成します。

作成を途中で中断して、後から再開することも可能です。
中断する場合は、画面下の方にある「入力データを一時保存する」をクリックし
その後「入力中のデータをダウンロードする」をクリックすると、データがダウンロードされます。
ご自身のPCに保存しておきましょう。

4.申告書等の提出

e-Taxで申告書等をデータで送信します。

以上で、申請は完了です。
なお、税務署に持参する場合は、「2.提出方法の選択」で「印刷して提出」を選んでください。

自営業の人は「更生の請求」で数年前の医療費控除を申告する

還付申告は、確定申告書を提出する必要のない人でも、確定申告を行うことで、支払いすぎた所得税が戻ってくるものでした。


会社員の多くは、確定申告の必要がないため還付申告で良いのですが、対して、更正の請求は確定申告を行った場合に利用するものです。

自営業の方は更正の請求で対応しましょう。


更正の請求とは、申告書に記載した税額が間違っていた場合に、税務署長に対して税額を減額するように請求するための手続きです。

更正の請求ができるのは原則、申告期限から5年です。

更生の請求で医療費控除するために必要な書類は?


更正の請求にあたっては「所得税及び復興税別所得税と更正の請求書」を提出します。

更正の請求をするに至った根拠となる書類も添付しましょう。


もし、確定申告の期限である3月15日までにミスに気付いた場合は訂正申告書を提出します。

更正請求書ではなく、通常の確定申告書を使い、確定申告書の上の方に訂正する旨を記載してください。

「訂正申告 訂正前令和元年2月20日提出 税額○円」等と朱書きし、再提出すれば大丈夫です。

更生の請求で医療費控除を申告する方法を解説!


更正の請求に関しても、先ほどの「還付申告で医療費控除を申告する方法」と同様、インターネット上で完結することができます。


確定申告書等作成コーナーにある「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」から、案内通りに金額等を入力すれば、自動的に税額等を計算してくれます。

e-Taxで更正の請求を行う場合は、更正の請求を行いたい年度を選んで内容を訂正します。


更正の請求ができるのは、申告から5年間です。

請求書の提出はいつでも可能なので、ミスに気づいたら忘れないうちに更正の請求を行ってしまいましょう。

請求の内容によっては調査が必要なものもあります。

医療費控除となる意外なものとは?

医療費控除の対象として、診察代や薬代などが含まれることは容易に想像がつきます。

しかし、意外な費用も医療費控除の対象として申請できるのです。主に以下があります。

  • 通院の際の交通費
  • 不妊治療
  • 出産費用
  • 歯列矯正
  • マッサージ指圧、鍼灸
出産費用に関しては、医療費控除しなくても、役所に申請すると戻ってくる場合があります。

「医療費控除は10万円から申告できる!」の所で述べましたが、出産にあたり補填された金額などは、医療費控除の際は除外して考えなければなりません。

歯列矯正・マッサージ指圧・鍼灸に関しては、治療として行った場合は、医療費控除の対象となります。

歯列矯正・マッサージ指圧・鍼灸であっても、見映えを整えるために歯列矯正をした場合、癒しを求めてのマッサージ指圧・鍼灸の場合、医療費控除の対象とはならないので注意してください。

「治療にあたるか否か」が医療費控除できるかどうかの一つの指標になります。

セルフメディケーション税制を利用すれば1.2万円から控除される


医療費控除と関わってくる制度として、セルフメディケーション税制について、聞いたことはあるでしょうか?


病院で処方された薬ではなく、ドラッグストア等で購入した、市販薬の購入を対象とした控除です。


年間12,000円を超える場合に適用でき、上限は88,000円までとなっています。

年間10万円の医療費控除は、ハードルが高い...と思っている方でも比較的利用しやすい制度ですね。


ただし、対象となる人は健康の保持増進への取り組みを行っている人に限られます。

つまり、予防接種や健康診断を受けている人に限定されるので、注意してください。


また、医療費控除をした場合は、セルフメディケーション税制は利用できません。

医療費控除か、セルフメディケーション税制のどちらかを選ぶことになるので、この点も覚えておきましょう。


対象品目については、OTC医薬品(処方箋なしで購入できる医薬品)に限られます。

商品のパッケージやレシートにも記載してあるので、確認してみましょう。

厚生労働省のホームページからもチェックできます。

まとめ:医療費控除は5年前までさかのぼれる!


医療費控除に関して

  • 医療費控除は5年前までさかのぼれる
  • 医療費控除は10万円から申告できる
  • 会社員は「還付申告」で数年前の医療費控除を申告
  • 自営業の人は「更生の請求」で数年前の医療費控除を申告
  • セルフメディケーション税制について
以上の内容をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

そもそも医療費控除を知らなかった方、何年前までさかのぼれるか知らなかった方、セルフメディケーション税制について知らなかった方、様々いるかと思います。

税金については、知っているかいないかで、手元に残る額が大きく変わってくるものです。
今回、医療費控除やセルフメディケーション税制について知った方は、この記事を参考にして、自分たちが控除の対象になるのか、チェックしてみてください。

「医療費控除やセルフメディケーション税制なんて、自分には関係ない」
と思っている方でも、1年を通してみたら
「病院に通うことになってしまった」「ケガを負ってしまった」
という場合があるかもしれません。

しばらくは医療費や市販薬の領収書・レシートを取っておくと、後々活用できる機会があるかもしれませんね。

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