この記事の目次
- 医療費控除の領収書が提出不要って本当?なぜ?いつから?
- 医療費控除の領収書は提出不要!その理由を解説
- 平成29年から「医療費控除の明細書」の提出が原則に
- 確定申告書と合わせて「医療費控除の明細書」を提出する
- 明細書作成に「医療費通知」を利用する場合は添付が必要
- 注意①:6つの項目を満たしている「医療費通知」のみ利用できる
- 注意②:医療費通知に全ての医療費が記載されているわけではない
- 「使用証明書」を提出して医療費控除を受ける場合もある
- 領収書の提出は不要だが5年間の保存が義務付けられている
- 明細書の作成に使用した領収書は必ず保存すること
- 医療費通知に載っていない医療費は領収書をもとに明細書を作成
- 医療費通知に載っている医療費の領収書は保存しなくてもOK
- 【参考】セルフメディケーション税制を利用するのもOK
- 医療費が12000円以上10万円以下の場合に使える制度
- セルフメディケーション税制の控除上限は88000円まで
- セルフメディケーション税制の対象は特定の医薬品のみ
- 注意:医療費控除と税制の併用はできない
- 「医療費控除の明細書」の書き方について解説!
- ①【医療費通知に関する事項】に医療費を記入
- ②医療費通知に載っていない医療費を【医療費の明細】に記入
- ③【控除額の計算】に計算した医療費控除額を記入
- 確定申告で医療費控除を受ける際の申告方法について解説!
- ①確定申告書と医療費控除の明細書を税務署に直接持参する
- ②確定申告書と医療費控除の明細書を税務署に郵送する
- ③e-Taxを利用した電子申告を行う
- 【まとめ】領収書の提出は不要だけど保存はしておいた方が良い!
医療費控除の領収書が提出不要って本当?なぜ?いつから?

こんにちは、マネーキャリア編集部です。
先日、大学時代の友人から、このような質問がありました。
確かに、この記事を読んでいる方にもこのような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
医療費控除は年間10万円以上の医療費に対して所得の控除を受けられる制度です。
高額な医療費がかかった場合にはぜひ活用したい制度です。
国税庁のホームページでは、医療費控除の際に領収書の提出が不要であると記載されています。
では、なぜ領収書が不要になったのでしょうか。 今回は、医療費控除の領収書が不要になったという点について、解説していきます。
医療費控除の領収書は提出不要!その理由を解説

医療費控除の際に領収書の提出は不要です。
そのため、領収書を提出しても医療費控除を受けることができなくなりました。
ここでは、医療費控除の際に領収書が提出不要になった理由や手続き方法について、確認していきましょう。
平成29年から「医療費控除の明細書」の提出が原則に
医療費控除の提出が不要になった理由として、平成29年からの確定申告の制度変更が挙げられます。
平成29年以前では、医療費控除の申告に、領収書やレシートを添付することとしていましたが、平成29年以降は領収書の代わりに「医療費控除の明細書」を添付することとなりました。
したがって、医療費控除の明細書を作成して税務署に提出することで、医療費控除を受けることができます。
確定申告書と合わせて「医療費控除の明細書」を提出する
医療費控除の申告方法は、確定申告の際に、確定申告書と合わせて「医療費控除の明細書」を提出するという方法になります。
「医療費控除の明細書」については、税務署や確定申告の会場、各自治体の市町村役場等に書類が用意されています。もしくは税務署ホームページのe-Taxで作成することができます。
医療費控除の明細書を手書きで記入したい場合には書類を取りに行く必要がありますので注意が必要です。
明細書作成に「医療費通知」を利用する場合は添付が必要
医療費控除の明細書作成時に「医療費通知」を利用する場合には、医療費控除の明細書と医療費通知を添付しなければいけません。
そもそも医療費通知とは、健康保険組合等の加入者(被保険者、被扶養者)が支払った医療費の明細について、組合等が加入者に通知を送る制度になります。この医療費通知を利用することで、医療費控除の明細書の「支払先の名称」などの記入を省略することができます。
もし、医療費控除の明細書の作成に「医療費通知」を利用する際には、添付書類として、「医療費通知」を税務署に提出する必要があります。
注意①:6つの項目を満たしている「医療費通知」のみ利用できる
医療費通知を利用して医療費控除を行う場合、次の6つの項目を満たしている「医療費通知」でなければ使用できません。
- 被保険者またはその被扶養者の指名
- 療養を受けた年月
- 療養を受けた者の氏名
- 療養を受けた病院、診療所、薬局などの名称
- 被保険者またはその被扶養者が支払った医療費の金額
- 保険者等の名称
注意②:医療費通知に全ての医療費が記載されているわけではない
医療費通知を利用した医療費控除の申告の際に、1点注意点があります。
医療費通知はその年のすべての医療費が記載されてはいません。例えば、組合によっては10月頃に医療費通知を発送するものもあります。その場合、医療費通知が届いた後に支払った医療費については通知されません。
もし、医療費通知に記載されていない医療費がある場合には、別途医療費控除の明細書に内訳を記載する必要がありますので注意しましょう。
「使用証明書」を提出して医療費控除を受ける場合もある
医療費控除の中には「使用証明書」の提出が必要なものもあります。
例えば、「使用証明書」な場合は次の事例が挙げられます。
- 寝たきりの人のオムツ代:おむつ使用証明書
- 温泉利用型健康増進施設の利用料金:温泉療養証明書
- 指定運動療法施設の利用料金:運動療法実施証明書
- ストマ用装具の使用費用:ストマ用装具使用証明書
領収書の提出は不要だが5年間の保存が義務付けられている

医療費控除の申告については平成29年方領収書の提出が不要になりましたが、領収書は保管しておく義務があります。
具体的には5年間の保管が義務付けられていますので注意が必要です。しかし、一部の領収書については保管が不要なものもあります。
ここでは、医療費控除の領収書について、保管が必要なものと、保管が不要なものについて解説していきます。
明細書の作成に使用した領収書は必ず保存すること
医療費控除の明細書を記入する際には、領収書を見ながら必要事項について記載することとなります。明細書の作成時に使用した領収書については必ず保存しておきましょう。
医療費控除で申告した医療費については5年間の保存義務があり、後で税務署から問い合わせが来ることもあります。その際には医療費の領収書の提示などを求められる場合も考えられます。もし、税務署から問い合わせがあった際に領収書を提示できないと、脱税等を疑われることになり追徴課税される恐れがあります。
したがって、医療費控除に利用した領収書は必ず保存しておきましょう。
医療費通知に載っていない医療費は領収書をもとに明細書を作成
また、医療費通知を利用した場合、医療費通知に載っていない医療費の領収書については支払った領収書をもとに明細書を作成する必要があります。そのため、医療費通知に載っていない医療費については領収書を保管する義務があります。
医療費通知に記載されていない医療費については一般の医療費と同様の保管方法になります。そのため忘れずに保管しておきましょう。
医療費通知に載っている医療費の領収書は保存しなくてもOK
医療費通知に載っている医療費の領収書については保存が不要です。
これは、医療費通知の中に必要事項が記載されており、税務署に医療費通知を提出しているので対象の領収書については確認の必要がないためです。ただし、前述の通り医療費通知に載っていない医療費については領収書の保存が義務付けられているため、誤って必要な領収書を捨てないように注意が必要です。
もし、不安なようであればその年の医療費の領収書については保存しておいた方が望ましいでしょう。
【参考】セルフメディケーション税制を利用するのもOK

医療費控除と似た制度に「セルフメディケーション税制」というものもあります。
場合によっては医療費控除を利用するよりも、セルフメディケーション税制を利用する方が控除を受けられる場合があります。
ここでは、セルフメディケーション税制の概要や注意点について解説していきます。
医療費が12000円以上10万円以下の場合に使える制度
そもそもセルフメディケーション税制とは、特定の医薬品の購入額が年間12,000円を超えた場合に使える税制です。
医療費が12,000円以上10万円以下の場合に、12,000円を超える金額について控除を受けることができます。例えば特定の医薬品の購入額が50,000円の場合には、38,000円の控除となります。
医療費控除の場合は1年間の医療費が10万円を超えた場合に適用されますので10万円以下の医療費の支払いの際にはセルフメディケーション税制を活用できるか確認すると良いでしょう。
セルフメディケーション税制の控除上限は88000円まで
セルフメディケーション税制は、特定の医薬品の購入金額が12,000円以上10万円以下の場合に、12,000円を超える金額について控除を受けるこことができる制度です。
したがって最大で控除を受けられる金額は88,000円となります。
したがって1年間の医薬品の購入金額が10万円以上だったとしても最大で88,000円の控除となってしまう点に注意しましょう。
セルフメディケーション税制の対象は特定の医薬品のみ
また、セルフメディケーション税制で控除を受けられる医療費は限られています。
具体的には、スイッチOTC医薬品と呼ばれる特定の医薬品を購入した場合にのみ控除を受けることができます。スイッチOTC医薬品というのは、医療用の医薬品として用いられている成分が入っている「一般用医薬品」または「要指導医薬品」のことを言います。
対象の医薬品については厚生労働省のホームページに記載されています。また、一部の商品については、セルフメディケーションの識別マークが記載されていますので確認してみましょう。
セルフメディケーション税制の対象となるのは特定の医薬品ではありますが、ドラッグストア等で売られている商品でも一部対象になるものがあります。もし年間の医薬品の購入金額が12,000円を超える場合には一度確認してみることをおすすめします。
注意:医療費控除と税制の併用はできない
セルフメディケーション税制の注意点としては、医療費控除と併用することができないということです。
例えば、セルフメディケーション税制の対象となる医薬品を5万円購入し、その他の治療費が8万円だった場合にはどちらの制度も利用することができます。しかし、実際に控除を受けられるのは1つの制度となるので注意しましょう。
医療費控除は対象医療費が10万円以上の場合に控除を受けられますが、セルフメディケーション税制は10万円までの医療費にしか適用されません。したがって年間で支払った医療費に応じて医療費控除かセルフメディケーション税制を選択しましょう。
しかし、必ずしも10万円を超えたからといって医療費控除の方が良いとは限りません。例えば、セルフメディケーションの対象となる医薬品を5万円、その他の治療費が8万円だった場合、合計の医療費は13万円となりますが、医療費控除として所得から控除される金額は3万円になります。一方で、セルフメディケーション税制の場合には、38,000円控除されます。
したがって、全体の医療費が10万円以上の場合でも、セルフメディケーション税制の対象医薬品の購入金額によっては医療費控除の方が控除額が少なくなるという点に注意しましょう。
「医療費控除の明細書」の書き方について解説!

医療費控除の申告の際には、領収書は不要ですが「医療費控除の明細書」を記載して税務署に提出する必要があります。
しかし、確定申告や医療費控除の申告をしたことがない人にとっては「医療費控除の明細書をどのように記載したら良いかがわからない」という方も多いでしょう。
医療費控除の明細書には主に3つの記載欄があります。
- 医療費通知に関する事項
- 医療費(上記1以外)の明細
- 控除額の計算
ここでは、上記の項目に基づきながら「医療費控除の明細書」の書き方について、詳しく確認していきます。
①【医療費通知に関する事項】に医療費を記入
まずは①「医療費通知に関する事項」を記入します。ここでは、医療費通知を利用した医療費控除の申告をする場合に記入が必要です。
記載内容については医療費通知に記載されている内容の通りに記入するだけです。
注意点として「医療費通知に関する事項」を記入した場合、医療費控除の明細書に医療費通知を添付して税務署へ提出する必要があります。医療費通知がない場合には「医療費の明細」の欄に記入する必要がありますので注意しましょう。
②医療費通知に載っていない医療費を【医療費の明細】に記入
次に②「医療費(上記1以外)の明細」の欄に、医療費通知に載っていない医療費を記入します。ここで記入しなければいけない事項は次の項目です。
- 医療を受けた方の氏名
- 病院、薬局などの支払い先の名称
- 医療費の区分
- 支払った医療費の額
- 4のうち生命保険や社会保険などで補填される金額
③【控除額の計算】に計算した医療費控除額を記入
最後に③「控除額の計算」という欄にこれまで計算した医療費控除額を記入します。具体的な記入項目は次の7つです。
- 支払った医療費(①と②の合計金額)
- 保険金などで補填される金額
- 1と2の差引金額
- 所得金額の合計額
- 4で求めた金額×0.05
- 5と10万円のうち、少ない方
- 3から6を引いた金額
確定申告で医療費控除を受ける際の申告方法について解説!

確定申告で医療費控除を受ける場合には医療費控除の明細書と確定申告書を作成して税務署に提出する必要があります。また、確定申告は翌年の2月16日から3月15日までに行わなければいけません。
税務署への申告方法については次の3つが挙げられます。
- 確定申告書と医療費控除の明細書を税務署に持参する
- 確定申告書と医療費控除の明細書を税務署に郵送する
- e-Taxを利用して確定申告と医療費控除の申告を行う
①確定申告書と医療費控除の明細書を税務署に直接持参する
確定申告書と医療費控除の明細書を税務署に直接持参し、提出することで申告が完了します。
実際に税務署に行くという手間はかかりますが、間違いなく提出することができます。
注意点としては税務署の窓口が開いている日時が限られているという点です。具体的には平日の8時30分から17時までが受付時間となります。また、整理券の配布が16時までとなっていますので時間に間に合うようにしましょう。
もし、直接持参したいけど、税務署の営業時間に間に合わない場合には、税務署の時間外収受箱に投函することで、申告書を提出することもできます。しかし、時間外収受箱に投函した場合、翌営業日の受付となりますので確定申告の期限には十分注意が必要です。
②確定申告書と医療費控除の明細書を税務署に郵送する
確定申告書と医療費控除の明細書を税務署に郵送することで申告が完了します。書類を作成し封筒に入れて郵便局に行けば郵送手続きができますので直接持参するよりも手間がかかりません。
郵送の場合には、当日の消印が有効です。そのため、確定申告期限日に郵便局の窓口で受付してもらえれば間に合います。
注意点として、郵送で提出した場合、もし確定申告書や医療費控除の明細書の記載内容に不備があると税務署から書類が返送されます。返送された申告書の不備を直して再度提出する必要があるので間違いには気をつけましょう。また、不備があった場合には申告書の受付が認められません。したがって期限ギリギリに郵送して税務署から返送された場合には申告期限に間に合いませんので注意しておきましょう。
③e-Taxを利用した電子申告を行う
e-Taxを医療して確定申告と医療費控除の申告をすることで、オンライン上で申告手続きが完了します。
手続き方法はe-Taxのホームページ上から医療費の明細や確定申告書を入力するだけです。e-Taxで申告する場合には郵送手続きが直接税務署に届ける必要がありませんので手間がかからないというメリットがあります。
また、e-Taxでのオンライン上の申告期限は期限日当日の24時までです。そのため、確定申告がギリギリで間に合わない場合でもe-Taxから申告することが可能です。ただし、当日の夜の時間は混み合っていることが多いため、時間に余裕を持って申告するのが望ましいでしょう。
また、e-Taxによる電子申告の場合にはマイナンバーカードの電子証明書が必要になります。マイナンバーの手続きをしていない人や電子証明書の有効期限が切れている人はe-Taxでの電子申告ができませんので注意が必要です。
【まとめ】領収書の提出は不要だけど保存はしておいた方が良い!
医療費控除の領収書が不要という点について解説しましたがいかがだったでしょうか。
この記事のポイントは
- 医療費控除では医療費の領収書の提出は不要
- 医療費の領収書は5年間保存しておく必要がある。
- 医療費通知を利用する場合、通知書を添付する必要がある
- 医療費通知に記載されている医療費の領収書は保存不要

