整体は医療費控除の対象となる?国家資格を保持しているか確認する方法は?

整体は医療費控除の対象となる?国家資格を保持しているか確認する方法は?
整体の費用は医療費控除の対象となるのでしょうか。この記事では、整体の費用が医療費控除の対象となるかについて解説しています。また、整体院を医療する人が知っておくべき医療費控除の対象や、整体院のおすすめの選び方も紹介しているので、ぜひお読みください。
監修者「谷川 昌平」

監修者谷川 昌平ファイナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!

整体は医療費控除の対象になる?

こんにちは、マネーキャリア編集部です。


先日、高校時代の友人からこんな質問がありました。

「医療費控除でどこまで利用できるの?」 「整体に行っているんだけど、医療費控除が利用できる?」

確かに、このような疑問をお持ちの方も多いと思います。 


国税庁のホームページでは、医療費控除とは、その年に支払った医療費が一定額を超える場合には、医療費控除が適用されるとしています。 


では、整体は医療費控除の対象になるのでしょうか? 


今回は、整体が医療費控除の対象になる要件や見分け方について解説していきます。

整体は国家資格保持者による治療目的の医療費のみ対象となる



まずは、医療費控除の対象となる整体はどのようなものかについて確認していきましょう。


そもそも医療費控除の対象となる整体には国家資格の保持者による治療を目的とした施術が対象となります。


国税庁によると、医療費控除の対象となる整体については以下の要件としています。


あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価(ただし、疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません)。

引用:国税庁ホームページ


つまり、単純なマッサージ目的や疲労回復目的の整体では医療費控除が適用されないということになります。


①具体的な国家資格を紹介

では、整体で医療費控除の対象となる国家資格はどのようなものがあるのでしょうか。


そもそも「整体師」という国家資格はありません。また、整体というものについてのはっきりとした定義はありません。つまり、整体に関連する国家資格の保有者からの施術のみが対象となります。


国税庁にも記載されている通り、医療費控除が利用できる整体関連の国家資格は次のものが挙げられます。

  • あん摩マッサージ指圧師
  • 柔道整復師
  • 鍼師、灸師
また、整体関係の資格には、国家資格ではないものも含まれます。上記の資格以外のものについては国家資格ではないため、医療費控除の適用にはならない点に注意が必要です。

例えば、カイロプラクティックなどは治療法の1種ではあるものの、国家資格ではないため、医療費控除の対象にはなりません。

②治療目的の医療費とは?

整体で医療費控除を受けるためには、国家資格保持者による治療目的の施術のみが対象となります。では、治療目的の医療費とはどのようなものが挙げられるのでしょうか。


一般的には、以下の症状の改善、緩和を目的とした施術が治療行為にあたります。

  • 筋麻痺
  • 神経痛
  • リウマチ
  • 顎腕症候群
  • ヘルニア
  • 五十肩
  • 腰痛症
  • 骨折
  • 打撲
  • 脱臼
  • ねんざ
  • 肉離れ
そのため、単純な関節痛や腰痛、マッサージ目的の施術や年齢による身体の痛み等の改善目的では、治療行為として認められません。整体で医療費控除を適用するためには、必ず何かの症状を治療する目的で施術してもらう必要がありますので注意しましょう。

国家資格を保持しているかは整体院名で見分けよう


整体院で医療費控除を受けるためには、治療目的の施術である必要があるのはもちろんですが、施術する先生が国家資格保持者である必要があります。


では、整体院の先生が国家資格を保有しているかどうかを見分けるにはどのような方法があるのでしょうか。


1つは行きたい整体院をネットで検索して、ホームページを参照するという方法があります。ホームページ上では、施術する先生のプロフィールが載っているので、保有資格を確認すると良いでしょう。


最も簡単に国家資格保有者か見分ける方法は、整体院名を見ることです。


整体院名に「整骨」「接骨」「マッサージ」がついているものは、すべて国家資格保有者がいます。国家資格保有者しか上記の名称を使うことができないため、「整骨院」「接骨院」などはすべて国家資格保有者がいるということになります。

整体院に行く人が知っておくべき医療費控除の対象は?


整体で医療費控除を受けようと思った場合に、施術費用以外にも医療費控除を受けられる場合があります。


国税庁のホームページでは、医療費控除は治療目的で支払った医療費については適用されます。つまり、治療目的にかかるものの費用は医療費控除を受けられる可能性が高いということです。


では、どのような費用が医療費控除の対象になるのでしょうか。


ここからは、医療費控除の対象費用と対象外の費用について解説していきます。

①医療費控除の対象とな医療費

整体利用時に医療費控除の対象となるかどうかについては「治療目的での購入、利用か?」という点が重要になります。


つまり、治療に必要な費用については医療費控除が利用できるということになります。


例えば、指定医薬部外品の湿布テーピングコルセットなども何かの症状の治療に使われたものであればOKです。また、医療用品や器具なども、治療、リハビリ目的であれば医療費控除の対象になります。


さらに、交通費も医療費控除の対象になります。例えば、治療をするために整体院に行く手段として公共の交通機関を利用した場合には、その交通費すべてが医療費控除の対象になります。


医療費控除の対象となる医療費については、必ずレシートや領収書を保管するようにしましょう。医療費控除の申告ではレシートや領収書を税務署に提出する義務はありませんが、本人が保管しておく義務があります。もし、レシートを紛失してしまった場合には脱税を疑われる可能性もありますので注意が必要です。


なお、バスや電車などはレシートが発行されないため、保管しておくことが出来ません。その場合には、簡単なメモでも良いので整体に行った日にち、交通手段、区間、金額を記録しておき、レシートや領収書と一緒に保管しておきましょう。

②医療費控除の対象外の医療費

一方、整体院の費用の中でも、医療費控除の対象外となるものもあります。


例えば、治療目的ではない疲労回復や腰痛軽減のためのマッサージでは、医療費控除は適用されません。また、医薬品であればOKですが、単純にサプリメントなどでは治療行為として認められないので、サプリメントの購入費用も対象外となります。


なお、治療目的で通う際の交通費については医療費控除適用の対象となりますが、タクシーは緊急の場合を除き、医療費控除の対象にならないので注意が必要です。もちろん自家用車で行った場合にも医療費控除の対象になりません。

整体の医療費控除は控除額がそのまま戻るわけではない!


医療費控除で勘違いしている人が多いのは、支払った額が全額戻ってくるというわけではないということです。


そもそも医療費控除というのは、所得控除制度の1種です。支払った医療費のうちの一部が所得から引かれて税金を計算し直すという制度です。


医療費控除の控除額は年収などにより異なりますが、年収200万円以上の方については以下の計算により控除額が決定されます。

支払った医療費-保険金で補填される金額-10万円

例えば、整体にかかる医療費が15万円で、保険金を受け取らなかった場合には5万円が控除額となります。この5万円が自分の所得から引かれて計算されるということになります。


また、所得税と住民税は所得額に応じて税率が変わるため、医療費控除額が同じでも、還付される金額が異なります。例えば、所得税と住民税が20%で、医療費控除の適用額が5万円の場合には1万円の税金が戻ってきます。


つまり、所得金額が多い人ほど、所得税の税率が高いため、還付される金額も多いということに注意が必要です。具体的な所得税率については、国税庁のホームページに記載されていますのでそちらをご確認ください。

整体の医療費控除の申告は自宅でできるe-Taxがおすすめ!


もし、整体の医療費控除申告をしようと思った際には確定申告と医療費控除の申告をする必要があります。


具体的な申告方法は以下の3つの方法が挙げられます。

  • 自宅でe-Taxを利用してオンライン上で申告する
  • e-Taxで申告し、書類を税務署に郵送する
  • 税務署に直接申告書類を持参する
上記の3つの申告方法のうち、最も簡単にできるのが、e-Taxを利用した申告方法です

e-Taxでは、オンライン上で確定申告や医療費控除の申告ができる便利なシステムです。源泉徴収や支払った医療費の領収書、レシートを用意して金額や収入などを入力するだけで、申告手続きが完了します。

ただし、オンライン上で申告するためには、マイナンバーカードの電子証明書が必要になります。電子証明書がない場合や電子証明書の有効期限が切れている場合には、郵送もしくは直接税務署に持参しなければいけないので注意が必要です。

なお、e-Tax上で医療費控除の申告をすることで、還付される税金の額がわかります。そのため、e-TAXを利用することで税金の還付額を知ることができるというメリットもあります。

コラム:整体院のおすすめの選び方は?


自分の地域の整体院を調べた際に、たくさんありすぎてどの整体院にしたら良いのかわからない、という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。また、一見良さような整体院でも、行ってみたらあまり良くなかったという経験がある人もいるでしょう。

整体院の数はたくさんあります。そのため、整体院によって技術やレベル、対応などはさまざまです。そこで、整体院選びで後悔しないために、おすすめの選び方を紹介していきます。

具体的には、次のようなポイントで整体院を選ぶと失敗しにくいです。

  • 治療目的をはっきりさせる
  • 開業してから日が経っている
  • 毎回同じ先生が診療してくれる
  • 胡散臭いキャッチコピーがない
それぞれについて、確認していきましょう。

①治療目的をはっきりさせつ

整体院を探す前に、整体院に行く目的をはっきりさせましょう。


例えば、腰痛持ちやヘルニアなどの治療、症状の改善目的で行く場合と、単純にマッサージのような目的で疲れを取るために行く場合などが挙げられます。


治療の目的で行くのであれば自分が悩んでいる症状を改善できるような整体院に行くべきです。このように自分が抱えているような悩みを解決してくれるような整体院を選ぶことで、適切な施術を受けることができます。

②開業してから日が経っている

より良い整体院を選ぶためには、開業してから日数が経っている整体院を選ぶことが重要です。


一般的には長年続けている整体院の方が、実績があるため、施術の質が高く、評判も良いといえるでしょう。一方で、開業してから日が浅い場合には、整体師のレベルが高くない可能性もありますし、そもそもどんな人がやっているのかなどの情報も不足しています。つまり、開業して間もない整体院では良い整体院かどうかは行ってみないと判断できないということになります。


その地域で長年続けている整体院に行くことである程度の技術、信頼度は保証されているため、開業年を調べてから行くことをおすすめします。

③毎回同じ先生が診てくれる

整体というのは、同じ症状でも一人一人細かい施術内容が異なります。そのため、同じ先生に診てもらうことで、より深い内容の施術が期待できます。


例えば、始めて会った先生が施術をしてくれる場合は、患者の細かいニーズや症状の度合いなどを把握できていません。そのため、施術の質は必然的に落ちてしまうことになります。一方で、毎回診てくれている先生は、その患者のことを理解しているのでより効果的な整体を行なってくれたり、細かいアドバイスをしてくれます。


患者側も信頼して施術を任せることができますし、細かい相談もしやすくなるため、同じ先生が診療してくれるような整体院を選ぶようにしましょう。

④胡散臭いキャッチコピーを利用していない

整体院には「他の整体院よりもレベルが違う」や、「No.1の実績」などのキャッチコピーがついているものもあります。基本的にキャッチコピーは患者を呼び込むための広告ですので、客観的事実がないものが多いです。そのため、根拠がないものが多く、信頼できるものばかりではないのも事実です。


整体院を選ぶ際には、ホームページやチラシのキャッチコピーを鵜呑みにせずに、先生の経歴や国家資格の有無、口コミや評判なども参考にしつつ総合的に判断した場所に行くと良いでしょう。


本当に質の高い整体院は、広告やキャッチコピーがなくても自然と予約が埋まってしまうものです。そのため、過度なキャッチコピーがある場合には疑いの目を持った方が良いでしょう。

まとめ:整体は条件付きで医療費控除の対象となる


整体が医療費控除の対象となるかについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 整体は国家資格保有者の治療目的の施術が医療費控除の対象
  • 国家資格があるかどうかは整体院名に注目する
  • 医療費控除は支払った額が還付されるわけではない
  • 医療費控除の申告にはe-Taxが便利
でした。

治療目的であれば整体にかかる費用も医療費控除が利用できます。治療費の面で整体に行くのをためらっていた方でも医療費控除を活用することで税金を抑えることができるのでぜひ活用してみましょう。

マネーキャリアでは他にも読んでおきたい医療費控除の記事が多数掲載されていますのでぜひご覧ください。