自由診療は医療費保険の対象になる?
こんにちは、マネーキャリア編集部です。
先日、60代男性からこんな質問をいただきました。
医療費を払いすぎているような気がして…
何とか取り戻す手段はありますか。
医療費は健康保険に入っているとはいえ、少なからず家計を圧迫するものです。
ましてや保険適用外の治療となると、莫大なお金がかかってしまいます。
今回は、そんな治療費を回収できる医療費控除という制度の解説を中心に、
- 自由診療はどんなものが医療費控除の対象になる?
- なぜ保険が適応されない自由診療の費用が医療費控除の対象となる?
- 医療費控除の対象となる意外なもの3選!
- 医療費控除を申告した場合の控除額はどのくらい?
- 医療費控除を申告したらいくら返ってくる?
- 医療費控除以外に医療費を回収する方法とは?
一部の自由診察の費用は医療費控除の対象となる!

- 妊婦健診・出産費
- 治療を目的としたマッサージ・鍼・灸の施術
- レーシック手術代
- インプラント治療費
- 歯科矯正費
なぜ保険が適応されない自由診療の費用が医療費控除の対象となる?

ではなぜ保険適用外の自由診療が医療費控除の対象となるのでしょうか。
その理由について、
- 公的医療保険制度の考え方
- 公的医療保険制度と医療費控除制度の考え方の違いからわかる、自由診療が医療費控除できる理由
①公的医療保険制度の考え方
公的医療保険制度とは、健康保険に入っている場合に、医療費の一部を負担してくれる制度です。
負担額の割合は、被保険者の年齢によって変わります。
6歳(義務教育就学後)~69歳以下は3割、70歳~74歳以下は2割、未就学児の場合は2割負担となっています。
一部例外もありますが、だいたいはこの割合になっています。
政府や自治体、企業などが負担するケースが多いため、認可された治療法・薬の利用に限定しています。
②医療費控除制度の考え方
医療費控除制度について詳しく説明すると、一年間の間に支払いすぎた医療費(一般的に10万円以上)がある場合に、所得控除(最高200万円)を受けられる制度のことです。
保険診療と一部の自由診療の医療費が対象となっています。
保険診療はもちろんですが、なぜ自由診療も含まれているのでしょうか。
その理由は、医療費控除という制度自体が、保険の適用の有無に関係なく、診療や治療の対価を対象としているためです。
このことから、
- 公的医療保険制度は、国民に認可された安心の治療法を選ばせる考え方からできている
- 医療費控除制度は、単純に診療や治療の負担を軽くする考え方からきている
医療費控除の対象となる意外なもの3選!

ここまでは、自由診療に限定して、医療費控除の仕組みについてお伝えしてきました。
ここからは、自由診療以外にも、医療費控除の対象となるものについて
- 生計を一にしている親族の医療費
- 病院に行くための交通費
- オンライン診療の費用
①生計を一にしている親族の医療費
国税庁の公式サイトによると、生計を一にしている親族の医療費も、医療費控除の対象となることをが確認できます。
ここでいう生計を一にするとは、必ずしも同じ住居に住んでいることを前提としたものではありません。
例えば、
- 普段は一緒にいなくても、余暇の期間には、同じ住居に住んでいる場合
- 常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合
②病院に行くための交通費
国税庁の公式サイトによれば、医師等による診療等を受けるための通院費も医療費控除の対象となっていることが確認できます。
③オンライン診療の費用
国税庁の公式サイトによると、コロナの影響で導入が進められているオンライン診療も、医療費控除の対象になることが確認できます。
さらに、オンライン診療を利用するための、システム利用料や医薬品の購入費も、医療費控除の対象となることが定められています。
ただ、その対象に医薬品の配送料は含まれていないようです。
あくまで、診療に限定して、医療費控除がなされるということを覚えておくとよいでしょう。
医療費控除を申告した場合の控除額はどのくらい?

医療費控除額は、計算によって算出することができます。
(支払った医療費の合計ー保険金等で補充される金額)ー10万円または総所得の5%どちらか少ない金額=医療費控除額
少し補足しておくと、「10万円または総所得の5%どちらか少ない金額」と2パターンがあるのは、所得の低い人を優遇するためです。
具体的には、総所得が200万未満の人は5%の方で、それ以外の方は10万円と覚えておくとよいでしょう。
ただ、この計算式では複雑でわかりにくいと思うので、ここで簡単なシュミレーションをしてみたいと思います。
- 年収(総所得金額)700万円の世帯
- 交通事故で骨折
- 入院期間は約1か月
- 保険金は15万円
- 所得税率20%
60万円(医療費の合計)ー15万円(保険金などで補填される金額)ー10万円=35万円
医療費控除を申告したらいくら返ってくる?

残念なことに医療費控除額は、実際に返ってくる金額とは異なります。
返ってくる金額は以下の式で求められます。
医療費控除額×所得税率=実際に帰ってくる金額
所得税率に関しては、以下の表より参照できます。
| 課税所得額(円) | 所得税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円未満 | 5% | 0円 |
| 195万~330万 | 10% | 97,500円 |
| 330万~695万 | 20% | 427,500円 |
| 695万~900万 | 23% | 636,000円 |
| 900万~1,800万 | 33% | 1536,000円 |
| 1,800万~4,000万 | 40% | 2796,000円 |
| 4,000万~ | 45% | 4796,000円 |
以上に示したものを、先ほどのケースと同様にシミュレーションします。
- 年収(総所得金額)700万円の世帯
- 交通事故で骨折
- 入院期間は約1か月
- 保険金は15万円
- 所得税率20%
35万円(医療費控除額)×20%(所得税率)=7万円
医療費控除ではなくセルフメディケーション税制を利用する方法もある

セルフメディケーション税制とは、平成29年以降に施行された税制です。
利用条件は厳しくなっていますが、同じ金額であれば、医療費控除より安くなるので、検討してみてはいかがでしょうか。
複雑な税制ですので、ステップに分けて紹介します。
- 平成29年1月1日以後に、特定一般用医薬品等を購入した場合
- 購入時のレシートを保存している
- 一年間で購入額が世帯の合計1万2千円を超える場合に限る
- 予防接種や健康診断の受診など健康のための一定の取組を行う
- 医療費控除かどちらか一方しか利用できない
- 紙もしくは電子で申告する
まとめ:自由診療のときも医療費控除の対象になる可能性はある!
ここまでは、自由診療が医療費控除の対象になるかどうかを中心として見てきました。
この記事のポイントは、
- 一部の自由診察の費用は医療費控除の対象となる
- 医療費控除は、単純に治療や診療を目的としているので、一部の自由診療費も対象となる
- 医療費控除は、治療や診療が目的であれば、交通費やオンライン診療も対象となる
- 医療費控除を申告した場合の控除額は最大200万円
- 医療費控除を申告した場合に実際に帰ってくる金額はそこまで多くない
- 医療費控除ではなくセルフメディケーション税制を利用する方法もある

