デイサービスの医療費控除は条件によって受け取れる!仕組みを解説中

デイサービスの医療費控除は条件によって受け取れる!仕組みを解説中
デイサービスは医療費控除の対象外って聞いたけど受け取れるの?デイサービスの医療費控除はある条件を満たせば受け取れます!医療費控除を受け取れる条件・医療費控除の対象や金額・居宅サービスによる違い・医療費控除の仕組みや計算・確定申告について解説!ぜひご覧ください。
監修者「谷川 昌平」

監修者谷川 昌平ファイナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!

デイサービスは医療費控除の対象になる?

こんにちは、マネーキャリア編集部です。


先日、70代男性からこんな質問をいただきました。

デイサービスは医療費控除の対象となりますか? 少しでもお金を遺しておきたいのでできるなら利用したいのですが。

デイサービスは、介護サービスなので、医療費控除の対象になるとは考えづらいですよね。 


しかし、もしも対象となるのであれば、今現在デイサービスを利用している人も、これから利用しようと思っている人にとってもありがたい制度となります。 


今日は、そのあたりの説明を中心に、 

  • デイサービスは医療費控除の対象になる? 
  • デイサービスで医療費控除の対象となるのは?いくら戻るの?
  • 医療系・福祉系サービスに含まれない居宅サービスとは? 
  • 医療費控除の仕組み・計算方法とは? 
  • 介護施設でのおやつ代は医療費控除の対象になる? 

について紹介してい行きたいと思います。

デイサービスは条件によって医療費控除の対象になる!



結論から申し上げますと、デイサービスは条件によっては、医療費控除の対象となります


条件によってはということで、基本的にデイサービスは医療費控除の対象にはなりません。


では具合的にどういう条件で対象になるのかどうかについて、ここからは

  • デイサービスは【福祉系サービス】とよばれる
  • 単体で医療費控除が認められるのは【医療系サービス】
  • 「福祉系」は「医療系」との併用で医療費控除が認められる 
という流れで説明します。

デイサービスは【福祉系サービス】とよばれる

まず、デイサービスとはどういう仕組みなのかについて説明します。


デイサービスとは、介護が必要となった高齢者が、日常的に福祉施設に通いながら、あらゆるサービスを受けられるサービスのことです。


施設のなかでは、

  • 食事
  • 入浴
  • 排せつ
  • 他利用者との交流
  • 書道、陶芸、生け花などのレクリエーション
  • リズム体操などの機能訓練
といったサービスを受けることができます。

なお、デイサービスは通所介護ともいわれ、福祉系サービスの一つに位置付けられています。

福祉系サービスはほかにも、
  • 訪問介護
  • 訪問入浴介護
  • 養護老人ホーム
  • 認知症高齢者グループホーム
  • 老人介護支援センター
  • 老人短期入所施設(ショートステイ)
などがあります。

特徴は、医療を伴わないことで、介護士やケアマネージャーによるものが多いです。

単体で医療費控除が認められるのは【医療系サービス】

福祉系サービスの対になるものが、医療系サービスです。


医療系サービスには、

  • 介護老人保健施設
  • 訪問看護
  • 短期入所療養介護(ショートステイ)
  • 訪問リハビリ
  • 訪問看護
  • 通所リハビリテーション(デイケア)
などがあります。

特徴は、治療を目的としたものや、リハビリなどが行われていることで、医師や看護師によるものが大半です。

つまり、これらのサービスを利用すれば、医療に対して支払うことになるので、医療費控除の対象となるのです。

「福祉系」は「医療系」との併用で医療費控除が認められる

では、福祉系サービスは、絶対医療費控除が認められないのかというと、そうではありません。


実は、福祉系サービス医療系サービスを併用すれば、医療費控除が認められるのです。


併用に当たる基準としては、同じ月に利用しているかが問われます。


例えば、日常的にデイサービスを利用しながらも、週に1回、訪問リハビリテーションを受けているならば、それは併用となります。


そうなれば、訪問リハビリテーションはもちろん、デイサービスも医療費控除の対象となり、控除を受けることができるようになるのです。

デイサービスで医療費控除の対象となるのは?いくら戻るの?



ここまではデイサービスが、どのような条件で医療費控除の対象になるのかについて説明しました。


ここからは具体的にどのようなものが医療費控除の対象になるのかを紹介します。


さらに、実際にいくら戻るのかについても紹介します。


流れとしては、

  • 対象となるのは介護施設での介護費・食費・居住費
  • おむつ代・食費などの日常生活費や特別なサービス費は対象外
  • おむつ代も条件によっては医療費控除の対象になる
  • 施設サービスの対価として支払った金額の2分の1が対象
の順に進みます。

対象となるのは介護施設での介護費・食費・居住費

医療系サービスとの併用によって、デイサービスでも医療費控除が認められるこことは先に述べました。


ただ、認められるといっても、それは限定的で、すべてのサービスが対象として認められるわけではありません。


デイサービスのうち、併用によって医療費控除の対象となるのは、

  • 介護費
  • 食費
  • 居住費
です。

例えば、施設のなかでの昼食は医療費控除の対象となります。

これら3つの費用は、「介護保険給付の対象で、自己負担額が定められている」という共通の特徴を持っています。


では逆に、医療費控除の対象外なのはどういうもかを次に紹介します。

おむつ代・食費などの日常生活費や特別なサービス費は対象外

逆に医療費控除の対象外となるものは、

  • おむつ代(条件による
  • 施設外での食費
  • 歯ブラシ
  • シャンプー
などの日常生活費です。

日常生活費とは、介護施設以外で、普段生活するうえで必要になる費用のことです。

例えば、家族でどこかに昼食に行ったとしても、たとえ医療系サービスと併用していても、医療費控除の対象にはなりません。

さらに、併用していても、医療費控除の対象とならないのはほかにもあります。

それは、
  • レクリエーションにかかる実費
  • 理美容代
  • 化粧品
などの特別なサービス費です。

基本的に「施設の基本料金として定められていないもの」と考えるといいでしょう。

これらのサービスは、医療費控除の対象外なので気を付けましょう。

おむつ代も条件によっては医療費控除の対象になる

おむつ代が医療費控除の対象外と先に述べましたが、実は条件によっては対象になり得ます。


それは、

  • 6か月以上寝たきりの状態
  • 医師から「おむつの使用が必要」と認められた場合
の両方を満たしている場合に限ります。

医師から必要性が認められた場合は、「おむつ使用証明書」を忘れずにもらうようにしてください。

医療費控除を申告するためには、おむつ代の領収書や、医師が発行した「おむつ使用証明書」をまとめて提出するようにしましょう。

施設サービスの対価として支払った金額の2分の1が対象

ただ注意したいのが、福祉系サービスの医療費控除は全額ではないということです。


たとえ医療系サービスと福祉系サービスを併用したとしても変わりません。


具体的には、施設サービスの対価として支払った金額の2分の1が医療費控除の対象となっています。


これを表にすると、

施設名医療費控除の対象医療費控除の対象外
指定介護老人福祉施設【特別養護老人ホーム】
指定地域密着型介護老人福祉施設
施設サービスの対価(介護費、食費及び居住費)として支払った額の2分の1に相当する金額①日常生活費
②特別なサービス費用
介護老人保健施設施設サービスの対価(介護費、食費及び居住費)として支払った額①日常生活費
②特別なサービス費用
介護医療院施設サービスの対価(介護費、食費及び居住費)として支払った額①日常生活費
②特別なサービス費用
指定介護療養型医療施設
【療養型病床群など】
施設サービスの対価(介護費、食費及び居住費)として支払った額①日常生活費
②特別なサービス費用
となります。

つまり、施設によって、どれくらいの金額が医療費控除の対象になるかが変わるということです。

医療系・福祉系サービスに含まれない居宅サービスを紹介!



ここからは、医療系・福祉系サービスのどちらにも含まれない居宅サービスを紹介します。


居宅サービスには

  • 福祉用具貸与
  • 特定福祉用具販売
  • 住宅改修
などがあります。

まず、福祉用具貸与とは、利用者が自宅で自立した生活を送れるように、適切な福祉用具を備え付けたり、貸与したりするサービスです。

親族などの介護者の負担を減らすことが目的で、利用者負担額は1~3割となります。

次に、特定福祉用具販売とは、利用者が自宅で自立した生活を送れるように、入浴や排泄に用いる福祉用具を販売するサービスです。

福祉用具貸与には適さない福祉用具が販売されます。

これも親族などの介護者の負担を減らすことが目的で、全額支払った後、7~9割が還付されます。

つまり、利用者負担額は実際のところ、1~3割となります。

住宅改修とは、利用者が自宅で自立した生活を送れるように、家全体を介護に適した構造にリフォームすることを支援するサービスです。

親族などの介護者の負担を減らすことが目的で、2つの支払い方法が選べます。

一つ目が、全額支払った後、7~9割が還付される支払方法です。

二つ目が、最初から費用の1~3割を支払う方法です。

どちらの場合でも、利用者負担額は実際のところ、1~3割となります。

最大で18万円を受け取ることができます。

医療費控除の仕組み・計算方法をチェック!



今まで述べてきたように、デイサービスの一部のサービスが医療費控除の対象となるのでした。


ここからは医療費控除の仕組み・計算方法を紹介したいと思います。


その際、いくつかの間違いやすい点に注意しなければいけません。


その間違いやすい点について、

  • 医療費控除は年収200万円を境目に計算方法が違ってくる
  • 「生計を一にする」家族なら別居していても合算できる!
  • 高額介護サービス費などで補填を受けた分は医療費控除の対象外
の3点について見ていきます。

医療費控除は年収200万円を境目に計算方法が違ってくる

医療費控除は、一年間の間に支払った医療費の総額を基に、所得控除を受けられる制度です。


医療費控除の計算方法は、年収200万円を境に異なります。


年収が200万円以上の場合

1年間の医療費の合計額 - 保険金などの補てん金額-10万円

となっています。


年収200万円未満の場合

1年間の医療費の合計額 - 保険金などの補てん金額-年収の5%

となっています。

仮に年収が100万円とすると、100×0.05=5となり、5万円を引くだけで抑えられます。


逆に年収が200万円以上場合は、一律10万円で、年収の高低に関わらず一定です。


このように、医療費控除の計算は、年収200万を境に異なることを覚えておきましょう。

「生計を一にする」家族なら別居していても合算できる!

医療費控除では、「生計を一にする」家族内における医療費の総額がもととなります。


ここで、「生計を一にする」とはどういうものかを説明します。


生計を一にするとは、同じ所得で生活するということです。


例えば、父親が世帯主だとすると、その父親の所得で生活している家族は、「生計を一にする」家族ということができます。


気を付けたいのが、同じ所得で生活していれば、必ずしも同居している必要はないということです。


具体的に、

  • 世帯主が単身赴任で別居している
  • 子どもが下宿・寮暮らしであるが、仕送りをしている
  • パートナーと別居中でも、生活費を送金している
などの場合は、「生計を一にしている」といえます。

一見すると、離れて生活しているので、医療費に含まれないように見えますが、実際には含むのです。

間違いやすい点ですので、注意しましょう。

高額介護サービス費などで補填を受けた分は医療費控除の対象外

高額サービス費とは、

  • 1か月に支払った利用者負担の合計が負担減同額を超えたときは、超えた分が払い戻される制度
です。

令和3年(2021年)8月からは、一定年収以上の高所得者世帯について、負担限度額の見直しを行うようです。

これまでとは払い戻し金額が変わることが予想されるので、しっかりと頭に入れておきましょう。

例えば、年収800万円の人なら、自己負担限度額は93,000円(以前までは44,000円)となり、それを超えた場合に、141万円まで補填が受けられます。

ただし、こうした保険金による補填金は医療費控除の対象外となるため、医療費に加算してはいけません。

あくまで自分で支払った医療費に限定されることに注意してください。

デイサービスの医療費控除には確定申告が必要!



ここまでで、デイサービスにおける、医療費控除の対象や、仕組み・計算方法について理解していただけたと思います。


次に、実際にデイサービスの医療費控除を申告する場合の

  • 医療費控除は年末調整の対象外なので確定申告が必要
  • 確定申告で必要となる書類を解説!
  • 確定申告をすれば住民税も安くなる!
といった注意点について解説していきます。

なお、医療費控除については、年間10万円以上支払っていなければ申告できないので、まずは医療費の清算をしたうえで、申告の準備をするようにしてください。

医療費控除は年末調整の対象外なので確定申告が必要

一般の会社員の場合、確定申告の経験がない方が大半だと思います。


それもそのはず、給料からすでに所得税が源泉徴収されていて、年末調整によって税金が勝手に納めれれているためです。


ところが、医療費控除は年末調整の対象外なので、勝手に納められるということはありません。


自分で確定申告をする必要が出てきます。


申告期間は、毎年2月16日~3月15日となっています。


ただし、医療費控除のみを申告するなら、この適用外となり、いつでも可能です。


さらに、5年間の猶予があるので、すぐに申告する必要もありません。


ここからは、実際に申告する手順を紹介します。

確定申告で必要となる書類を解説!

確定申告をする際に必要となる書類は、

  1. 本人確認書類(マイナンバーカードがベスト)
  2. 確定申告書A(第一表・第二表)
  3. 医療費通知
  4. 医療費の領収書(自宅で保存)
  5. 医療費控除の明細書
  6. 源泉徴収票(提出する必要はない)

などが必要となります。

ここからは一つ一つ丁寧に見ていきたいと思います。

①本人確認書類

マイナンバーカードを準備するのがベストですが、万が一マイナンバーカードがない場合は、「番号確認書類(マイナンバーが確認できる書類)」と「身元確認書類(マイナンバーの持ち主が確認できる書類)」の2つを準備しましょう。

②確定申告書

確定申告書は、申告書A・Bの2種類があります

確定申告書Aは、主に給与が発生する被雇用者が使用します。

逆に、確定申告書Bは、収入の種類に関係なく、個人事業主やフリーランスなどの事業主が使用します。

自分に合った方の申告書を選択しましょう。

それぞれの申告書には、第1表、第2表と呼ばれる2枚綴りの書類を含んでいます。

医療費控除の際には、どちらもに必要となるので、忘れずに準備してください。

なお、確定申告書は国税庁のホームページ(ダウンロードはこちら)もしくは、窓口で受け取れます。

③医療費通知

医療費通知とは、加入している健康保険組合から送られてくる書類です。

一年間にどれくらいの医療費を支払ったのかが明確に記されています。

④医療費の領収書

医療費の領収書は、確定申告の際に、提出する必要はありませんが、証明となるものなので、医療費控除の最長期間である5年間は保存しておくとよいでしょう

⑤医療費控除の明細書

医療費控除の明細書は、どんなものに・どれくらい医療費を支払ったのかを証明する書類です。

③の医療費通知を見ながら、正確に記入しましょう。

医療費控除の明細書も②の確定申告書と同じく、国税庁のホームページ(ダウンロードはこちら)もしくは、窓口で受け取れます。

⑥源泉徴収票

2019年4月1日以降は、確定申告書に源泉徴収票を添付する必要がなくなりました

ただ、税務署の窓口などで確定申告書を作成した場合には、源泉徴収票から転記する必要があるので、源泉徴収票を持参する必要があります。

確定申告をすれば住民税も安くなる!

医療費控除は、課税対象の所得から医療費を差し引く仕組みです。


そのため、医療費控除を申告すると、所得税が安くなります。


ここまでは、比較的わかりやすい仕組みとなっていますね。


ただ、安くなるのは所得税だけでなく、住民税にも影響します。


なぜなら、住民税の金額は所得額に依存するためです。


所得額が下がることで、比例して住民税も安くなります。


このように、医療費控除の確定申告によって、所得税に加え、住民税も安くなります

【参考】介護施設でのおやつ代は医療費控除の対象になる?



ここでは、介護施設のおやつ代が医療費控除の対象になるのかどうかについてみていきたいと思います。


介護施設における食事は、医療費控除の対象になることは先にお伝えしました。


ただ、おやつとなると、必要不可欠なものでもないため、医療費控除の対象になるのか不安に思う方もいるかと思います。


結論から申し上げますと、おやつ代は、条件によっては医療費控除の対象となります。


その条件とは、

  • おやつ代が介護施設の食費として含められていること
となります。

例えば、施設のルールの一環として、全入居者に同じおやつを提供することが定められている場合には、これは施設内の食費の扱いになるため、医療費控除の対象となります。

しかし、入居者ごとにそれぞれ自分の好みのおやつを自費で購入して持ち込んだ場合には、施設内の食費として認められず、特別なサービス費に当たるため、医療費控除の対象外となります。

このように、おやつ代は食費に含むかどうかで扱いは大きく異なるのです。

おやつ代を食費に含めることで、おやつを食べられるついでに、医療費控除の機会を得ることが、一番最適と考えるかもしれません。

しかし、おやつが要らないという人も一定数いることが予想されるため、施設によってはあえておやつを食費と分けて別枠で、特別なサービス費として計上しているところもあります。

このことから、介護施設に入る際には、しっかりと費用面での相談をしておくとよいでしょう。

【まとめ】デイサービスの医療費控除は仕組みを理解するのが大切

ここまでは、デイサービスを中心に、医療費控除との関係について見ていきました。


この記事のポイントは、

  • デイサービスは、医療系サービスと併用した場合に限り、医療費控除の対象になる!
  • 医療系・福祉系サービスに含まれない居宅サービスもある。
  • 医療費控除は、年収200万が境目で計算方法が変わる。
  • 介護保険で補填される額は、医療費控除の対象外になる。
  • 医療費控除は、会社員でも確定申告しなければいけない。
  • 介護施設でのおやつ代は、食費として含められていれば、医療費控除の対象になる!
でした。

何が対象となり、何が対象外なのかだけをとっても、医療費控除は複雑でわかりにくい仕組みです。

しかし、医療費控除をすれば自分に返ってくるので、できるなら申告したいですよね。

そのため、まずは医療費控除の仕組みをしっかり理解する必要があります。

マネーキャリアでは、医療費控除について多数の記事を執筆していますので、参考にしてみてくださいね。