コロナ禍で大学・予備校・専門学校の学費は返還されている?

コロナ禍で大学・予備校・専門学校の学費は返還されている?
コロナ禍でオンライン授業を受けているだけだけど、学費の返還はないの?入学辞退・休学・退学による学費の返還はありますが、オンライン授業を理由に学費を返還してもらうことは現状かなり難しいです。それでも学費を支払う方法はあります!学費を支払う方法を紹介中!
監修者「谷川 昌平」

監修者谷川 昌平ファイナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!

コロナ禍でオンライン授業になったけど学費の返還はある?

「コロナ禍で授業がオンライン化されたけど学費は返還されるのだろうか?」

などと悩んでいませんか。


新型コロナ感染症の影響が長引き

保護者の収入や学生のアルバイト収入が減って

「今度学費の支払いができなくなったらどうしよう?」と

不安を感じている人も多いでしょう。


この記事では、

  • コロナでオンライン授業になったことで学費は返還してもらえるのか?
  • 入学を取り消したり、休学・退学した場合は学費は返還されるのか?
  • 学業を継続したいが、学費の支払いが難しい場合の対処法

について解説します。



コロナ禍で学業を続けたいけど、学費の支払いに悩んでいる方のお手伝いになれば幸いです。


ぜひ最後までお読み下さい。

学費の返還に応じている大学・予備校・専門学校は基本的にない


コロナの影響で大学・予備校・専門学校に通うことができなくなり、学生が学費の返還を要求する事例が相次いでいます。


 オンライン授業への切り替えで、授業の質の低下や、学校に行くことがなくなったので 施設利用を支払う必要はないという理由によるものです。 


しかし、こうした理由で学費の返還に応じている大学・予備校・専門学校は基本的にありません。  

①大学のケース

コロナの影響が広がっていった昨年より、各大学で学費の返還・減額を求める署名運動が活発になりました。 


オンライン署名サイトのchange.orgでは 45の大学で授業料の免除・減免を求める署名が集まっています。 


昨年4月のNHKの調べによると全国160以上の大学で学費減免の署名運動が行われているそうです。 


にもかかわらず、というものです。大学側の見解は オンライン授業切り替えを原因とする学費の返還・減免はしない


 昨年9月に 日本私立大学連盟の長谷山彰会長(慶応大塾長)は、「授業料は学位授与を見据えた総合的な経費で、減額・返還の対象ではない」との見解を示しました。 


②予備校のケース

河合塾や駿台などの大手予備校では、コロナの状況を踏まえて 対面授業を実施したり、オンライン授業に切り替えたりと柔軟に対応しています。 


予備校の場合も、完全休校でサービスの提供が一切できない場合は 別ですが、

オンライン授業等で対応をとっている限り 授業料を返還してもらうのは難しいです。 

③専門学校のケース

実習が多い専門学校でも、3密やソーシャルディスタンスなどのコロナ感染対策を十分にとって対面授業を実施したり、リモートで可能な授業はオンラインで行ったりしています。


 オンラインに必要なタブレット端末を購入のための援助などはしているところもあります

しかし専門学校でも、リモートになったという理由で学費の返還には応じていません。 

法律上では入学後に大学が学費を返還する義務がない


法律上では、学費の返還が認められるのは「契約が履行不能」になっている場合です。 


 新型コロナ感染症という事態に対して、学校が 授業というサービス提供をできなくなったのであれば、 「履行不能」であるとして返還を請求できる可能性はあります。



しかし学校が オンラインで授業というサービスを提供している限りは、

 学費の返還は困難です。



 オンライン授業への切り替えに伴う学費の返還に、大学側が応じない理由は 学費というのは、「学生生徒等納付金」(学納金)として文部科学省の省令で内容が決められているものだからです。 


 学納金は 

  • 入学金 
  • 授業料
  • 実験実習費 
  • 施設設備費 

からなります。 



学生側が 「コロナで大学に行くことができなくなったので学費を免除せよ」という根拠は

 オンラインにより授業の質が落ちているから「授業料」を、 

学校の設備を使わないのだから「施設設備費」

免除・減額せよというものです。 


 しかし、大学側の見解では 


「授業料というのは学位取得のために総合的に提供するサービスへの対価で、

オンラインになったからといって授業の質が必ずしも落ちるものではない」


 「むしろオンライン授業を行うための設備費用など追加で発生するものもある」


 「施設設備費は単なる利用代金ではなく、大学の施設を補修・改修し長期的に維持していくのに必要な費用である」


 ということになります。


 従って、学納金を免除・減免する理由にはならないのです。 


コロナ禍で入学辞退・休学・退学による学費の返還はある?


それでは入学を辞退したり、退学したりする場合はどうでしょうか? 


 入学金は「入学できるための権利金」のようなものであるため、 結果的にその大学に入学したかどうかとは関係なく返還されません。 


しかし、授業料については返還を受けることができます。 

①3月31日までの入学辞退のケース

まず3/31までに入学を辞退するケースです。


 仮に募集要項などに「授業料はいかなる場合でも返金しません」とあっても 消費者契約法上、学校側が受ける被害を超える違約金を定めることはできません。


 3/31までに入学を辞退すれば、

学校側は何ら損害を受けていないというのが裁判所の考え方なので、すでに授業料を支払っていても返してもらうことができます。  

②休学・退学のケース

それでは3/31までに入学辞退をせずに 途中で休学したり中退したりした場合はどうでしょうか? 


 一度納めた授業料は返還されないのが一般的です。 


前期、後期で授業料の支払いを分けている場合で、前期分のみ支払った場合はどうでしょう? 


前期の分は返還されませんが、後期分は支払わなくてもいいことが多いです。 こうした取り扱いは各大学で決められており、それぞれで異なるため、大学の事務局に問い合わせてみましょう。 

学費を支払いたいけど支払えない場合どうすればいい?


コロナ禍で学校に行けなくなったからといって、学費は返還されないことがわかりました。



 しかし、現在コロナの影響で親の収入も大きく減ったり、学生自身もアルバイトで学費を稼ぐこと難しくなったりしています。


 こうした経済的な事情で学費の支払いが困難になっている人はどんどん増えてきています。 どうしたらいいのかをまとめました。 

①大学などに減免・延期・分割払いの相談をする

大学は、オンライン授業への切り替えを理由にした学費の返還には応じていません。


  しかし、コロナの影響で経済状況が急変した場合の支援策はたくさんあります。 


学費の支払いが困難になった場合は大学の事務局に問い合わせてみましょう。


 大学独自の取り組みとしては 


・上智大学   家計急変対象者に独自の奨学金制度あり 


・大阪府立大学 家計急変対象者に学費の減免制度あり 


・神奈川大学  家計急変対象者に学費の減免制度あり のような例があります。


 その他国や自治体の支援制度もあります。 


新型コロナの影響で家計が急変した学生に 授業料の減免や給付型の奨学金を支給する「高等教育修学支援新制度」が202年4月からスタートしています。 


日本学生支援機構の貸与型奨学金には、無利子のものと有利子のものがありますが、 両方ともコロナで家計が急変した場合に利用できます。 


文部科学省は2021年5月に、大学や専門学校に対し、

新型コロナ感染症の長期化により設けられた学生等に対する経済的支援策を学生等に周知するよう依頼しました。


文部科学省のHP「新型コロナの影響を受けた学生等の経済支援について」でその支援制度について知ることができます。

②奨学金制度を利用する

国や自治体または大学独自の奨学金制度の利用も考えてみましょう。


 日本学生支援機構の奨学金には、

  • 給付型奨学金:返す必要の奨学金
  • 貸与型奨学金 返す必要のある奨学金

の2種類があり、貸与型奨学金には

  • 第一種奨学金:利子がつかないもの
  • 第二種奨学金:利子がつくもの

があります。


それぞれ家計の状況や本人の学力などの基準がありますが、

2020年より給付型の奨学金を中心に受け取れる金額が大幅にアップしています。


貸与型の第二種奨学金には利子がつきますが、一般の融資に比べれば低金利で有利です。


これらの制度を有効に活用しましょう。


③学生ローンを利用する

国や自治体または大学が独自で設けた資金支援制度以外にも 民間の金融機関の学生向けローンがあります。


 当然、ローンなので利子が発生しますし、 国など設けた貸与型の奨学金制度と比べれば金利も高くなります。 


まず国が設ける有利な制度を優先的に使ってみて、それだけでは足りない場合に 利用しましょう。  

④「学生支援緊急給付金」を利用する

また家庭から自立してアルバイト収入などで学費を賄っていたが、コロナの影響で アルバイト収入が大幅に減少し、大学等の修学が困難になっている学生に対して、 国は「学びの継続」のための「学生支援緊急給付金」を創設しました。 


学生1人あたり20万円(住宅税非課税世帯等の学生)または10万円(その他の場合)の 給付が受けられます。 

【参考】コロナ禍での学生生活をどう過ごすべき?

学費の支払いの問題以外にも、コロナ禍で授業がオンラインになったことで色々な不満があると思います。


ここでは、原因ごとに対処法を考えてみましょう。


1.オンライン授業による授業の質の低下

授業のコンテンツや受講生によって評価は大きく分かれると思いますが、

オンライン化によって授業の質が低下したと考えている学生も多くいます。



学校側はオンラインでも質の高い授業を行うよう目指しているわけなので、

もしあなたに不満があれば教授にメールなどで相談してみてはどうでしょうか?


その際は、なぜあなたがオンラインで授業の質が下がったと思うかをしっかりと説明しましょう。


  • システムの問題なのか?
  • 授業の形式の問題か?
  • 授業内容の問題か?
  • その他の問題か?

学校側もコロナをきっかけにオンライン化を急速に進めたので、今後改善していく余地は大きいと考えているはずです。


2.友達と会えなくなったことに対する不満

学校の友達に会えなくなってストレスを抱えている人も多いでしょう。


特にコロナ感染症拡大以降に入学した人は、学校の友達とほとんどリアルで会えていない

という人も多いでしょう。


皆同じような悩みを持っているはずです。


少人数でもいいので親しい人や趣味の合う人とSNSやオンラインでコミュニケーションをとって

ストレスを解消してみてはいかがでしょうか?


3.外出の機会が減ったことによるストレス

自粛生活で外出する機会が減るとストレスもたまりますよね。


時々、外に出てウォーキングなど運動をしたり、気に入ったカフェで時間を過ごしたり、

好きなことに没頭してストレスを発散するように心がけましょう。


自分で楽しめそうなことを日常生活の中に取り入れていきましょう。




【まとめ】学費の返還は難しくても学費を支払う方法はある!

この記事では

コロナ禍で大学などの学費が返還されるのかについて解説しました。


最後にポイントを見ておきましょう。


  • コロナ禍でオンライン化したことを理由に学費の返還を求めるのは難しい
  • 休学・退学による学費の返還は各学校の取り決め次第で可能
  • 経済的理由で学費の支払いが難しい場合、いろいろな方法がある


経済的な理由で修学が困難な場合は

国が設けた支援策で

  • 学費の免除・減額
  • 給付型の奨学金
  • 貸与型の奨学金(有利子・無利子)
  • 学生支援緊急給付金

などがあります。


また文科省の要請を受けて

各大学も独自の支援制度を設けています。


学費の支払いに不安を感じる人は、文科省のHPを調べたり、

直接大学に相談してみましょう。