学資保険は生命保険料控除の対象!保険料控除申告書の書き方まで解説

学資保険は生命保険料控除の対象!保険料控除申告書の書き方まで解説
「学資保険は生命保険料控除の対象なの?」「保険料控除申請書の書き方や必要書類は?」このような悩みを持っている方は多いでしょう。そこで本記事では、学資保険の生命保険料控除の控除額、保険料控除申請書の書き方や、年末調整、確定申告時の必要書類についてまとめました。
監修者「谷川 昌平」

監修者谷川 昌平ファイナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!

学資保険は生命保険料控除の対象!控除金額はいくらになる?

こんにちは、マネーキャリア編集部です。 


先日、学資保険に加入を検討されている方からこんな相談がありました。

学資保険へ加入しても、他の保険商品と同じく税制上の優遇措置が受けられるのだろうか。生命保険料控除の対象になるのなら、その控除金額を詳しく知りたい。

とのことです。


学資保険はお子さんの教育資金の確保のため、保険料を積み立てる保険商品です。こちらも基本的に死亡保険や医療保険と同様、税制上の優遇措置が受けられます。


しかし、ケースによっては控除が受けられないこともあり、控除の特徴や条件を良く把握した上で、制度を利用したいものです。


今回は学資保険の生命保険料控除の金額、手続きの方法や注意点について解説していきたいと思います。


学資保険でどう生命保険料控除を利用すれば良いのか、悩んでいる方のお手伝いとなれれば幸いです。

学資保険の生命保険料控除の額について解説!


確定申告または年末調整で申告すれば、一定の金額が戻ってきます。つまり、1年間払い込んだ保険料は節税に利用できるわけです。


保険料が無駄にならずお得な仕組みといえます。学資保険の契約者はなるべく活用したいことでしょう。


こちらでは、

  • 生命保険料控除という制度
  • 所得税控除の金額
  • 住民税控除の金額
  • 保険料控除の限度額
  • 返還金額をシミュレーション
以上を解説します。

そもそも生命保険料控除とは

1年間払い込んだ保険料が、一定の金額返還される制度です。ただし、自動的に税務署が税制上の優遇措置を講じてくれるわけでは無く、確定申告または年末調整の際に申告しなければいけません。


3種類の控除枠があります(新契約)。

  • (一般)生命保険料控除
  • 介護医療保険料控除
  • 個人年金保険料控除
学資保険は(一般)生命保険料控除に該当します。なお、学資保険の他、同枠に死亡保険・養老保険等があります。学資保険に加えこれらの保険へ加入していれば、その分多額の控除が受けられるわけではありません。

枠が同じ場合、上限額が決まっているので、払い込んだ保険料がどれほどかかっても、その限度額一杯しか受け取れません。つまり、保険料は全額控除の対象となりません。

所得税の控除額

ご自分が保険契約を締結した時期によっては、控除額が異なるケースもあります。いつ契約したかわからない場合、当時の保険契約書または保険証券に加入日が明記されています。


新契約の場合

2012年1月1日以後に保険契約を締結したならば、こちらに該当します。

年間払込保険料控除金額
~20,000円全額控除
20,001円~40,000円以下年間払込保険料×1/2+10,000円
40,001円~80,000円以下年間払込保険料×1/4+20,000円
80,001円~一律40,000円控除

前述したように3種類の控除枠が選べ、複数加入した保険商品がある場合、枠が重なってしまうことを避けやすくなっています。


旧契約の場合

2011年12月31日以前に保険契約を締結したならば、こちらに該当します。

年間払込保険料控除金額
~25,000円全額控除
25,001円~50,000円以下年間払込保険料×1/2+12,500円
50,001円~100,000円以下年間払込保険料×1/4+25,000円
100,001円~一律50,000円控除

一見、控除金額が新契約よりも大きくなっています。ただし2種類のみの枠しかありません。医療保険やがん保険、介護保険等は(一般)生命保険料控除にカウントされます。


そのため、学資保険や死亡保険と枠が重なってしまうケースも多くありました。

住民税の控除額

住民税控除の場合も、ご自分が保険契約を締結した時期によっては、控除額の異なるケースがあります。なお、所得税を申告(確定申告・年末調整)した場合には、わざわざ住民税の申告をする必要がありません。


新契約の場合

年間払込保険料控除金額
~12,000円全額控除
12,001円~32,000円以下年間払込保険料×1/2+6,000円
32,001円~56,000円以下年間払込保険料×1/4+14,000円
56,001円~一律28,000円控除

所得税の控除枠のように複数加入した保険商品があっても、枠が重なることを避けやすい仕組みになっています。その分、保険料がお得に返還されることとなります。


旧契約の場合

年間払込保険料控除金額
~15,000円全額控除
15,001円~40,000円以下年間払込保険料×1/2+7,500円
40,001円~70,000円以下年間払込保険料×1/4+17,500円
70,001円~一律35,000円控除

こちらも新契約の場合より、控除額が大きくなっています。しかし、控除枠が少なく複数の保険商品を契約している場合、同じ枠にカウントされるケースが多いです。


医療保険やがん保険、介護保険等は(一般)生命保険料控除枠なので、保障内容が充実した医療保険・がん保険を見つけたら、新しく契約した方が新契約の介護医療保険料控除枠にカウントされ、節税の上からも有利になります。

保険料控除の限度額を表で解説!

保険料控除の限度額はそれぞれ異なります。下表を参考にしてください。

限度額新契約旧契約
保険1種類[所得税]40,000円
[住民税]28,000円
[所得税]50,000円
[住民税]35,000円
保険2種類[所得税]80,000円
[住民税]56,000円
[所得税]100,000円
[住民税]70,000円
保険3種類[所得税]120,000円
[住民税]70,000円
-

このように限度額はあるものの、控除枠の違う複数の保険商品へ加入した方が、より節税効果は高まります。


生命保険商品はご自分や家族のニーズに合わせて加入を決めるべきですが、控除に関する知識もあれば、保険のサポートはもちろん節税にも大きな助けとなります。


余裕があれば、どの保険商品がどの控除枠に該当するかも考慮して、保険加入を検討してみましょう。

保険料控除で戻ってくる金額をシミュレーション

たとえ保険料総額が多くても場合によって、控除される金額は低くなるケースがあります。つまり、加入内容によっては、契約者の思惑通りの控除額といかないこともあり得ます。


まずは、ご自分でどの位のお金が返還されるのか良く確認してみましょう。


ケース①旧契約の生命保険料4万・新契約保険料10万の場合の控除額


(例)年間保険料

  • 旧:学資保険40,000円
  • 新:死亡保険40,000円・医療保険60,000円
①死亡保険は

40,000円×1/2+10,000円=30,000円

②学資保険は旧契約なので

40,000円×1/2+12,500円=32,500円

③共に(一般)生命保険料控除枠なので、

32,500円+30,000円=62,500円→40,000円

限度額一杯の40,000円となります。そして、こちらのケースでは②より③の金額が高いので、③の金額が適用されます。

医療保険6万円は新契約なので

60,000円×1/4+17,500円=35,000円

合計すれば

40,000円+35,000円=75,000円

控除額75,000円となります。年間の保険料総額は140,000円ですが、その半分以上は戻ってくるとみて良いでしょう。契約者としては半分以上も戻って来るなら、「一方的に払い込むだけで損をしている。」というような感覚にならないはずです。

ケース②新契約の生命保険料10万円・旧契約の生命保険料を15万円の場合の控除額


(例)年間保険料
  • 新:学資保険90,000円・死亡保険10,000円
  • 旧:医療保険130,000円・がん保険20,000円
控除額は学資保険40,000円、死亡保険10,000円、医療保険50,000円、がん保険20,000円です。

しかし、全て同枠となるので50,000円にとどまります。年間の保険料総額は250,000円ですが、返還されるお金はわずか1/5です。契約者側としては納得できない金額と言えるでしょう。

なぜなら、加入している保険商品が同枠に該当したからです。節税に努めたいならば、複数の保険商品に加入している場合、なるべく枠が異なるよう工夫することも大切です。

生命保険料控除を受けるための手続きを解説


控除を受けるためには、まずご自分で申告の準備を行う必要が出てきます。

項目会社員等自営業
申告方法年末調整確定申告
書類名保険料控除申告書確定申告書
提出先 事業所税務署
提出時期11月~2月中旬~3月中旬

とはいえ、何らかの理由で申告の準備ができなかった、手続きを忘れた、というケースも考えられます。


こちらでは、

  • 会社員の場合の準備
  • 確定申告でも申請可
  • 還付申告について
以上を解説します。

【会社員の場合】まずは生命保険料控除申告書の準備をする

申告のためには「保険料控除申告書」が必要です。こちらはご自分の事業所で取得します。そして、保険会社から送付される「保険料控除証明書」も準備します。


紛失しても保険会社に再発行してもらえる

保険料控除証明書は、ご自分が1年間で払い込んだ保険料の合計金額等について、詳細に記載された書類です。この書類は年末調整で添付が必要です。


この証明書が年末調整の時期になっても届かなかったり、紛失したりした場合、保険会社へ速やかに再発行の手続きを行いましょう。


再発行はカスタマーセンターへの電話連絡、代理店への来店、インターネットで請求が可能です。送付まで1週間程度かかる場合があります。


年末に保険の契約をした場合は年末調整に間に合わない事も

年末に学資保険へ加入した場合、証明書が年末調整へ間に合わない事態も想定されます。ほとんどの生命保険会社では、10月から11月にかけて送付されるので、やむを得ないケースと言えます。


このような場合、年末調整での申告では無く確定申告で対応することになります。

年末調整に間に合わなかった場合には確定申告で申請する

保険料控除証明書が準備できず、年末調整で申告できなかった場合は、確定申告で手続きを行います。確定申告は主に自営業者・自由業者が毎年の収支の申告のため、税務署へ提出する手続きです。原則として毎年の2月中旬~3月中旬に実施されます。


提出書類は次の通りです。

  • 確定申告書:税務署等で取得
  • 保険料控除証明書
  • 印鑑・通帳
  • 源泉徴収票(給与所得者の場合)
確定申告の詳細な内容は国税庁「所得税の確定申告」をご覧ください。

確定申告でも申請を忘れたら還付申告をしよう

この場合には税務署へ「還付申告」します。確定申告は申告期間が限られています。仕事の都合等でなかなか申告できず期間が経過する場合もあるでしょう。


還付申告書等は、生命保険料控除を受ける年の翌年の1月1日~5年以内に提出します。ただし、5年というかなり長い猶予期間のため、油断して申告を忘れないよう注意しましょう。


還付申告の詳細な内容は国税庁「確定申告・還付申告」をご覧ください。

学資保険年末調整のための保険料控除申請書のポイント4点を解説!


保険料控除の申請が初めてなら、どんな内容を記入すべきか迷われるかもしれません。


正確に記入するのは当然ですが、ポイントを押さえていたら申請書が通らない、などということはありません。


こちらでは

  • 保険会社の名称
  • 保険に関係する人の記入
  • 保険料合計額
  • 特約がある場合
以上を解説します。

①保険会社の名称は略称でも大丈夫

保険会社の名称は「〇〇生命」と略称で構いません。生命保険会社には「〇〇生命株式会社」「〇〇生命相互会社」と正式名称があります。


しかし、略称で記入しても「保険会社不明」などと、申請が通らないことはありません。そもそも、払込保険料の事実を確認するため保険料控除証明書も添付するので、こちらで確認ができます。

②保険等の契約者の氏名・保険金等の受取人の欄に親族の名前を書いても大丈夫

契約者本人の氏名を必ず記入します。満期になったら受け取るお金(学資保険の場合は学資金)の受取人も記入します。受取人にはご自分以外の人を決めていたかもしれません。


学資保険の場合も、契約者・受取人が同一である必要はありません。受取人は配偶者の方でも、お子さんでも構いません。大切な学資金の任せられる方を選びましょう。


もしも保険契約の際、誰を受取人にしたかわからなくなった場合、保管してある保険証券・契約内容通知書等でチェックしましょう。

③あなたが本年中に支払った保険料等の金額にはその1年で払った保険料の合計額を記載

新保険料・旧保険料区分に分けて、年間保険料の合計額を正確に記入していきます。前述したように、払い込んだ保険料総額が全て控除対象となるわけではありません。


証明書を参考に記入していけば間違いないですが、ご自分が何度計算しても証明書の金額と合わないと感じたら、保険会社へ相談してみることが大切です。

④医療保障特約付き学資保険の場合は介護保険料控除の対象になる場合も

学資保険には、医療保障が付帯できる商品もあります。このような医療特約を付けていた場合、新契約ならば介護医療保険料控除にも当てはまります


もちろん、主契約の保険料まで含まれるわけでは無く、特約保険料部分が対象です。


この部分だけ分けて記入することになるはずです。詳しくは証明書で明記されています。それを参考に正確な記入が必要です。

生命保険料控除の申請に関する注意点5つ!


生命保険料控除の申請は、誰でも行えるわけではありません。また、申請の際はいろいろ確認しておかないと、誤解したまま手続きをする可能性もあります。


こちらでは

  • 申請者について
  • 控除額の変更
  • 保険期間制限
  • 控除額の上限
  • 受取人について
以上を解説します。

①年末調整で保険料控除の申請ができるのは本人のみ

年末調整では控除の申請がわかりやすいものの、やはりその事業所に勤めるご本人しか手続きはできません。


申告書を事業所から受け取り、保険料控除証明書を取得後すぐに記入して提出した方が良いでしょう。保険料控除証明書の送付が遅れでもしない限り、証明書を参考にすれば、さほど時間もかからず申請書の記入は完了します。

③学資保険への加入時期によって控除額が変わる

2012年1月1日以後に保険契約を締結したら新契約、それ以前は旧契約と区分され、保険料控除額の基準も違ってきます。


前述しましたが、旧契約に該当する学資保険・医療保険等を契約していると、同じ枠に入ってしまいます。


医療保険等が新契約に該当するなら別の枠で控除額を算定できます。このような仕組みの違いもあるので気を付けましょう。加入保険が新契約か旧契約かは、証明書をみれば一目瞭然です。

④保険期間が5年御南の場合は控除対象外

加入保険が保険期間5年未満ならば控除対象外です。それなりに長期間継続される商品でなければいけない、ということです。ただし、日本で販売されている学資保険の場合、10年以上の期間でコツコツ積立を行うタイプがほどんどなので心配はないでしょう。


一方、保険期間が5年以上であっても外国の保険会社と国外で契約した場合、残念ながらは控除対象外です。ただし、いわゆる「外資系生命保険会社」が契約先の場合、国内の契約締結なら控除対象です。

⑤学資保険以外の保険で控除額の上限に達している場合は控除対処外

学資保険の控除枠と同じ枠に入る保険へ加入しているなら、どんなに保険料総額が高くなっても、先に述べた通り、上限額を超えた分は返還されるお金にカウントされません。


保険の加入で効率的な節税も検討している場合は、保険をサポート内容で選ぶのが最優先であるにしても、うまく種類の違う控除枠を利用できるのか、事前に確認した方が無難です。

⑥保険金の受取人が保険料を支払った本人・配偶者・親戚でなければいけない

学資保険の場合は学資金の受取人が、保険料負担者のご自分・配偶者、親族以外だと控除対象外です。赤の他人が学資金の受取人ならば、子のための学資保険の意味が薄れてしまうことになります。


例えば、以前に夫婦関係があったとしても、受取人を離婚した元配偶者にしていた場合は控除は受けられません。控除を受ける場合には、契約者も受取人もご自分にしておいた方が良いでしょう。

なぜ学資保険は生命保険料控除の対象なの?

控除には、前述したように3種類の枠があります(新契約)。

控除枠保険商品
一般生命保険料学資保険・死亡保険・養老保険等
介護医療保険料医療保険・がん保険・介護保険等
個人年金保険料個人年金保険

一見、表を見る限り学資保険は子の教育資金の確保が目的であり、死亡保障を目的とした一般生命保険料の枠に入らないのでは?と思われます。


しかし、学資保険には保険料払込免除という契約者(親)の万一の事態の際、保険料の払い込みが不要となる措置がとられています。これは、契約者の死亡等で保険料が払えなくなり、解約する事態を避けるための配慮と言えます。


学資保険は、この生命保険の側面を持っているのです。そのため、一般生命保険料の枠に分類されています。

まとめ:学資保険は医療費控除の対象!

この記事では学資保険は医療費控除の対象なのかというテーマで話してきました。 


学資保険は医療費控除の対象になりますので、必ず忘れずに申請しましょう。


特にこの記事では、

  • 学資保険は医療費控除の対象
  • 学資保険の医療費控除額の計算方法
  • 学資保険に加入している人が生命保険料控除を受ける際の手続き方法
等を解説してきました。


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