この記事の目次
- 医療費が10万円ちょっとでも医療費控除は申告するべき?
- 医療費が10万円ちょっとなら医療費控除の申告は意味ない!
- 理由①医療費が10万円ちょっとの医療費控除の還付金は少ない
- ①医療費から10万円を差し引いた額が医療費控除額
- ②医療費控除額に税率をかけた金額が還付金
- 理由②医療費控除の手続きは慣れていないと複雑
- ①領収書と源泉徴収票を用意する必要がある
- ②医療費控除の申告手続きは時間がかかる
- 【体験談】医療費が10万円ちょっとの医療費控除は意味ない
- 70万円の医療費を支払ったが還付額は4万円だった
- 出産費用で医療費控除を利用したが還付金は6000円だった
- 医療費が10万円ちょっとで医療費控除の還付金を増やす方法は?
- ①見落としていた医療費控除の対象を控除額に含める
- ②家族の中で総所得金額が1番高いひとが申告する
- ③市販薬の購入が多いならセルフメディケーション税制を利用する
- 医療費が10万円ちょっとで医療費控除の手続きを楽にする方法は?
- ①手続きはe-Taxを利用して自宅で行う
- ②医療費通知を利用して医療費控除の明細書の作成を省略する
- 注意:医療費が10万円ちょっとなら税理士に頼むのはコスパが悪い
- 過去5年分までなら医療費控除の申告ができる
- まとめ:10万円ちょっとの医療費の医療費控除は意味ない!
医療費が10万円ちょっとでも医療費控除は申告するべき?
こんにちは、マネーキャリア編集部です。
令和元年で行われた国税庁の調査では医療費控除申告を行なった人数は760万人となっています。
この人数は全国民で換算すると6%程度となり、決して多い数値ではありません。
医療費控除は所得税・住民税の課税額を控除する制度となっていることから医療費がかかった場合には必ず申告するべき制度となっています。
そんな中、申請金額より少し多い10万円ちょっとで申請した友人からこのような相談がありました。

このように医療費控除をすることで全員が満足していることではなく、一定数は疑問を持っていることがわかります。
この記事では次の内容を解説・紹介していきます。
- 10万円ちょっとの医療費控除は得なのか
- 医療費控除の還付金を増やす方法
- 簡単に医療費控除をする方法
医療費が10万円ちょっとなら医療費控除の申告は意味ない!
まずは「医療費控除を10万円ちょっとで申告した場合は得なのか」について解説していきます。
結論から述べると医療費控除を10万円ちょっとで申告することは損はありませんが、大きな得になることはありません。
理由としては次のことが挙げられます。
- 医療費が10万円ちょっとの医療費控除の還付金は少ない
- 医療費控除の手続きは慣れていないと複雑
理由①医療費が10万円ちょっとの医療費控除の還付金は少ない

こちらでは理由①の「医療費が10万円ちょっとの医療費控除の還付金は少ない」について解説していきます。
医療費控除を行うことによって得られる節税効果は住民税・所得税の減額です。
所得税は先払いしている税金なので減額された場合は年末に還付金として返還されます。
10万円ちょっとで申告をした場合にはこの還付金が少額となってしまいます。
還付金が少なくなる理由は次の通りです。
- 医療費から10万円を差し引いた額が医療費控除額
- 医療費控除額に税率をかけた金額が還付金
①医療費から10万円を差し引いた額が医療費控除額
まずは「医療費から10万円を差し引いた額が医療費控除額」です。
医療費控除の計算方法は次の計算で行います。
支払った医療費ー保険等で補填された金額ー10万円=医療費控除額
このように支払った医療費から10万円を差し引いた金額が医療費控除額となるので10万円ちょっとで申告を行なった場合は控除額が少額となってしまいます。
控除額が少額となってしまうことで還付金・節税効果が薄くなってしまいます。
医療費控除を申告する前に一度自分で医療費控除額を計算することをオススメします。
②医療費控除額に税率をかけた金額が還付金
次は「医療費控除額に税率をかけた金額が還付金」です。
還付金額はは先ほどの医療費控除額に税率を乗じることで計算が可能です。
税率とは所得税率・住民税率の和となり、納税者の年収によって異なります。
10万円ちょっとの申告の場合、10万円を差し引いた差額分に税率を乗じた金額が返還されることとなりますので、少額となるケースがほとんどです。
医療費控除を受ける前には還付金額を計算し、申告すべきか判断することをオススメします。
理由②医療費控除の手続きは慣れていないと複雑

次は理由①の「医療費控除の手続きは慣れていないと複雑」について解説していきます。
医療費控除は確定申告を行う際に同時に行う必要があります。
確定申告と聞くと「難しそう」「申告できる自信がない」と考えてしまう方も多くなり、初めて確定申告を行う方にとってはハードルが高くなってしまいます。
また、医療費控除の手続きは単に確定申告行うより複雑になっており、申告する際のメリットを理解した上でしなければ時間を消費してしまうだけとなってしまいます。
こちらでは医療費控除を行う際に必要な次の手続き解説していきます。
- 領収書と源泉徴収票を用意する必要がある
- 医療費控除の申告手続きは時間がかかる
①領収書と源泉徴収票を用意する必要がある
まずは「領収書と源泉徴収票を用意する必要がある」です。
医療費控除を申告する場合には次の書類が必要となります。
- 医療費を支払った領収書
- 源泉徴収票
この書類は確定申告をするために確定申告書・医療費控除の明細書を作成するために必要となります。
確定申告書・医療費控除の明細書は税務署・国税庁HPで入手することが可能です。
年末に一度に記載をする方が多くいらっしゃいますが、必要書類の準備等に時間がかかってしまう場合がありますので、事前に記載をしておくことをオススメします。
②医療費控除の申告手続きは時間がかかる
次は「医療費控除の申告手続きは時間がかかる」です。
医療費控除は多額の医療費を支払った場合は多くの返金がある制度となっていますが、申告手続きは複雑となっており、時間を要する場合があります。
医療費控除の申告を行う場合の手順は次の通りです。
- 支払った医療費が医療費控除に含まれる費用か確認する
- 医療費控除を申告した場合の税控除額を確認する
- 医療費の領収書を集め、医療費控除の明細書・確定申告書に記載する
- 自身で計算を行い、税務署に提出する
- 還付・控除を受ける
【体験談】医療費が10万円ちょっとの医療費控除は意味ない

こちらでは実際にあった体験談を紹介します。
多額の医療費を支払ったケース・10万円ちょっとで申告をしたケースとなります。
実際の体験談は医療費控除の申告する方にとってはとても参考になると思います。
体験談を読んで今後の申告スタイルを考えることをオススメします。
70万円の医療費を支払ったが還付額は4万円だった
私は病気に罹ってしまい、入退院・通院を繰り返していました。
身体・精神・費用的にも非常に辛く、1年間で70万円ほどの医療費を支払いました。
入院する前に「年間の医療費が10万円を超えると医療費控除で還付を受けることができる」と病院の方から教えてもらっていたので、費用面は少し気が楽になっていました。
翌年の3月に1年間の領収書を集め、医療費控除の明細書に記載し、確定申告を行いました。
多くの還付金の返金があると期待をしていましたが、振り込まれた還付金をみるとたったの4万円でした。
「どうしてこんなに還付額が少ないんだ!」と思い、税務署に問い合わせてみると
「支払った所得税の中から返金をしているので納税額以上は還付されません」と回答がありました。
還付金に期待していた面もあり、生活も非常に厳しくなっています。
皆さんも医療費控除の還付金を生活資金にしようといった考え方はせずに健康第一で過ごしていって頂ければ幸いです。
出産費用で医療費控除を利用したが還付金は6000円だった
私は昨年に妊娠・出産をし、その際に他の妊婦より医療費が掛かってしまっていました。
お金が掛かったといいましたが、年間で10万円ちょっとの出費でした。
産婦人科の受付の方から「10万円以上の医療費が医療費控除の対象となりますので、確定申告すれば還付金がありますよ」と教えて頂けたので、医療費控除申告をすることを決めました。
その後、1年間に掛かった医療費である10万円ちょっとの領収書を集め、医療費控除の明細書に記載し、確定申告を行いました。
「これだけ苦労したんだから1万円以上は帰ってくるだろう」と考えていましたが、確定申告後に振り込まれた金額はたったの6000円でした。
私は「苦労して申告したのに」ととても悲しく・悔しい気持ちになりました。
この経験から「労力を掛けた分の納得する還付金額でなければ医療費控除は利用しない」と決めました。
皆さんも10万円ちょっとの申告では多くの還付金を得ることができない事を念頭に置いて医療費控除の申告をしましょう。
医療費が10万円ちょっとで医療費控除の還付金を増やす方法は?
医療費控除で10万円ちょっとの金額を申告することで得ることが可能な還付金は年収によりますが少額となっています。
そんな還付金額を少しでも増額できる次の方法を紹介していきます。
- 見落としていた医療費控除の対象を控除額に含める
- 家族の中で総所得金額が1番高いひとが申告する
- 市販薬の購入が多いならセルフメディケーション税制を利用する
①見落としていた医療費控除の対象を控除額に含める

まずは「見落としていた医療費控除の対象を控除額に含める」です。
医療費控除と聞くと病院で支払った金額のみ対象と考える方が多くいらっしゃいます。
全くそのようなことはなく、医療に関する多くの費用が対象となっています。
勘違いされ、見落とされがちな費用を次の通りまとめました。
- 通院をする為の交通費(自家用車は除く)
- 医師の指示・診察を受ける為の医薬品の購入費
- 義足・義歯・松葉杖等の購入・賃借費
- 医師等の送迎費
②家族の中で総所得金額が1番高いひとが申告する
次は「家族の中で総所得金額が1番高いひとが申告する」です。
医療費控除は同居している家族であれば医療費を合算して申告をすることが可能となります。
還付金額は確定申告を行う際の課税所得が減額された際の納税額の差額を返却されます。
その為、年収が高い方の方が所得税の納税額が高くなっているので、多くの還付金を受け取ることが可能となります。
例を挙げると次の通りです。
【A夫さん】
課税所得金額:350万円
所得税納税額:272,500円
医療費控除額:23万円
350万円ー23万円=327万円
327万円×0.1ー97,500=229,500円
272,500ー229,500=49,000円
還付金額:49,000円
【B子さん】
課税所得金額:240万円
所得税納税額:142,500円
医療費控除額:23万円
240万円ー23万円=217万円
217万円×0.1ー97,500=119,500円
142,500ー119,500=23,000円
還付金額:23,000円
このようにA夫さん、B子さんが医療費控除を行なった場合では26,000円の差があります。
世帯で申告をする場合にはより年収が高い方が行うことをオススメします。
③市販薬の購入が多いならセルフメディケーション税制を利用する
次は「市販薬の購入が多いならセルフメディケーション税制を利用する」です。
セルフメディケーションは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されています。
セルフメディケーション税制は特定医薬品を購入した際に医療控除より少額で申告ができる制度となっています。
一般的に医師の処方を受けていない市販の医薬品などを購入した際には医療費控除の対象とならないことが多くあります。
ですがセルフメディケーション税制を活用することで市販品を購入した場合であっても税控除を受けることが可能となります。
セルフメディケーション税制の利用可能金額は1.2万円〜8.8万円となっています。
医療費控除と比べると上限額が少なくなっていますので注意が必要です。
医療費が10万円ちょっとで医療費控除の手続きを楽にする方法は?

医療費控除を行う際の一番の問題点は「手続きに時間・労力が掛かること」です。
そういった悩みを持ち、「10万円ちょっとだからもう申告しないでいいや」と考えている方にオススメの方法を紹介します。
筆者がオススメする申告を楽にする方法は次の通りです。
- 手続きはe-Taxを利用して自宅で行う
- 医療費通知を利用して医療費控除の明細書の作成を省略する
①手続きはe-Taxを利用して自宅で行う
まずは「手続きはe-Taxを利用して自宅で行う」です。
e-Taxとは国税庁が運営している国税に関する処理をオンライン上で申告するシステムです。
国税庁の確定申告書作成コーナーで簡単に申告することが可能です。
e-Taxを利用した場合では
- 自身で計算する必要がない
- 郵送・持ち込みをするがない
- 自宅で作成することが可能
②医療費通知を利用して医療費控除の明細書の作成を省略する
次は「医療費通知を利用して医療費控除の明細書の作成を省略する」です。
医療費通知とは健康保険組合が発行している通知書であり、受けた医療に対する費用・日付が記載されています。
この医療費通知書を利用することで膨大な領収書を探し、申告をする必要がなくなります。
とても便利な方法ですが注意点があります。
次の情報が記載されていない場合は医療費控除の申請に利用ができませんので、事前に確認が必要です。
- 被保険者等の氏名
- 療養を受けた年月
- 療養を受けた者
- 療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
- 被保険者等が支払った医療費の額
- 保険者等の名称
注意:医療費が10万円ちょっとなら税理士に頼むのはコスパが悪い
確定申告を行うと聞くと「税理士に依頼しなくちゃ!!」と考える方が多くいらっしゃると思いますが、それは大きな勘違いです。
10万円ちょっとの医療費控除で偉られる金額は一般的な収入の方では5000円〜1万円等であり、少額となっています。
そんな中、税理士に確定申告を代行依頼をすると還付金より大きな金額が必要となってしまいます。
還付金を受けるために損をすることになりかねませんので、税理士に依頼する前には概算でも良いので自身で還付金額を計算してみましょう。
過去5年分までなら医療費控除の申告ができる

医療費控除を申告したいと考えていたが、忙しくてできなかったと肩を落としている方もいらっしゃると思います。
そんな場合でも再度、医療費控除申告を行うことが可能です。
確定申告を行なっていなかった場合では医療費控除の申告を過去5年間に遡って申告することが可能となります。
5年間と期間も長いので大きな病気・怪我をした際には遡って申告をすることをオススメします。
まとめ:10万円ちょっとの医療費の医療費控除は意味ない!
10万円ちょっとの医療費控除について解説していきましたがいかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは
- 10万円ちょっとの医療費控除では還付金が少額となる
- 医療費控除は世帯で合算して申告ができる
- 医療費控除を行うには一定の知識が必要
でした。
大きな病気・怪我をしてしまった場合には多くの医療費を支払い、身体・精神・家計面においても苦しくなります。
そんな時に期待していた還付金が少額だった場合には余計に苦しくなってしまいます。
医療費控除を行う前には還付金額を計算し、労力に見合った還付金の際に申告しましょう
この記事で皆さんの知識を深めることが出来れば幸いです。
マネーキャリアでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

