いくらから医療費控除は申告できる?10万円に満たないときはどうする?

いくらから医療費控除は申告できる?10万円に満たないときはどうする?
いくらから医療費控除の確定申告はできるのでしょうか。この記事では、いくらから医療費控除の確定申告ができるのかについて説明しています。また、医療費控除の控除額の計算方法や、医療費が少なく医療費控除の申告ができない場合の対処法も紹介します。
監修者「谷川 昌平」

監修者谷川 昌平ファイナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!

いくらから医療費控除の確定申告はできる?

こんにちは、マネーキャリア編集部です。


令和元年で行われた国税庁の調査では医療費控除申告を行なった人数は760万人となっており、この人数は全国民で換算すると6%程度となります。

医療費控除は所得税・住民税の課税金額を控除する制度となっており、医療費がかかった場合には必ず申告するべき制度となっています。


そんな医療費控除の利用率が低い理由としては

  • 申告方法がわからない
  • 申告金額まで医療費が達していない
  • いくらから申告をすればいいかわからない
等の理由があると思われます。

そんな疑問・不安を解消するためにこちらの記事では
  • 医療費控除はいくらからか
  • 医療費控除の申請方法
  • 事例を交えた医療費控除の対象についての解説
  • 医療費を節約する方法
等について記事内で詳しく解説していきます。

少しでも皆さんのお手伝いになれば幸いです。

医療費が10万円なら医療費控除の申告ができる!

まずは医療費控除がいくらから申告可能かについて解説していきます。


医療費控除は1年間に医療費を合計10万円〜200万円支払った場合に申告が可能となります。

医療費控除を申告する場合には確定申告をする必要があり、申告をすることで所得税・住民税を計算する課税所得金額から控除され、税金を安く抑えることが可能です。

10万円以上の医療費を支払った場合は迷うことなく医療費控除の申告を行なっていきましょう。

医療費控除の控除額の計算方法を紹介!


医療費控除と聞いた際には多くの方が「いくらから申告すればわからない」や「複雑な計算式がある」と敬遠しがちですが、そんなことはありません。


次の順序で申請を行うことで簡単に申告を行うことが可能です。

  1. 支払った医療費の合計から保険金を差し引く
  2. 10万円を差し引く
このように順序を追って計算をすることで簡単に控除額を求めることが可能です。
こちらでは各項目について詳しく解説していきます。

①支払った医療費の合計から保険金を差し引く

まずは「支払った医療費の合計から保険金を差し引く」です。


医療費控除の控除額は支払った医療費から公的保険・民間保険で補填された金額を差し引く必要があります。

ですので、公的保険・民間保険からいくらの収入があったか記録を取り、支払い額がわかる書類を保管しておく必要があります。

また、高額療養費制度を利用した場合は医療費支払いの数ヶ月後に振込があるので注意が必要です。


誤って保険金額を差し引かずに申告をしてしまった場合は過少申告となってしまう為、別途修正申告が必要となります。

このような状況とならないように注意が必要です。

②10万円を差し引く

次は「10万円を差し引く」です。


冒頭でも触れた通り医療費控除の控除額は10万円〜200万円となっています。

この10万円という金額は支払った医療費から10万円差し引いた金額が医療費控除額となるためです。


この例外として年間総所得額が200万円以下の場合には総所得金額に5%を乗じた金額が差し引く金額となります。


例を挙げると

  • 総所得金額:160万円
  • 医療費  :9万円
  • 160万円×5%=8万円
  • 9万円-8万円=1万円
  • 医療費控除金額:1万円

このような形となります。

年間総所得額が200万円以上となると医療費控除額0円となりますが、年間総所得額が200万円未満であれば申告を行うことが可能となります。


医療費が10万円未満となっている状況でも諦めることなく、計算をすることをオススメします。

医療費控除で申告する医療費が10万円に満たないときはどうする?

医療費控除で申告額が10万円に満たなかった時に「申告をしたい」と悩まれる方もいらっしゃると思います。


筆者がオススメする医療費が10万円に満たなかった際の方法は次の通りです。

  1. 医療費控除の対象となる医療費を確認する
  2. 扶養外や別居中でも生計を一にしている家族の医療費は対象
  3. 保険金は給付対象の医療費のみから差し引く
  4. セルフメディケーション税制を利用する
このように10万円に満たなかった場合でも様々な方法があります。

こちらでは一つ一つ詳しく解説していきます。

①医療費控除の対象となる医療費を確認する

まずは「医療費控除の対象となる医療費を確認する」です。


医療費控除が対象となる医療費は診察費・診療費だけではなく、医療に関する多くの費用が対象となっています。

筆者が考える勘違いされがちな費用を次の通りまとめました。

  • 通院をする為の交通費(自家用車は除く)
  • 医師の指示・診察を受ける為の医薬品の購入費
  • 医師等の送迎費
  • 義足・義歯・松葉杖等の購入・賃借費
このように病院自体に支払いを行わない費用は見逃されがちで申告に漏れてしまうことがあります。
医療費控除額が10万円に満たなかった場合はこれらの費用を確認し、申告を行ってみましょう。

②扶養外や別居中でも生計を一にしている家族の医療費は対象

次は「扶養外や別居中でも生計を一にしている家族の医療費は対象」です。


医療費控除の申告の際には同居中の生計を一にしている家族を合算して申告を行うことができることが知られています。

ここで知られていないのが「不要外・別居中の家族であっても生計を一にしている場合も合算できること」です。


国税庁の解釈では「生活費、学資金又は療養費などを常に送金しているとき」等では生計と一にしていると認められます。

送金額がいくらからとは決められておりませんので、事前に税務署に確認することをオススメします。

また、生計を一にしていない場合であっても親の医療費を支払った場合等にも認められるケースがあります。


こちらも状況・ケースを客観的に見ることで申告を行うことが可能となります。

別居しているからといって諦めることなく、申告を進めていきましょう。

③保険金は給付対象の医療費のみから差し引く

次は「保険金は給付対象の医療費のみから差し引く」です。


保険金を受け取った場合に医療費から差し引かなければなりませんが、保険金の種別・給付対象によって計算方法が異なります。

保険金を受け取る際には各治療・入院に対して支払いが行われます。

医療費から差し引く費用は支払われた対象の医療費のみからで問題ありません。


例を挙げると

  • 歯科治療        :12万円
  • 外科手術・入院     :30万円
  • 保険金(外科手術・入院):40万円
  • 30万円-40万円=0円
  • 医療費控除額:12万円+0円=12万円
このように保険金が支払われた医療費に対して差し引かれ、保険金の支払い対象外であった歯科治療は医療費控除の対象となります。

保険金を受け取った際は支払い事由を確認し、申告漏れが出ないように注意しましょう。

④セルフメディケーション税制を利用する

次は「セルフメディケーション税制を利用する」です。


セルフメディケーションは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されています。

セルフメディケーション税制は特定医薬品を購入した際に少額で申告ができる制度となっています。


注意点としては、医師の指示を受けていない薬品等などを購入した際に対象外となってしまう場合があることです。

「セルフメディケーション税制はいくらから?」と気になる方が多くいらっしゃると思います。

セルフメディケーション税制の利用可能金額は1.2万円〜8.8万円となっています。

申告できる下限金額は低くなっていますが、上限額が医療費控除と比べると少なくなっていますので注意が必要となります。

医療費の領収書を提出する必要はない

平成28年度までは医療費控除を申請する際に領収書を見て記載をし、提出する必要がありました。


平成29年度以降では医療費控除の申告を行う際に領収書を提出する必要がなくなりました。

領収書を見やすいように纏めて提出する必要がありましたが、提出の必要がなくなったことで簡単に申告をすることが可能となります。
提出がなくなったことで領収書を保管・管理する必要がなくなったと勘違いする方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。

領収書の提出がなくなったことで次の手続き・管理をする必要があります。
  • 医療費を明細書にまとめ、提出する
  • 医療費控除を申告した医療費の領収書を5年間保管する
このように領収書の提出が必要なくなったことで新たに申告に関して準備・管理が必要となっています。

領収書の5年間保管に関しては義務となっており、税務調査が入った場合には罰せられる可能性がありますので注意が必要です。

医療費を節約する方法は?

病気・怪我になってしまった場合は大きな費用が掛かってしまい生活が苦しくなってしまいがちです。

そんな時に少しでも医療費を節約することが出来れば生活・精神的にも楽になります。


筆者がオススメする医療費を節約する方法は次の通りです。

  1. ジェネリック医薬品とお薬手帳を利用する
  2. かかりつけ医とかかりつけ薬局を利用する
  3. 大きなケガや病気の際は自治体等の助成金を活用する
  4. 運動や食事に気を付けるのが1番!
このように医療費の節約には様々な方法があります。
こちらでは一つ一つ詳しく解説していきます。

①ジェネリック医薬品とお薬手帳を利用する

まずは「ジェネリック医薬品とお薬手帳を利用する」です。


ジェネリック医薬品とは新薬の特許が無効となった後に他の医薬品メーカーが同成分で製作した医薬品のことをいいます。

薬の開発・宣伝費用等の費用がかかっていないことから半額程度の費用で服用することが可能となります。


お薬手帳は以前に服用された医薬品名を記載する手帳となっており、薬局で調剤してもらい際に掛かる「薬剤服用歴管理指導料」を安く抑えることが出来ます。

お薬手帳を薬局で提示することで医薬品にもよりますが、25%程度安く医薬品を購入することが可能です。


このようにジェネリック医薬品・お薬手帳を利用することで医薬品の購入費用を安く抑えることが可能です。

一度では少しの費用ですが、継続することで多くの費用となります。

医薬品費の節約のため一度試してみることをオススメします。

②かかりつけ医とかかりつけ薬局を利用する

次は「かかりつけ医とかかりつけ薬局を利用する」です。


かかりつけ医とかかりつけ薬局とは自身の健康状態・身体状態等を理解している医師・薬局のことをいいます。

かかりつけ医・薬局を利用することで次のメリットがあります。

  • 健康状態について詳しく診察・診断をしてくれる
  • 大病院に診療を受ける際に紹介状を出してくれる
  • 診察の度に持病・疾病歴を説明する必要がなくなる
このように初診病院・薬局にはない様々なメリットがあります。

医療費の節約といった面では「紹介状」が最大の利点となります。
大病院に診療を受ける際には「特別料金」が必要となりますが、かかりつけ医が紹介状を発行することで特別料金が必要なくなります。
また、大病院で病状・持病などを自身の口から説明する必要がなくなります。


かかりつけ医・薬局を見つけることで費用の節約・健康管理を行なってもらうことが出来ますので、自身の地域に密着した医師・薬局を見つけていきましょう。

③大きなケガや病気の際は自治体等の助成金を活用する

次は「大きなケガや病気の際は自治体等の助成金を活用する」です。


大きなケガ・病気を患った際は多くの医療費が必要となります。

また、働くことが出来なくなった場合は収入も途絶えてしまいます。


そんな場合に備えて各自治体では助成金制度が設けられていることがあります。

健康保険の制度では高額療養費制度があり、毎月支払う医療費を収入によって上限を決め、上限以上の費用を健康保険組合が助成する制度があります。


ケガ・病気で弱っている時にお金の心配をすることがないように事前に国・自治体の助成金制度がいくらから利用できるか確認しておきましょう。

④運動や食事に気を付けるのが1番!

次は「運動や食事に気を付けるのが1番!」です。


医療費を節約するために一番大切なことは健康であることです。

そのためには「適度な運動」「バランスの良い食事」「ストレスを溜めない」等、自身の健康を維持する努力が必要となります。


この当たり前の行動をすることが一番難しく、日頃からの心掛けが大切になります。

健康な体を維持し、医療費が掛からないようにしましょう。

まとめ:医療費控除の申告がいくらからか知っておこう

医療費控除はいくらから申告可能かについて解説していきましたがいかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 医療費控除は10万円〜200万円
  • 医療費が10万円に満たない場合の対応
  • 医療費の節約方法

でした。


大きな病気・怪我をしてしまった場合には多くの医療費を支払い、身体・精神・家計面においても苦しくなります。

そんな場合に役立つ制度が医療費控除となっており、医療費控除がいくらから申告ができるか等の知識を深めていくことが重要です。

この記事で皆さんの家計が改善することが出来れば幸いです。


マネーキャリアでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。