自営業の年収の定義とは?会社員との違いや確定申告について解説

自営業の年収の定義とは?会社員との違いや確定申告について解説

▼この記事を読んで欲しい人 

  • 自営業・会社員の人
  • 自営業の年収が気になる人
  • 将来自営業を考えている人

▼この記事を読んでわかること

  • 自営業の収入・支出の内訳
  • 自営業者と会社員が自分の年収を確認する方法
  • 自営業でできる高収入の職業

内容をまとめると

  • 自営業は確定申告書・会社員は源泉徴収票を確認
  • 自己管理ができ自分の軸をぶらさない人は自営業がおすすめ
  • 自営業は経費や税金が差し引かれ、手取りは4割程度のことも
  • 将来お金に困る生活をしたくない場合は、ライフプランを設計し、将来の資金計画を立てる必要がある
  • ライフプランの設計は、お金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談すべき 
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「自営業の年収とはどうやって定義されるの?」「自営業の年収と会社員の年収の違いってなに?」このような疑問を持っている方は多いでしょう。そこで本記事では、自営業の年収と会社員の年収の違い、自営業と会社員の年収の確認方法の違いなどについてまとめました。
監修者「谷川 昌平」

監修者谷川 昌平ファイナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!

自営業の年収とは?計算方法は?会社員とはどう違う?

こんにちは、マネーキャリア編集部です。


先日、サラリーマンの方からこんな相談がありました。

入社してからひたむきに働き続けてきたけれど、なかなか収入があがらない。自営業の場合はどうなのだろう。

確かに自営業ならば働いた分だけ、得た収入はご自分のものとなるでしょう。


しかし、自営業の場合は働き方によって大きく収入が変動します。


また、毎年の収支に関する申告は、基本的にご自分で行う必要があります。 


今回は自営業の年収や稼げる職業、支払う税金や自営業者が注意すべき等を解説していきたいと思います。 


自営業の方々の手取りや年収の高い職業・職種に興味がある方、年収をあげるためにどうするべきか悩んでいる方のお手伝いとなれれば幸いです。

自営業と会社員の年収の考え方の違いを解説


自営業は毎月の給与が決まっている会社員と異なり、基本的に収益を上げた分だけご自分の儲けとなります。年収UPがなかなか思うようにいかない会社員の方々の中には、独立して自営業者になりたい人も多いことでしょう。


こちらでは、

  • 自営業とは何か
  • 自営業の年収とは
  • 会社員の年収とは
以上を解説します。

そもそも自営業とは

自らがの事業を行い、そこから得る事業所得等の収入で生活をしている事業主のことです。独立して店舗または事務所を開設している場合、「自営業」に分類されます。


職種・業種は様々で、1人で事業を営む、家族で事業を営む、従業員の雇用もして事業を営む等、働く人数・規模に関わらず自ら事業を営んでいるなら、自営業となります。


良く皆さんが耳にするフリーランス(自由業)、個人事業主と呼ばれる方々は自営業の中に含まれる働き方の一つと言えます。

自営業の年収とは年間の合計売上金額(経費は差し引かない)のこと

自営業の場合の「年収」は、かかった経費を差し引く前の年間売上金額が該当します。一見、年収が多いように見えても、かかった経費が大きく実際の「儲け」が少ないケースも多いです。


年収から経費を差し引いた金額が「手取り」の金額です。いかに経費を抑え、手取りの金額を大きくするかが、儲けを出す焦点となります。


もちろん会社員でも、年収と手取り金額は異なります。しかし、自営業は特に年収と手取り金額の差の大きい点が特徴です。一方、自営業の場合、年収ではなく「年商」と呼ぶこともあります。

会社員の年収とは給与額とボーナスの合計(税金は差し引かない)のこと

会社員の場合の年収とは、勤め先から得た「年間給与額+ボーナス(賞与)」が該当します。この年収から「社会保険料+税金」を引いたのが手取りの金額です。自営業のように、かかった経費は年収にカウントされません。


基本的に会社員の年収と手取りは毎年の変動があまりなく、安定している点が大きな特徴です。自営業のように年収へ大きな波があることは少ないものの、なかなか年収が上がらず会社の対応に不満を持つこともあります。

自営業の収入・支出の内訳を解説!


自営業の年収には収入の他、かかった経費も含まれます。自営業の収入・支出にはどんなものがあるのか、良く把握しておく必要があります。


とりわけ支出に関しては正確にチェックし、漏れなく記録しておかないと、実際の年収よりも多くの税金がかかってしまうおそれもあります。


こちらでは

  • 収入の内訳
  • 支出の内訳

以上を解説します。

自営業の収入の内訳は年間の売上金額(すなわち年商)

自営業の場合は従事する業種に関係なく、1年間の収入の合計が売上金額となります。収入の内訳は極めてわかりやすいです。


ただし、前述しましたが「収入=全て儲け」ではありません。かかる支出をいかに抑え、ご自分の手取りの割合を多くしていくかが、自営業で稼ぐポイントとなります。


とはいえ支出を抑えるために、脱税や社会保険料を納付しない行為はペナルティの対象となります。このようなペナルティを受ければ、ご自分の事業の信頼は大きく失墜します。

自営業の支出の内訳は様々

自営業の支出は収入と異なり、かなり細かい費用まで把握しなければいけません。主な支出は次の通りです。


➀売上原価

  • 商品の仕入金額・材料費等:お店等の場合
  • 人件費:従業員を雇っている場合
  • 外注費:業務委託を行っている場合

②店舗、駐車場、事務所を関連費用

  • 地代家賃
  • 減価償却費:高額なPCのような機器等
  • 水道光熱費:水道・電気の料金
  • 通信費:電話代・FAX代等
  • 広告宣伝費:事業の広告を掲載している場合

③税金等

  • 住民税・所得税
  • 社会保険料:国民健康保険料等

自営業者と会社員が自分の年収を確認する方法を解説!


単に年収が高いからといって安心するのは早計です。正確なご自分の「手取り」年収を把握することが大切です。とりわけ自営業者は先ほど述べたように、支出等が年収の大きなウェイトを占める場合もあります。


ご自分が実際にどれ位の稼いでいるのか確認してみましょう。 なお、自営業者と会社員では確認する方法も異なります。


こちらでは、

  • 自営業の手取りチェック法
  • 会社員の手取りチェック法
以上を解説します。

自営業が額面年収と手取り年収を確認する方法【確定申告書で確認】

こちらの年収は、ご自分が毎年税務署へ提出している「確定申告書」でチェックします。額面年収と手取り年収があります。


ご自分の売上金額から支出・経費を差し引いた所得金額が額面年収です。売上金額である年商を額面年収と考えるケースはあるものの、何らかの手続き・申請等の際に申告を要求される年収では、所得金額を記入するのが一般的です。


一方この所得金額から、課せられる税金・社会保険料の差し引き金額が手取り年収となります。

会社員が額面年収と手取り年収を確認する方法【源泉徴収票で確認】

こちらの場合は、年末に勤務先から受け取る「源泉徴収票」をチェックします。額面年収は、源泉徴収票に記載されている「支払金額」の枠内の金額です。


この支払金額から、同じく記載された社会保険料等の金額や源泉徴収税額、そして住民税の金額を引けば手取り年収が判明します。


住民税の金額は「住民税決定通知書」を確かめるのがもっとも確実です。ただし、通知書を見なくても、ある月の給与明細に明記された「住民税額×12倍」の計算で目安は確認できます。

自営業の平均年収は417万円・会社員の平均年収は422万


国税庁の調査によれば、平均年収が自営業者は417万円、会社員は422万円となっています。皆さんの中には「意外に低い。」と思われる人もいることでしょう。こちらは手取り金額の場合です。


会社員の場合、支出や経費を考慮に入れない分、年収と手取りの差は大きくありません。しかし、自営業者はたとえ年収1,000万円であったとしても、前述した支出や経費、税金等が差し引かれれば、手取りは4割程度になってしまうことも多いです。


なお、平均年収については国税庁の「申告所得税標本調査結果」をご覧ください。

自営業でできる高収入の職業3選


自営業はその働き方次第で大きな収益をあげることができます。もちろん、高収入となりやすい職業も存在します。開業する前にチェックしておきたいものです。


会社の従業員から独立し高収入を目指したい方々は、その可能性が高い職業を検討してみましょう。


こちらでは

  • システムアナリストの収入
  • コンサルタントの収入
  • アセットマネージャーの収入
以上を解説します。

➀システムアナリスト

システムアナリスト平均年収は1,609万円と言われています。この職業はシステム開発の根本的な方向性を決める役割が期待されています。システムの分析・開発はもちろん、クライアントへのプレゼン能力も求められます。


高い専門性やコミュニケーション能力が必要なため、まずはIT企業へ所属しご自分のスキルを磨き、独立してフリーになるケースが一般的と言えます。


いきなり未経験者がシステムアナリストとして開業するのは、非常に困難と言えます。

②コンサルタント

コンサルタント平均年収は1,444万円と言われています。企業等からの依頼で、そのクライアントの抱える問題解決へのアドバイスをする職業です。


企業の業務・人事等のアドバイスに高度な知識・経験が求められる、責任の大きい仕事といえます。ただし、コンサルタントという国家資格があるわけではなく、特に資格を保有していなくてもなれる職業です。


まずはコンサルタント会社へ就職し、ノウハウや経験を蓄積した上で独立開業することもできます。

③アセットマネージャー

アセットマネージャー平均年収は1,100万円と言われています。投資家・不動産オーナーに代わり、不動産の形成・運用、保全を担う職業です。


不動産を総合的に管理して、その価値を最大化することが役割となります。不動産の証券化を行う場合、その運用を外部委託するケースが多く、この職業の需要は高まっています。


ただし、ご自分が個人事業主としてこのような業務を請け負うことはほとんど無く、従業員の雇用もして事業を営むことが現実的です。

自営業と会社員で手取りに差がある?【年収1000万でシミュレーション】


自営業と会社員で手取りの差について事例をあげてシミュレーションしてみましょう。





額面年収が1,000万円ならば
  • 社会保険料→約145万円
  • 所得税→約70万円
  • 住民税→約55万円

1,000万円-(145万円+70万円+55万円)=730万円

自営業よりかかるのは社会保険料で10万円多いですが、課税額は自営業より低く、結果手取りは700万円程度となります。

➀自営業の場合

額面年収が1,000万円ならば 

  • 社会保険料→約135万円 
  • 所得税→約100万円 
  • 住民税→約70万円 
  • 個人事業税→約35万円 

1,000万円-(135万円+100万円+70万円+35万円)=660万円 

 かりに支出・経費が掛からなくても課税額は多く、手取りは600万円程度となります。 

②会社員の場合

額面年収が1,000万円ならば 

  • 社会保険料→約145万円
  • 所得税→約70万円 
  • 住民税→約55万円 

1,000万円-(145万円+70万円+55万円)=730万円 

自営業よりかかるのは社会保険料で10万円多いですが、課税額は自営業より低く、結果手取りは700万円程度となります。

自営業に向いている人・会社員に向いている人の特徴


仕事のスタイルは各人で向き・不向きが必ずあります。会社員でバリバリ仕事ができているから、独立して自営業でも必ず成功できるのか?といえばそうとは言えません。


逆に自営業の人で年収が高くても、その方々が会社員として順調に出世し高収入となるとは限りません。


こちらでは

  • 自営業に向く人
  • 会社員に向く人
以上を解説します。

自営業に向いている人は【自己管理ができ自分の軸をぶらさない人】

ご自分の事業としてやりたいものがある人は、自営業に向いています。ご自分の軸をしっかり持ち、例えば次のような

  • 過去にある出来事で苦労した経験を活かし、人の役に立ちたい
  • 自分が熱中したい、面白いと思う事業を行いたい
という思いを持つ人が最適です。

ただし、自営業になれば軌道修正をしてくれる人がまわりにいないケースは多いです。そのため、ご自分の行っている事業そして生じた課題等を、客観的に考えられる人であることも必要です。

会社員に向いている人は【安定が欲しい人】

安定を望む人が向いています。自営業とは異なり、会社員の場合は毎月の給与等の決まっている場合がほとんどです。自営業者と同じく、ご自分の好きなだけ働き収入を上げることは非常に難しいです。しかし、毎月の給与の他に次のような

  • ボーナス(賞与)
  • 失業保険
  • 産休・育休等の各種手当
  • 退職金
が受け取れます。

好きなだけ収入UPができない分、会社員の生活や老後を支える制度が整っています。自分の好む仕事だけを行えるわけではないですが、安全・安心を望む方々に最適です。

自営業が年収をあげるための方法3選


自営業として開業すれば、いきなり望むような年収が得られるわけではありません。年収をあげるためには、どんな職種を選ぶかはもちろん、ご自分が修得するべきスキルもあります。開業前に十分な準備が必要となるでしょう。


こちらでは、

  • 稼げる職種をチョイス
  • 身に付けるべきスキルとは
  • フランチャイズビジネス

以上を解説します。

➀稼げる職種を選ぶ

前述したシステムアナリスト・コンサルタント・アセットマネージャーのような職種が、年収1,000万円以上と稼げる職種となります。


これらは国家資格のように、試験・研修等を経なければなれない職業というわけではありません。しかし、十分な知識・経験を得た後でなければ、独立しても大きな収入を得るのは難しいです。


早く独立して高収入を目指したくても、まずはこの職種に携わることができる会社へ就職し、技能を磨くことが大切です。

②営業や交渉のスキルを身につける

自営業が年収をあげるためには、営業や交渉のスキルも大切です。しかし、開業してからこれらのスキルを身につけるのでは、なかなか思うような収入は得られないことでしょう。


ご自分が会社員から自営業者として独立を希望する場合、先ほど述べたように稼げる職種に携わることができる会社へ就職することの他、従業員として働く過程で営業・交渉の経験をもつことも必要です。


更に営業・交渉のノウハウを修得するだけではなく、取引先と人脈をつくり、独立後にクライアントになってもらうようアプローチをすることも良い方法です。

③フランチャイズビジネスを視野に入れる

もし未経験であってもご自分が独立したいのならば、「フランチャイズ」に加盟する方法を検討しましょう。フランチャイズに加盟すれば、本部の商号・商標はもちろん、商品やサービス・ノウハウを利用し、事業経営することができます。


このフランチャイズとして有名なのは、コンビニチェーン店・飲食店グループの店舗運営等です。ただし、小売りや飲食店のみならず、塾経営、フィットネスクラブ等いろいろな業種業態のフランチャイズビジネスがあります。


これらフランチャイズ事業は既に高い知名度を誇り、加盟すればご自分の事業所・店舗の信頼性が増すことも期待できます。

自営業(個人事業主)が支払うべき税金一覧


自営業では商品等の支出・経費はもちろん、税金も当然かかることになります。しっかりと納税する義務が課せられます。


ご自分が自営業といっても、個人経営か法人経営かでかかる税金は異なります。まず個人事業主が課税される税金をみていきましょう。


  • こちらでは
  • 所得税とは
  • 住民税とは
  • 事業税とは
  • 事業税とは
  • その他

以上を解説します。

➀所得税

ご自分の年の所得に応じて課税される税金のことです。個人事業主の場合、所得税の計算をご自分で行う必要があります。


この所得税は、1月1日〜12月31日の1年間に得た個人所得へ税率をかけ、納税することになります。各個人事業主は毎年指定された時期に税務署へ確定申告を行い、所得税を支払います。


確定申告期間は基本的に2月中旬~3月中旬までですが、日本国内の現状によって申告期限を延長してくれる場合もあります。


なお、確定申告およびその期間については国税庁の「確定申告情報」をご覧ください。

②住民税

市区町村や都道府県から課される税金です。前年の所得に対して課されます。税額は市区町村が算定するため、ご自分で計算する必要はありません。


しかし、前年の経営がいかに好調でも、それに油断しお金を消費するばかりだと、翌年の住民税が納税できなくなるおそれもあります。堅実な貯蓄は必要です。


なお、確定申告をすれば市区町村に申告する必要はありません。確定申告後に市区町村から通知書が送付されるので、その通知所に従い納税します。

③事業税

都道府県から課される税金です。こちらは、所得の金額が290万円以下なら事業税を支払う必要はありません。


ご自分の事業所が所在する都道府県でその申告・納税が必要です。ただし、確定申告をすれば申告する必要はありません。事業税の計算式は次の通りです。

(売上-経費-専従者給与-各種控除)×税率

もちろん、事業控除金額の290万円を超えなければ、上記の計算は不要です。忘れずに控除分を差し引いて超過額を確認しましょう。

④消費税

前々事業年度の消費税対象になる売上高1,000万円を超えた場合かかる税金です。つまり、いきなり開業した自営業者が課せられる税金ではありません。


この消費税の計算方法には2通りあり、次のいずれかで計算します。


➀原則課税方式

(課税売上高×10%)-(課税仕入高×10%)


②簡易課税方式

(課税売上高×10%)-(課税仕入高×10%×みなし仕入率)

なお、原則課税方式も簡易課税方式も、軽減税率の対象なら10%→8%に変更されます。


⑤その他の税金

個人事業主が一律に課されるわけではないものの、自動車・家屋を購入すると「固定資産税」がかかります。また、地方自治体によっては、「国民健康保険税」として保険料を払い込まなければいけない場合もあります。


また、地方自治体・税務署から送付される通知書は放置や廃棄をせず、しっかり保管しておくことが大切です。


ご自分が先ほど説明した税金以外に、どんな税金を課せられる可能性があるか心配な人は、税務署の職員または税理士等へ相談した方が良いでしょう。

自営業(法人)が支払うべき税金一覧


法人が支払う税金も多種多様です。従業員等の人手が足りなければ、経営者であるご自分が経理処理して、税額を算定しても構いません。


ただし、1人だけでも経理担当を決めて事業所の収支や課税額を記録させた方が、申告準備は円滑に進むことでしょう。


こちらでは

  • 法人税とは
  • 法人住民税とは
  • 法人事業税とは
  • 地方法人税とは
  • その他
以上を解説します。

➀法人税

国税として法人所得に対して課される税金です。個人事業主で言えば所得税に当たります。資本金1億円以下の中小規模の法人の場合、次の2段階の税率となっています。

  • 年間所得金額が800万円以下の部分:15%or19%
  • それを超える部分:23.2%(開始事業年度:平成30年4月1日以降)

の税率が課せられます。また、普通法人かそれとも公益法人等か、特定の医療法人かでも税率は違ってきます。


なお、法人税については国税庁の「法人税の税率」をご覧ください。

②法人住民税

市区町村税・道府県民税等の種類があり、個人事業主で言えば住民税に当たります。法人住民税は課税される部分が分かれています。

  • 資本金・従業員の数に対して課税→均等割
  • 法人税額に対して課税→法人税割
の部分があり、基本的にはこれら2つの合計を納税します。

こちらは地方自治体サービスを、滞りなく実施する目的で課される税金です。特徴としては、あまり収益が無くとも、資本金・従業員の数が多ければ、それだけ均等割の部分の負担は重くなる点があります。

③法人事業税

課税所得に対して課せられる道府県民税です。個人事業主で言えば事業税に当たります。中小法人の標準税率は、各法人の所得に応じて違ってきます。


その税率も各自治体によって様々です。東京都の場合は次の通りです。

  • 年間400万円以下の部分:3.4%
  • 年間400〜800万円以下の部分:5.1%
  • それを超える部分:6.7%
税率は各地方自治体の税務署へお尋ねください。

なお、法人事業税の詳細は東京都主税局の「法人事業税・法人都民税」をご覧ください。

④地方法人税

2014年に新たに設けられた税金です。会社の事業所得に対して課せられます。この税金により地方自治体へ支払っていた税金の一部を、国へ支払うことになります。税率は法人税に10.3%を掛けることで算定します(開始課税事業年度:令和元年10月1日以後)。


なお、令和元年10月1日前に開始した課税事業年度の税率は4.4%です。新しい税制改正ですので、やや混乱してしまうかもしれません。間違って算定しないよう注意しましょう。


地方法人税の詳細は国税庁の「地方法人税の税率の改正のお知らせ」をご覧ください。

⑤その他の税金

他に前述した消費税、建物等を保有した場合の固定資産税、自動車を保有した場合の自動車税等、個人事業主以上に法人へ課せられる税金は多種多様です。


法人開設を希望する皆さんは、今後どのような税金を課されるのかよくチェックする必要があります。うっかり申告し忘れていれば、ペナルティを受けるおそれもあります。


資金に余裕があるなら、税理士と継続的な契約を結び、適宜アドバイスを受けたり、税金対策等を話し合ったりしてみましょう。

自営業(個人事業主)が年収をあげるために今すぐやるべき節税方法5選


自営業の個人事業主は会社員と異なり、支出・経費も年収に算定します。この支出・経費はもちろん税金を抑えることも、手取りを増やすために必要です。


とはいえ税金の未納は、税務署からペナルティを受けるおそれや、何よりもご自分の事業所の信頼の失墜を意味します。適正な節税対策が望まれます。


こちらでは節税に役立つ

  • 青色申告
  • 所得の分散
  • 事業経費の計上
  • 小規模企業共済
  • 経営セーフティ共済

以上を解説します。

➀青色申告を行う

青色申告(確定申告)は節税効果の高い申告手続きで、最大65万円までの特別控除が受けられます。窓口提出の他、郵送・オンライン提出も可能です。


それに加え、社会保険料(国民年金保険料・国民健康保険料)の他、ご自分が加入している生命保険(死亡保険・医療保険等)の納付金額を記入して提出すれば、税制上の優遇措置が受けられます。


また、ご自分や家族の医療費控除も節税対策として活用できるので、必ず毎年指定された期間に税務署へ申告しましょう。

②家族に給与を支払う形式にして所得を分散させる

前述した青色申告(確定申告)は更に、家族従業員への給与を経費に計上できる等、税金面で多くの利点があります。


では、どれ位の給与を支払うべきか、なかなか迷う人も多いかと思います。この場合、月額80,000円(年額96万円)が妥当と言えます。


なぜなら、月額給与が88,000円以下なら源泉徴収が不要となり、年額100万円以下に収まれば所得税・住民税も課せられないからです。このように給与も工夫すれば節税対策へ大いに役立つのです。

③水道光熱費・家賃・減価償却費等を事業経費として計上する

基本的なことですが、ご自分の事業を行う際にかかる水道光熱費・家賃・減価償却費等の計上も、忘れずに行いましょう。


こちらの経費をしっかり計上していないと、正確な収入が算定されません。また、事業の収益からこれらの費用は差し引けるので、節税効果も高まります。


また、交通費や新聞・文房具等の雑費等も漏らさず計上し、節税に努めることが大切です。細かな費用の正確な把握が、余計な税金の負担を回避することにつながります。

④小規模企業共済を利用する

中小企業の経営者・個人事業主のために設けられた退職金制度です。コツコツ積立を行い老後の資金確保を目指します。


小規模企業共済は将来に備えるだけでなく、確定申告時、掛金全額を課税対象所得から控除できます。毎月の掛金は1,000円~7万円まで500円単位で設定可能です。


加入後も掛金設定はご自分の都合で調整することができるので、経営状況を考慮しながら対応できます。


こちらの共済については、中小機構「小規模企業共済」をご覧ください。

⑤経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)を利用する

中小企業が取引先の倒産等の事態で、経営難に陥ることを防ぐ目的で設けられた制度です。万一の倒産を避けるため加入するべき共済ですが、掛金は損金または必要経費に算入できます。つまり、経営セーフティ共済は節税効果も期待できる共済制度です。


共済契約を解約した場合、「解約手当金」も受け取ることができます。掛金を12か月以上納めると掛金総額の80%以上、40か月以上納めれば掛金全額が戻ります。


こちらの共済については、中小機構「経営セーフティ共済」をご覧ください。

自営業(法人)が年収を上げるために今すぐやるべき節税方法3選


法人の場合も多くの支出・経費そして税金がかかってしまいます。納税はしっかり行うべきですが、こまめに節税を行い、税負担の軽減に努めることも必要です。


そのため、償却や控除制度、事業所の備品の購入等をうまく活用して、節税効果を大きくしていきましょう。


こちらでは

  • 特別償却・特別控除とは
  • 給与と賞与
  • 備品購入の活用

以上を解説します。

➀特別償却と特別控除

法人の場合は次の税制上の優遇措置が選べます。

  • 特別償却:特定の機械等の購入・使用する際、通常の減価償却費に加え取得価格に一定の割合を乗じ、計算される金額を上乗せ償却する制度。
  • 特別控除:課される法人税額から、一定額を控除できる特例。
基本的にどちらか一方のみ選択が可能です。実際に税金を計算してみて、節税効果の高い方を選んでみましょう。

特別償却と特別控除については、国税庁「特別償却・特別税額控除」をご覧ください。

②役員給与と役員賞与

役員への給与・賞与を一定のルールに沿って経費(損金)に計上できます。こちらは法人税の対策に有効な手段の1つです。役員給与の場合、原則として毎月一定の金額を支給すれば経費(損金)として認められます。


ただし、期中に利益が増加したことを良い機会として、自由に給与を増額できません。


一方、役員賞与は事前にいつ・どれだけの金額を支給するのか、税務署へ届け出なければ経費(損金)として認められません。


節税対策のため支給金額をいきなり増加させても、双方とも経費(損金)には該当しません。

③備品の購入

備品等の購入で経費として計上、節税対策を行うことができます。しかし、無条件に経費として計上できるわけではなく制約もあります。


そのため、

  • 一括償却資産20万円未満の固定資産で、個別に固定資産を管理せず一括で3年かけ償却する方法。
  • 少額減価償却資産の特例中小企業等が30万円未満の資産を使い始めた年度、その全額を損金にできる方法。
をうまく利用しましょう。

これらの特例については、国税庁「少額の減価償却資産及び一括償却資産(令第138条及び第139条関係)」をご覧ください。

自営業が注意すべきお金のこと


自営業者はご自分のペースで仕事を行うことがある程度でき、好きな職種で夢中になって仕事ができる点は魅力です。


しかし、ご自分が管理運営していくことになるので、いっそうお金に関しては慎重かつ冷静な対応が求められます。


こちらでは、

  • 会計の知識は身につけた方が良い
  • 年収が上がれば税金も高くなる
  • 年金や退職金
  • ローン審査で不利になることも
  • 消費税課税事業者
  • 法人化の検討
以上を解説します。

➀会計の知識を身につけないと確定申告の際に手こずる

自営業者は必ず確定申告を行うようにしましょう。そのため、ある程度の会計の知識は得ることが大切です。個人事業主の場合、簿記3級程度の知識は持っておきたいものです。


なぜなら、会社員から自営業者になって日の浅い方々は、年末調整と異なる複雑な確定申告に頭を抱える場合もあるからです。


ただし会計の知識が無くても、市販の「会計ソフト」で確定申告書を作成することはできます。パソコン画面の指示に従い作成すれば、さほど手間取らずに完成することができます。

②年収が上がると税金も高くなる

当然ですが、年収が上がれば税金も高くなっていきます。やむを得ないことではありますが、「儲かっているのだから、しょうがない。」とあきらめるのは早計です。


ご自分の気づいていない節税方法がないか、今一度検討してみましょう。例えば、前述した医療費控除ですが、ご自分の医療費ばかりが対象となる、と誤解している方々も多いです。


この医療費控除はご家族の医療費も合算でき、より大きな税制上の優遇措置が得られます。医療機関を利用したら、ご家族へ領収書をご自分に渡すよう事前に話しておきましょう。

③年金や退職金は自分で用意する必要がある

自営業者には退職金は無く、年金は基本的に老齢基礎年金となります。預金と公的年金だけでは、生活費に困るケースが出てくるかもしれません。将来への備えは会社員以上によく考えておく必要があります。


そのため、退職金のため前述した小規模企業共済に加入したり、国民年金基金個人年金保険を検討したりして、老後の資金確保を万全に整えておきましょう。


なお、国民年金基金の詳細については全国民年金基金「国民年金基金とは」をご覧ください。

④自営業は会社員と比べてローン審査で不利になりやすい

自営業者は安定収入が見込める会社員と比べ、ローン審査で不利に扱われる傾向があります。やはり、毎月の安定した給与があれば、ローンをしっかり返済してくれると金融機関も考えるのです。


しかし、住宅ローン等を希望する場合は金融機関の担当者とよく話し合い、自営業者でもローンが組める条件等を確認しておきましょう。


金融機関側が納得すれば、自営業者でも十分にローンを組むことは可能です。十分な収入が得られるようになったら、トライしてみましょう。

⑤年収1,000万を超えた個人事業主はよく翌年の消費税に注意

開業当初に売上高1,000万円を上回れば大喜びと言ったところですが、その3年目以降に「消費税」を納税する必要が出てきます。個人事業主だと、指摘してくれる人がいないおそれもあるので注意しましょう。


いきなり開業年度に「消費税課税事業者」となるわけでは無いですが、3年目に消費税分を支払う必要があります。


すっかりその支払い義務を忘れていれば、税務署から指摘されるおそれもあります。正確に売上高を把握しておきましょう。

⑥法人化するタイミングを見逃さないように注意する

個人事業主で利益額が大きくなった場合、「法人化すると節税対策が行い易くなります。個人事業主の所得税の支払いは「累進課税率」が適用されます。しかし、法人化すれば基本的に「比例税率」となり節税に有利です。


また、前述したように過去2年間の売上で消費税課税事業者とみなされることもありますが、法人を設立した場合は過去2年間の売上のカウントが一度リセットされます。つまり、設立後の2年間は消費税支払を免除されるのです。

自営業が年収の申告を求められるケース


自営業者となった場合、いろいろなケースで年収の申告を求められます。自営業者の所得金額はそれほど相手方にとって大きな関心事と言えます。円滑な手続きのため申告は必要です。


ご自分が年収の申告を渋っていたら、全く手続きが進まなくなるので注意しましょう。


こちらでは、

  • クレジットカードの審査
  • 住宅ローンの審査
以上を解説します。

➀クレジットカードの申し込み

クレジットカードを申し込む際、キャッシング枠を希望するならば、収入を証明する書類が必要となります。主に次の書類を準備することとなります。

  • 確定申告書
  • 納税通知書
  • 事業内容を確認する書類(クレジットカード会社による)
クレジットカード会社の審査基準とする所得金額に満たない場合、その申し込みが拒否される場合もあります。

ただし、ショッピング枠のみを利用したいなら、所得金額に関する申告の必要は無い場合が多いです。

②住宅ローン審査

こちらの審査では、主に借入希望者の収入をチェックし融資額が決定されます。提出しなければいけない書類は主に次の通りです。

  • 収支内訳書
  • 確定申告書類(直近2~3年分)
  • 納税証明書
なお、青色申告(確定申告)の特別控除は、実際の事業を行う際にかかっていない経費です。このような控除は経費とみなさない金融機関もあります。

住宅ローンを検討している場合、ローン申し込み前に複数の金融機関へ、経費の算定に関して相談してみた方が良いでしょう。

裏ワザ:会社員は副業で自営業をすることで税金を安くできる


ご自分が会社員の場合、自営業として副業を行うことができる場合もあります。自営業で得た収入の場合、給与ではなく事業所得となります。


この事業所得は売上から経費を引くことが可能です。もしも赤字となった場合は、赤字分の数字を給与所得から引くこともできます。


つまり、年末調整で確定した給与の税金から、自営業の赤字分を差し引き、確定申告による還付を受けることができるのです。


もちろん自営業で大きな収益となれば、その分税金は高くなってしまいます。

自営業の年収にまつわるQ&A


ここまで自営業の年収について解説してきましたが、皆さんの中には疑問がわいている部分もあることでしょう。


こちらでは次の良くある質問

  • フリーランスと個人事業主の違い
  • 個人事業主の所得隠し
  • 税理士のサポート
  • 配偶者の扶養の有無
について解説します。

➀フリーランスと個人事業主は何が違うの?

この違いは「開業届」を役所に出しているか否かとなります。フリーランスは、企業に雇用されないワークスタイルで、開業届の有無は関係ありません。


しかし、個人事業主開業届を出した方々が対象です。開業届を出せば

  • 屋号名で銀行口座がつくれる
  • 青色申告ができて、税金控除が適用される
等のメリットがあります。その他、前述したように家族従業員への給与も経費として計上できます。節税効果はフリーランスよりも大きくなります。

②個人事業主は所得をごまかせる?

所得をごまかすことは不可能です。税務署職員の優れた調査能力で脱税はいずれ発覚してしまいます。


脱税が発覚した場合、税務署からのペナルティは次の通りです。

  • 通常税額へ35~40%分の上乗せ課税
  • 過去7年分調査され追徴
  • 逮捕・起訴されることも
税金を余計に支払う事態となるだけでなく、ご自分の事業所の信用は大きく損なわれます。誠実かつ正確な申告が何より求められます。

脱税で大きな代償を払うより、節税に努めましょう。

③個人事業主が節税するなら税理士に任せるべき?

節税は当然ご自分でも行えますが、税のプロである税理士に依頼すれば、より確実な節税が可能になるはずです。


税理士は

  • 帳簿作成
  • 確定申告書の作成
を税務署への申告漏れもなく、正確に行うことが期待できます。ご自分が仕事に忙しいとき税理士の助力を借りれば安心です。

ただし、税理士への依頼はさすがに無料となりません。費用は必ずかかって来るので、ご自分の事業所に過剰な負担とならないか検討した上で、税理士に対応してもらいましょう。

④個人事業主になっても配偶者の扶養に入れるの?

仮にご自分が個人事業主でも、配偶者の扶養には入れます。ただし、ご自分の年収が大きく関係してきます。


税制上の扶養へ入るためには、青色申告で65万円の特別控除を受けられるなら、経費が全くない場合も年収103万円まで稼げます。


一方、社会保険上の扶養入るためには、事業所得・給与収入・雑所得等の総額が基本的に130万円未満の場合が対象となります。


ただし、配偶者の健康保険組合によっては、若干その判断基準が異なるケースもあります。

まとめ:自営業の年収とは年間の合計売上金額のこと!

この記事では自営業の年収やその計算方法、会社員との違いを紹介してきました。


自営業ならばご自分の夢中になれる仕事へ没頭できるメリットがあります。しかし、ボーナスや退職金も無く、お金に関してややシビアな対応をする必要もあります。


この記事では次の内容を紹介しました。

  • 自営業の年収には収入の他、かかった経費も含まれる
  • 自営業でできる高収入の職業には専門能力が必要
  • 自営業者が支払うべき税金は多い
  • 自営業者はより節税を徹底する
とりわけ税金に関して、わからない点は多いはずです。そんな時は税務署の職員や、税理士に相談してみましょう。

自営業の年収は会社員と違い、手取り金額は限定されます。手取り金額の割合を大きくする工夫を、ご自分なりにいろいろと検討してみましょう。

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