医療費控除のe-Taxでのやり方やメリット・デメリットについて解説!

医療費控除のe-Taxでのやり方やメリット・デメリットについて解説!
医療費控除を受けたいけどコロナ禍だし税務署に行きたくない…インターネットで申請するやり方はある?e-Taxを使うやり方であれば可能です!e-Taxで医療費控除を受ける場合の手順や必要なもの、メリット・デメリットについて解説中!スマホを使うやり方も掲載中。
監修者「谷川 昌平」

監修者谷川 昌平ファイナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!

e-Taxで医療費控除を申請するやり方ってどうやるの?


確定申告で医療費控除を申請する場合は、「e-Tax」を利用してみましょう。


e-Taxとは、24時間いつでもWebから利用できる電子申告・納税システムです。


確定申告をする際に、郵送の手間や直接税務署に行く時間がなかなか取れないという方も居るのではないでしょうか。


また、コロナ禍なので人が大勢いる場所で長時間待たされるのは避けたい…といった声もあるようです。


そこで今回は、個人e-Taxで医療費控除を申請するやり方について1から解説していきます。


そもそも医療費控除とはどういった手続きなのでしょうか。


医療費控除とは、税金が減ることです。 

つまり、既に納めた所得税が減り、差額が戻ってくる手続きのことを言います。


大前提として、支払った医療費がそのまま還付される手続きのことではないことを頭に入れて読み進めてみて下さいね。


個人がe-Taxで医療費控除を申請する方法(順序)は、以下の通りです。

  1. 利用者識別番号を取得する
  2. 電子証明書(マイナンバーカードなど)を取得する
  3. 手続きを行うためのWebソフト・コーナーを選択する
  4. データを作成し、送信する
  5. 送信結果を確認する

e-Taxで申請するにはまず【利用者識別番号】を取得する!


e-Taxを利用するにはまず、利用者識別番号(半角16桁の番号)の取得が必須です。


利用者識別番号を取得する方法は複数ありますので、下記のいずれかの手続きを行ってください。


注意点

既に利用者識別番号を取得している場合、新たに番号を発行すると、今までの番号は利用できなくなります。


今までの利用者識別番号、暗証番号が分からない方は、「変更届出」の手続きを先に行ってください。


利用者識別番号を取得する方法

  • Webからマイナンバーカードを使ってアカウントを登録する
  • Webから利用者識別番号を取得する
  • マイナポータルの「もっとつながる」機能からe-Taxを利用する
  • WebからID・パスワード方式の届出を作成・送信する
  • 税務署に行って、ID・パスワード方式の届出を作成・送信する
  • 書面で利用者識別番号を取得する
  • 税理士に依頼し、利用者識別番号を取得する

【利用者識別番号】とはe-Taxで使用するIDのこと


利用者識別番号とは、電子申告をする際になりすましを防止するために導入された、16桁の個人番号(ID)のことです。


e-Taxだけでなく、確定申告の申告会場にあるパソコンでも使えます。

方法①:マイナンバーカード方式で番号の取得を省略する

方法①は、マイナンバーカード方式で番号取得を省略するという方法。


マイナンバーカード方式とは、マイナンバーカードと暗証番号を用いて確定申告書を送信する方式のことです。


e-Taxでマイナンバーカードを読み取ると、マイナンバーカード方式の利用開始画面から手続きを進めることができます。

方法②:ID・パスワード方式で取得する

方法②は、ID・パスワード方式で取得するという方法。


ID・パスワード方式とは、その名の通りIDとパスワードを設定し確定申告書を送信する方式のことです。


ID・パスワードを発行出来るのは、

  • Web「確定申告書等作成コーナー」(マイナンバーカードが必要)
  • 税務署(マイナンバーカードは不要)
となっています。

しかし、冒頭でお伝えした通りこれから電子証明書というものを発行しなければなりません。

マイナンバーカードを取得しておかないと、電子証明書の発行は非常に面倒です。

あらかじめマイナンバーカードを準備しておくことをお勧めします。

方法③:Web・書面で開始届出書を出して取得する

方法③は、Web・書面で開始届出書を出して取得するという方法。


開始届出書とは、e-Taxを初めて利用する方が利用者識別番号を取得するための手続きのことです。 


開始届出書を作成できるのは

  • Web「e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナー」
  • 国税庁HPの「電子申告・納税等開始(変更等)の届出」

となっています。


Webで手続きを行いそのまま税務署に提出する方法か、HPから届け出用紙をダウンロードし、税務署に郵送または持参することで、利用者識別番号を取得できます。

e-Taxの医療費控除で事前に必要となるものを紹介!

利用者識別番号を取得したら、いよいよe-Taxで医療費控除を申請していくことになりますが、その前に事前に必要となるものをご紹介していきます。


事前に準備しておくべきものは、以下の通りです。

  • 医療費控除の明細書
  • 健康保険から送付された医療費のお知らせ(医療費通知)
  • 給与所得者は源泉徴収票
  • マイナンバーカード(電子証明書有効期限が残っていれば住基カードでも可)
  • ICカードリーダー
  • PCが使える環境

これまで、医療費の領収書を提出すれば医療費控除の申請ができるものとなっていました。

しかし平成29年度より、医療費控除の明細書の添付が必須となりました。

なお、健康保険組合などが発行する医療費通知を添付することで、明細の記入を省略することができます。

また、e-Taxで申告・申請をするにはマイナンバーカード(電子証明書のついた住基カード)と、パソコンでカードを読み取るためのICカードリーダーなどの機器も用意しておく必要があります。

番号取得後のe-Taxのやり方について解説!

では、利用者識別番号を取得した後の、医療費控除の申請方法を解説していきます。


確定申告書などのデータをe-Taxで送るには、利用者本人が作成していることを証明するために、電子証明書の取得が必要となります。


マイナンバーカードを持っている方はそのままマイナンバーカードを利用してください。


マイナンバーカードを持っていない方、それ以外の電子証明書を利用する方は、下記をご確認ください。


e-Taxで使用できる電子証明書とは?

電子署名法の特定認証業務の認定の上で、政府認証基盤(GPKI)のブリッジ認証局と相互認証を行っている認証局が作成した電子証明書等のうち、e-Taxで使用可能であることが確認されたものです。


次に、手続きを行うためのWebソフト・コーナーを選択します。


国税庁が用意した個人の方向けのWebソフト・コーナーは以下の通りです。 


(Web型)

ソフト・コーナー名利用可能な端末利用可能な手続き
確定申告書等作成コーナーパソコン
※スマートフォンやタブレットも使用できるが、
利用可能な手続きに制限がある。
【申告】所得税、消費税、 贈与税
【申請・届出】所得税、消費税、 贈与税
受付システムパソコンメッセージボックスの閲覧
メールアドレス登録など
e-Taxソフト(WEB版)パソコン【申請・届出】源泉所得税、 法定調書、 納税関係、 納税証明関係
e-Taxソフト(SP版)スマートフォン
タブレット
【申請・届出】源泉所得税、納税関係、納税証明関係
QRコード付証明書等
作成システム
パソコン保険会社または寄附金の受領者から交付を受けた電子的控除証明書などから、所得税の確定申告または年末調整において提出するQRコード付控除証明書等を作成

(ダウンロード型)
ソフト・コーナー名利用可能な端末利用可能な手続き
e-Taxソフトパソコン【申告】贈与税申告を除く全ての申告
【申請・届出】NISA・CRSを除く各税目の申請・届出

ご覧の通り、それぞれ作成・送信できる手続きに違いがありますので、目的に合わせてソフト・コーナーを選んでください。 

選択が済んだら早速、各ソフト・コーナーの画面案内に従い、データを作成・送信してみましょう。

順序は以下の通りです。
  1. 電子証明書の登録(マイナンバーカード方式の登録が完了している場合は不要)
  2. 申告・申請データの作成
  3. 電子署名
  4. 送信

最後に、送信結果を確認します。

e-Taxの医療費控除のやり方のメリット・デメリット

医療費控除の申請を行うにはe-Taxがオススメだとお話しましたが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。


また、考えられるデメリットについてもご紹介していきます。


このメリットとデメリットを実感したうえで、ご自身に合った方法を選んでいただけたらと思います。

e-Taxのメリットについて

e-Taxのメリットは、以下の通りです。

  • 24時間いつでも自宅から申請できる
なかなか税務署に行く時間が作れなかったり、せっかく出向いても長時間待たされたりと時間に縛られる心配がありません。

  • 医療費控除の明細書を自動作成してくれる
先ほどもご紹介した通り、医療費控除を受けるためには明細書を用意しなくてはなりません。

確定申告書等作成コーナーで確定申告書を作成すれば、この明細書を自動で作成してくれます。
  • 還付金の振り込みが早くなる
通常は還付金の振込に1ヶ月から1ヶ月半かかるところ、e-Taxで提出した場合には目安として3週間ほどで処理されます。

  • 各種計算におけるミスを防げる
e-Taxを利用すると、画面案内に沿って入力していくだけなので各種項目の計算ミスを予防することができます。

  • 添付書類の提出を省略できる
確定申告をする場合、医療費の領収書や源泉徴収票など必要な書類を添付しなくてはなりません。

しかし、e-Taxでそれらの記載内容(病院の名称や医療費の支払金額、給与や公的年金の支払金額など)を入力して送信することで、提出を省略することができます。

注意点
原則、法定申告期限から5年間は添付書類を保存しておく必要があるので、忘れないように注意してください。

e-Taxのデメリットについて

e-Taxのデメリットは、以下の通りです。

  • 事前準備がやや面倒

いつでもどこでも手続きできるうえ、とっても簡単なe-Taxの医療費控除申請ですが、やはり事前準備にやや手間がかかることがデメリットだと言えるでしょう。

医療費控除は過去5年間まで申請し忘れたものも受けられる

ここまで読んで下さった方は、「過去の分も申請しておけばよかった!」と思いますよね。


実は、納めすぎていた税金があれば、その年の翌年1月1日から過去5年間の範囲であれば申請し忘れたものも受けられるのです。 


例えば、2021年分であれば2022年に確定申告を行います。


しかし確定申告をせずに医療費控除を受けられなかったとします。


この場合、2021年の翌年2022年1月1日から2026年12月31日まで還付金の申告が可能となるのです。

医療費控除の仕組み・計算方法について紹介!

では、医療費控除の仕組みについて掘り下げて解説していきます。


また、計算方法についても紹介していきます。

医療費控除は「払い過ぎた所得税の還付金」のこと

まずは医療費控除の概要について解説していきます。


医療控除とは、「払い過ぎた所得税の還付金」のことです。


冒頭でも説明した通り、今まで支払った分の医療費がそのまま手元に戻ってくるシステムではありません。


医療費控除を受けるための要件

医療費控除を受けるための要件は、以下の通りです。
  • 納税者自身または生計を1つにする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること
  • その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費であること

医療費控除の計算方法は年収200万円を境目にことなる

医療費控除の計算方法についてわかりやすく解説していきます。


上限額

200万円


計算方法

医療費控除額=(その年の医療費の総額)-(保険金などの補てん金額)-10万円(※)


 (※)総所得金額200万円未満の人はその5%

保険金などの補てん金額とは、医療保険や健康保険などから支給されたお金のことです。

具体的には、医療保険の入院給付金や手術給付金、健康保険の高額療養費や出産育児一時金などがあてはまります。


医療費控除に含まれる医療費について紹介!

医療費控除の対象となる医療費は、以下の通りです。


  • 病院での診療費、治療費、入院費
※健康診断や人間ドッグ費、予防接種の費用は含まない

  • 医師の処方箋をもとに購入した医薬品の費用(市販薬も可)
※サプリなど健康増進や病気予防のための医薬品代は含まない

  • 通院に必要な交通費
※自家用車で通院する場合のガソリン代、駐車場代は含まない

  • 治療のためのリハビリ、マッサージ費用
※疲れを癒したり体調を整えたりするための施術や、国家資格を持たない者による施術は含まない

  • 治療に必要な医療器具の購入費用


  • 歯の治療費(保険適用外の費用を含む)

  • 子供の歯列矯正費用

  • 介護保険の対象となる介護費用

医療費によってセルフメディケーション税制の利用も検討する

実は、医療費控除には知られざる落とし穴があります。


医療費が年間10万円を超える場合は、医療費控除が申請できないということです。


予防接種などで年間の医療費がどうしても高くなり、その控除を受けたい場合には税制を検討してみましょう。


2017年1月1日から新たに開始した医療費控除の特例として「セルフメディケーション税制」があるのをご存知でしょうか?


セルフメディケーション税制とは、ドラッグストアなどで購入した市販薬(厚生労働省が指定した薬)の代金が年間12,000円(上限88,000円)を超えた場合に、その年の所得が控除される制度のことです。


ちょっとした病気であれば、わざわざ病院に行き高い医療費を支払わなくとも、市販薬で治療し税金を安くしようという制度です。


セルフメディケーション税制は、医療費控除と同様に、確定申告の際に申請します。


セルフメディケーション税制の対象となるには?

  • 厚労省が指定した薬であること
  • 健康診断や人間ドッグなどを受けていること

セルフメディケーション税制と医療控除は併用できない?

原則、セルフメディケーション税制と従来の医療費控除の併用はできません。

市販薬だけで12.000円を超えるか、病院の治療費も含めて100,000円を超えるかで、もし両方が該当する場合は、控除の額が大きいほうを選ぶようにしましょう。

一度どちらかで申請してしまうと修正はできないので注意してください。

【参考】スマホで申請する場合マイナポータルを利用する

スマートフォンで医療費控除を申請したい場合には、「マイナポータル」を利用しましょう。


マイナポータルとは、政府が運営する行政手続きのオンラインサービスです。


マイナンバー方式で、かつスマートフォンのみで申請したいという場合には最適なサービスとなっています。


事前に準備しておくべきもの

  • マイナンバーカードとパスワード
うち、利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)と、署名用電子証明書のパスワード(英数字6文字~16文字)が必要です。

  • マイナンバーカードの読取機能のあるスマートフォンまたはICカードリーダー 

事前に確認しておくこと
  • 契約している生命保険会社などがマイナポータル連携に対応しているか
国税庁HPなどで、マイナポータル連携に対応している会社名を確認しておきます。

設定すること
  1. マイナポータルのアプリ取得
  2. アカウントの開設
  3. 「もっとつながる」からe-Taxと連携 
  4. 「もっとつながる」から生命保険会社などがマイナポータル連携で使用するウェブサイト(※民間送達サービス)と連携
  5. 保険会社などのサイトから民間送達サービスのアカウントを登録

【まとめ】e-Taxのやり方は複数あるので理解しよう!

今回は、医療控除を申請する際にe-Taxがおすすめな理由と、使用手順について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


他にも、医療費控除の特例である「セルフメディケーション税制」についての概要もお伝えしてきました。


今回の記事のポイントは

  • 医療費控除を申請するには、PC・スマートフォンどちらからでも利用可能
  • 医療費控除は、過去5年間分まで申請できる
  • その年の医療費が10万円を超える場合は控除申請できない
  • 条件を考慮し、「セルフメディケーション税制」を活用しよう

コロナ禍の現在、益々インターネットの利便性が求められます。

そんな中、ネット環境と端末さえあれば気軽に申告・申請できるe-Taxの利用を始めてみませんか?

この記事を読んで、少しでも今後の医療費控除の申請に活かしていただければ幸いです。