この記事の目次
- 医療費控除の確定申告で還付金はいつもらえる?
- 医療費控除で還付金はいつもらえるかは申告方法で異なる
- ①書類を郵送した場合は1ヶ月から1カ月半程度
- ②e-Taxを利用した場合は3週間程度
- 医療費控除の還付金が戻ってこない場合にできることは?
- ①2ヶ月以上戻ってこない場合は所轄税務署に問い合わせる
- ②e-Taxを利用した場合は現在の状況を確認できる
- 医療費控除は過去5年分まで申告できる
- 間違った医療費控除を申告した場合は「更生の請求」をしよう
- 医療費控除の特例であるセルフメディケーション税制とは?
- 医療費控除以外で還付金を受け取る方法はある?
- ①雑損控除
- ②寄付金控除
- まとめ:医療費控除の還付金がいつもらえるのか確認しよう
医療費控除の確定申告で還付金はいつもらえる?
還付金を受け取るのは早いに越したことはないですが、いつ戻るかは興味のあるところです。いつかと言えば、医療費控除の確定申告において還付金の振り込み時期は申告からだいたい1ヶ月~1ヶ月半後くらいです。
もし、e-Tax (国税庁が運営する税の申告・申請・納税に関するオンラインサービス:「国税電子申告・納税システム」のこと)を使えばより早く、約2・3週間で振り込まれます。
還付申告に関しては必ずしも確定申告の時期にしなければならない、というわけではありません。いつでも申告することができます。
ただし、医療費控除も含めて還付金には消滅時効があります。原則5年以内となり、それを過ぎると還付請求できません。いつまででもいい、というわけではないのでご注意ください。
また、確定申告の時期は例年2月16日から3月15日ですが、2020年【令和元年分(2019年分)】・2021年【令和2年分(2020年分)】の確定申告は1ヶ月延長されました。これは新型コロナウイルス感染対策のためです。
先ほど1ヶ月~1ヶ月半後くらいで振り込みとは申し上げましたが、確定申告も最後の方になると税務署が混雑しますし、郵送される申告書の数も圧倒的に増えます。したがって、最後の方に申告すると還付金が入るのが遅くなると思われます。まったくいつでもいい、というわけではなく、この時期は避けた方がいいです。
医療費控除で還付金はいつもらえるかは申告方法で異なる
医療費控除で還付金がいつ振込まれるかは申告の方法によって異なってきます。だいたいですが、
- 郵送なら1ヶ月から1ヶ月半程度
- e-Taxなら3週間程度
となります。本当にいつでもいい、というのなら郵送でもいいのですが、少しでも早い方がいいという方はe-Taxがお勧めです。以下、詳しく見ていきましょう。
①書類を郵送した場合は1ヶ月から1カ月半程度
自分で申告書を書き、郵送で所轄の税務署に郵送した場合は、1ヶ月から1ヶ月半程度で還付金をもらうことができます。また、自分で税務署に持参した場合も1ヶ月から1ヶ月半程度か、もう少し短いくらいです。
筆者も2月のはじめにレターパックで医療費控除の還付申告をしたところ、3月2日に銀行口座に還付金が振り込まれました。また、振込通知は後日郵送されます。筆者の場合は振り込み時期を気にしていなかったのですが、忘れたころに振込まれていた、といった感じです。
なお、振込通知は来年の確定申告に必要です。なぜなら、医療費控除でも還付金は雑所得になるからです。雑所得の証明として来年まで取っておかれることをお勧めします。
②e-Taxを利用した場合は3週間程度
e-Tax (国税電子申告・納税システム)を利用すれば、郵送よりも早く還付金を受け取ることができます。おおよそ2・3週間で口座に振り込まれるので便利なシステムです。
e-Taxを使用するには、まず所轄の税務署に開始の届け出を出すことが必要です。そして、マイナンバーカードや住民基本台帳カードに組み込まれている電子証明書を取得しなければなりません。
加えて、この電子証明書のほかICカードリーダが必要です。ICカードリーダは電気店で3千円程度で販売されています。
これらがあれば、e-Taxが使用可能です。開始に手間とお金がかかりますが、いったん準備してしまえば24時間いつでも申告可能、還付申告もスムーズ、添付書類も必要ありません。早い還付を希望される方にはお勧めです。
また、このシステムを使って還付の処理状況も見ることができます。いつ返って来るか気になる方も安心です。
医療費控除の還付金が戻ってこない場合にできることは?
医療費控除の還付金が返ってこない場合、重要箇所の記載漏れや還付金額が多いことが理由として考えられます。あるいは、記載漏れや還付金額からからひょっとしたら税務調査の対象に選定されていることも考えられます。
税務署は不正還付の有無を調べています。不正には、医療費を実際より多く計上したり、課税所得を圧縮したりするといったことが考えられます。税務署の内部では入念なチェックが行われ、税務署は目を光らせて不正還付の有無を調べているのです。
医療費控除の還付金が戻ってこない場合に、できることは主に以下の二つでしょう。
- 所轄税務署に還付金がいつ振込まれるか問い合わせる
- e-Taxで還付金が戻ってくるのがいつなのか調べる
①2ヶ月以上戻ってこない場合は所轄税務署に問い合わせる
2か月以上たっても戻ってこない場合は、電話または来署にて直接税務署に問い合わせることで、自分の手続き状況について知ることができます。
その際に、申告の時の控えがあればいいでしょう。その方が税務署の担当者も、よりスムーズに対処することができます。(もっとも、今はコロナの時期なので来署は避けた方がいいかもしれません。)
本来、還付できるものなら還付できることが確認取れた時点で還付すべきです。もし、申告内容に誤りや不備があれば、当然担当者は納税者に指摘すべきです。
しかし、税務署内であなたの医療以降所の手続きが漏れている可能性もあります。2カ月以上も還付金が戻ってこない場合は所轄税務署に問い合わせてみるのがいいでしょう。
②e-Taxを利用した場合は現在の状況を確認できる
e-Taxがあれば、税務署に問い合わせることなく、直接還付金の処理状況を確認することができます。
まずe-Taxにログインし、次にメニュー画面から還付金処理状況の確認画面へをクリックすると処理状況を確認することができます。
この確認は、還付申告より2週間を経過した日からできます。また、メールアドレスを登録しておけば、メールでのお知らせを受け取ることができるので便利です。
医療費控除は過去5年分まで申告できる
医療費控除の請求はいつまでが可能なのでしょうか?時効はないのでしょうか?
民法やその他の法律にも時効があるように、実は、国税の世界にもちゃんと時効の規定があります。医療費控除の申告はいつでも良いというわけではありません。
民法では、債権等の消滅時効に関してさまざまな規定があります。例えば、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、時効により債権が消滅する。もしくは債権者が権利を行使できるときから10年間行使しないとき、時効により債権が消滅する、などです。(民法166条第1項から第2項)
一方、国税通則法第74条第1項の規定により、医療費控除の還付金には消滅時効に関する定めがあります。医療費控除は請求の起算日の翌年1月1日から5年以内となり、過去5年分まで申告が可能です。
したがって、令和3年(2021年)現在では、平成29年(2017年)1月1日以降が起算日となる医療費控除まで申告できるので、平成28年(2016年)確定申告の分まではさかのぼることができます。
みなさんも、過去5年間に大きな医療費の出費があった際は還付請求することが可能です。医療費控除の明細書が作成するため医療費が正確に分かる領収書が残っている必要がありますが、該当する方はぜひ医療費控除の申告をしてみてください。
間違った医療費控除を申告した場合は「更生の請求」をしよう
大きな医療費の出費があったのにうっかりして医療費控除の申告をしていなかった場合や、医療費控除はしたけれど医療費を過少申告してしまい損をしてしまった、なんてことも考えられます。このような場合には更正の請求をすればいいでしょう。
更正の請求とは、申告期限が過ぎてから税金を払い過ぎたことに気付いた場合、確定申告をやり直すことができる制度です。確定申告の期間中に行われる訂正申告(ミスの訂正)や期間後でも税金が少な過ぎたのを修正する修正申告とは区別されます。
更正の請求の期限は申告期限(例年3月15日)から5年間です。後発的な事情があればそれから2ヶ月以内も認められます。
更正の請求に必要なものは以下の4点です。
- 確定申告書の控え
- 更正の請求書
- 領収書など証拠書類
- 本人確認書類のコピー
e-Taxの場合は、証拠書類をPDFにして送ることも可能です。
更正の請求がによる還付金が戻ってくる時期ですが、通常の確定申告の医療費控除の還付と同じで郵送なら1ヶ月か1ヶ月半、e-Taxを使えば約3週間です。
医療費控除の特例であるセルフメディケーション税制とは?
セルフメディケーション税制とは、健康の維持増進及び疾病への予防への取り組みとして特定健康診査・予防接種など健康への一定の取り組みを行う個人のための制度です。
上記の個人が、平成29年(2017年)1月1日から令和3年(2021年)12月31日までの間に自己または自己と生計を同一にする配偶者その他の親族に係る一定のスイッチOTC医薬品の購入の対価を支払った場合において、その年中に払った対価の合計額が1万2千円を超える場合、その超えた額を総所得額から控除するという制度です。
ただし、超える部分の金額が8万8千円を超える場合は8万8千円までです。
この制度は通常の医療費控除を受けている場合は受けることができず、医療費控除との選択で受ける形になります。
医療費控除以外で還付金を受け取る方法はある?

医療費控除以外で還付金を受け取る方法もあります。
確定申告書をよくご覧ください。社会保険料控除から基礎控除までを合わせた合計の下に三つの控除があります。一つが医療費控除ですが、もう二つが雑損控除と寄付金控除です。これらはいずれも所得控除の一種であり、該当すれば還付金を受け取る手立てとして使うことができます。
それぞれの概要と計算方法を順に見ていきましょう。
①雑損控除
②寄付金控除
寄付金控除の概要
寄付金をした場合、控除が受けられます。具体的には、
- 国に対する寄付金
- ふるさと納税など、地方自治体に対する寄付金
- 独立行政法人または一定の地方独立行政法人に対する寄付金
- 日本赤十字社に対する寄付金
- 公益財団法人、公益社団法人に対する寄付金
- 社会福祉法人に対する寄付金
- 特定の政治献金
- 一定の特定公益信託の信託財産とするために支出した金銭
- 認定NPO法人等に対して、その法人に係る認定または特例認定の有効期間内に支出した寄付金
- 特定新規中小会社が発行した株式の取得に要した金額
これらは寄付金控除の対象になります。
寄付金控除の方法
寄付金控除のやり方を順番に見ていきましょう。
寄付金の金額=A
(申告書第一表⑤欄(所得合計額)+退職所得金額)B×0.4=C
ここで、AかCのいずれか少ない方の金額Dとすると、
D-2千円=寄付金控除額
以上のように計算します。
まとめ:医療費控除の還付金がいつもらえるのか確認しよう

まとめとして、医療費控除の還付金がいつもらえるかは、
- 郵送での申告の場合、1ヶ月から1ヶ月半くらい
- e-Taxでの申告の場合、だいたい3週間くらい
ということになります。e-Taxの方が還付金が戻ってくるのが早いので、届け出を出す手間やカードリーダを買うコストはかかりますが、まだの方は導入を検討する余地があるかもしれません。
また、過去5年分の還付請求ができるので、過去の医療費の出費がある方も医療費控除の還付があれば申請されるといいでしょう。

